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外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言 (10 ページ)

公開元URL https://www.ncvc.go.jp/hospital/wp-content/uploads/sites/2/20250707_neurology_seisakuteigen.pdf
出典情報 「外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言」発表(7/7)《国立循環器病研究センター》
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3)政策提言
1.
脳卒中後失語の研究

窓口の設立などの社会的なサポートも必要となる。医

PSA は2~4割もの脳卒中生存者に後遺し、その

療職のみだけでなく、介護職、対人援助職、行政職、

後の機能予後、
死亡に直接関連することが判明したが、

一般の人々への PSA の認識、理解を促進する施策を

いまだ PSA のリハビリテーションや治療に関するエ

展開していくことも重要である。また、非言語性コミュ

ビデンスは少ない。予後改善に向けて研究を推進して

ニケーションツールの汎用化を促し、それに対する医

いく必要があり、PSA 治療における画期的な技術開

療保険制度のサポート体制の構築も重要となる。加え

発や最新のデジタルテクノロジー(AI 技術による認

て PSA の患者のおかれる環境は、医療から福祉、社

識、ロボット開発など)を駆使した失語への介入法の

会復帰へと領域を超えて変化するため、継続した支援

発明が望まれる。また、失語症状が重度の場合は、非

が得にくい問題があり、情報の集約を行い、包括的な

言語性コミュニケーションをサポートする技術の開発

支援体制を構築することが望まれる。

を促進し、さらに技術の安全性と有効性を探索・検証
する臨床研究への助成が必要となる。

2.
脳卒中後失語の診療、均てん化
PSA が機能予後、死亡に直接与える影響と、その
頻度や特徴についての社会的認知を高める必要性が高
い。そのため、脳卒中学会、神経学会、脳神経外科
学会などでも積極的に PSA について取り上げ、PSA
の重要性、適切な診断、重症度判定、適切なリハビリ
テーション、治療によるマネジメントを伝播し、全国
どこでも適切な評価ができるよう目指す必要がある。

3.
脳卒中後失語の支援体制
目に見えない後遺症である PSA 患者が直面してい
る医療費の問題や職場復帰など生活上の困難に即し
て、PSA をどの範疇で扱うかについて障害者制度や
介護保険制度の見直し、整備が必要である。また、学
2.脳卒中後失語の現状、課題、政策提言
10

校や会社における PSA への対応や PSA 患者の相談