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母子保健検討委員会答申 (11 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/012754.html
出典情報 日本医師会 定例記者会見(5/20)《日本医師会》
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て、現在は産婦のメンタルヘルス状態を把握することが必須要素とされてお
り、そのための標準的ツールとしてエジンバラ産後うつ病質問票(Edinburgh
Postnatal Depression Scale:EPDS)が用いられる。EPDS は産後うつの早期
兆候を捉える質問票として国際的にも広く用いられており、日本語版の妥当
性も確認されている。産婦健診と EPDS の普及によって、医療機関と自治体
(保健師・助産師等)が連携しながら、支援の必要な産婦を確実に産後ケア
事業などの具体的な支援につなぐことが可能となった点は大きい。
さらに、日本産婦人科医会が示す「妊産婦メンタルヘルスケアマニュア
ル」では、妊娠初期、妊娠中期(25〜28 週ごろ)
、分娩・入院中、産後2週
間、産後1か月という5つのタイミングで、メンタルヘルスに関するスクリ
ーニングを行うことが推奨されているiii。そこで用いられる主な質問票は、
①育児支援チェックリスト、②エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)、③赤ち
ゃんへの気持ち質問票の3種類である。重要なのは、産後うつやボンディン
グ障害(母親がわが子に情緒的な結びつきをうまく感じられない状態)は、
精神疾患の既往がない、いわゆる「リスクが低い」と考えられている妊婦に
も起こり得るという点である。そのため、いわゆるハイリスク妊婦だけでは
なく、ローリスク妊婦も含めた全体的なスクリーニングが必要とされる。
産後の生活は、それまでの生活様式が一変し、予測困難な育児対応が 24 時
間体制で続く時期である。新生児が何を欲しているのか、何に不快を感じて
いるのかを常時探り続けるうち、母親側は過覚醒状態に陥りやすく、慢性的
な睡眠不足や身体疲労が蓄積する。それでも母親は、子を全面的に保護しよ
うとする切迫した責任感のもとで育児を継続している。この時期において、
母親が自らの「母親としての能力」と向き合わざるを得ないことは自己肯定
感を揺るがせやすく、思うようにいかない授乳や寝かしつけ、泣き止まない
乳児への対応は、罪悪感や無力感を誘発しやすい。第三者からの共感的な承
認や、具体的な手助けを得られるかどうかが、心理的な破綻を防ぐうえで決
定的な意味を持つ。ところが現代は核家族化・地域孤立化が進んでおり、産
後の母親が日常的な見守りや助言を受けにくい環境が顕在化している。
特に、うつ病・不安障害等の既往、望まない・予定外の妊娠、家庭内暴力

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