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母子保健検討委員会答申 (13 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/012754.html
出典情報 日本医師会 定例記者会見(5/20)《日本医師会》
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保するものである。これにより、母親は産後直後の不安が最も高い時期を
「すでに顔のわかる小児科」とともに迎えることができ、虐待予防、過度な
不安の軽減、適切な医療アクセスの確保に寄与する。
ペリネイタル・ビジットは、日本においては大分県が先駆的に開始した事
業である。大分県では、産科・小児科・行政が連携し、
「大分県ペリネイタ
ル・ビジット事業」として妊娠期から産後まで切れ目のない支援を体系化す
るとともに、母子が妊娠期から出産後の新生児期・乳幼児期まで、各ライフ
ステージで利用できる医療・母子保健サービスを「どこで・誰が・どう支え
るか」という形で整理した「ヘルシースタートおおいた」を長期的に実装し
てきた。ここでは、紹介状、事後報告、共有様式が標準化され、
「確実につ
なぐ」ことそのものが地域の仕組みとして磨き上げられている。
また、岡山県では、妊娠期から支援が必要な母子を早期に把握し、多職種
が連絡・連携できる体制を「妊娠中からの気になる母子支援連絡システム
(岡山モデル)
」として構築している。これは、妊娠中から産後まで、産科
と行政(母子保健・子育て支援部門)
、さらには精神科医療機関が情報を共
有し、支援が必要なケースを途切れさせないことを目的としたものである。
岡山モデルでは、支援対象となり得る母子を把握する連絡システムの運用と
ともに、精神科医療機関リストをあらかじめ整備し、産科・精神科・行政の
連携経路を可視化・固定化している点が特徴である。
以上のように、妊産婦健診は単なる医学的フォローアップではなく、産後
のメンタルヘルス不調、育児困難、虐待リスクを早期に拾い上げ、地域の支
援資源(産後ケア事業、保健師・助産師訪問、精神科医療、小児科のかかり
つけ化)へ確実に接続するための「立ち上がり点」である。妊娠期から産後
1年までの支援は、医療だけでは完結せず、妊婦健診と産婦健診を情報の起
点とし、地域資源を介して切れ目なく支援を橋渡しすることこそが、周産期
の母子の安全と安心を社会全体で担保するうえで不可欠な基盤となる。

2. 産後ケアでの支援の在り方
① 山梨県における産後ケア事業の現状について

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