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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (171 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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3)の現場介入調査に関しては、30 名の看護師を対象にして実施した。今後、当該調査結
果を踏まえて、新たな交代勤務スケジュールへの介入調査を実施予定である。


トラックドライバーの血圧と疲労に影響する働き方・休み方の検討
長時間拘束や、不規則勤務、夜間勤務等の過重負荷がみられるトラックドライバーを対象

として、以下の3つの現場調査を行うことで、過労死等防止に資する働き方・休み方の改善
方法を探ることとした。
1)トラックドライバーの働き方による睡眠と血圧、疲労の特徴では、長距離 26 人、地場
11 人を対象とした1人2週間の測定を行った。
2)トラックドライバーの睡眠が血圧と疲労に及ぼす影響では、3泊以上の長距離 34 人、


深夜・早朝出庫の地場 22 人を対象とした1人1週間の測定を行った。
3)トラックドライバーの血圧値を下げる要因と介入方法の検討は、長距離 67 人を対象と

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した1人1か月間の調査を実施した。現在、地場を対象とした調査を実施中である。




ーバル、早い出庫時刻、短い睡眠時間で働いていることが明らかになった。勤務日の疲労は、



地場の出庫時や長距離の帰庫時といった直前の睡眠時間が短時間になる場合に高かった。血



















圧値に関しては、高血圧者が短時間睡眠の場合に血圧値がより一層高くなる傾向が見られ、
また運行形態にかかわらず、特に勤務1日目の出庫時に高くなることが示された。今後は、
現在行っている3)のトラックドライバー調査の結果により、脳・心臓疾患のリスク要因であ
る血圧値を上昇させる複合要因を明らかにする予定である。

(3)実験研究
過労死等防止のためのより有効な健康管理の在り方の検討に資するため、①長時間労働と
循環器負担のメカニズムの解明、②労働者の体力を簡便に測定するための指標開発の2つを
テーマに行っている。


過労死等の防止のための対策の実施状況

現場調査1)と2)の結果からは、地場運行では長距離運行に比して、短い勤務間インタ

長時間労働と循環器疾患のメカニズムの解明
長時間労働が血圧など血行動態に及ぼす影響と、それらの影響が過労死等のリスク要因で

ある高血圧や加齢により、どのように変化するのかを実験の手法を用いて、検証することと
した。
過労死等の発生には高血圧等の循環器負担が深くかかわっていることが、これまでの研究
においても指摘されてきた。このため、循環器負担のメカニズム解明を目指して、実験室実
験により、1)長時間労働による血行動態に及ぼす影響の検討、2)高血圧や加齢などの過
労死リスク要因が循環器負担に及ぼす影響を詳細に調べることとした。
平成 27 年度は、これらの本実験に向けた予備調査として、数名の参加者を対象に調査項目
の精査を行い、平成 28 年度から平成 29 年度にかけて 50 人程の被験者を対象とした本実験を
行った。平成 30 年度からは、循環器系の作業負担軽減、睡眠と休息、長時間労働の相関関係
等の解明に向けた研究を行っている。令和3年度からは、運転が血行動態に与える影響につ
いても研究を行っている。

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