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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (79 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

区分

該当なし

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス
予想影響額(円)

2,459,280
【積算の範囲】
臨床現場ではシロリムスの薬物血中濃度測定が既に行われているため、次に挙げる項目は現在の医療費に織り込まれていると判断する:
1)高いトラフ血中濃度によって引き起こされる薬剤性肺障害等の発生予防の減分、
2)薬物血中濃度測定のための通院に伴う初・再診料等。
なお、1) に付随するQOLの改善は、厳密な金銭的価値への変換が難しいため本提案書では積算の範囲外とする。以上の理由より、薬剤性肺障害等
の発生予防の減分 とB001 2 特定薬剤治療管理料の増分から医療費への影響額を積算した。

⑩予想影響額

その根拠

【影響額】
1)間質性肺疾患発生患者数は年間0.924人(患者280人×間質性肺疾患発生率3.3%(添付文書3))=0.924人)。入院時の医療費:780,000円
(https://hosp.ncgm.go.jp/inpatient/070/index.html)。ゆえに年間額:780,000円×0.924人=720,720円の医療費減
2)あるひと月について薬物血中濃度測定を受ける難治性リンパ管疾患患者は93人(患者280人×年間4回測定÷12ヶ月)。経験を基に、初月加算
のある者の構成割合を5%と仮定する。したがって、2-3月目の者はその倍の10%、4月目以降の者は残り85%となる。ゆえに、B001 2 特定薬剤治
療管理料は下記の通り。 1) 初月の者: 3.5万円/月 (93人/月× 5%×(470点+280点)×10円/点) 2) 2-3月目の者: 4.4万円/月 (93人/
月×10%×470点×10円/点) 3) 4月目以降の者 :18.6万円/月 (93人/月×85%×235点×10円/点)合計318万円の医療費の増(26.5万円×12
か月分)。

備考

特になし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

難治性リンパ管疾患患者に対するシロリムス投与は、長期間の継続投与が見込まれるため、患者の安全性に配慮することが強く求められている。
なお、投与量の調節は薬物血中濃度測定のみに頼るのではなく、患者の状態を総合的に勘案して決定することが求められる。

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本小児血液がん学会

1)名称

International Federation of Clinical Chemistry/International Association of Therapeutic Drug Monitoring and Clinical Toxicology
Working Group on Immunosuppressive Drug Monitoring.

2)著者

David W. Holt, Victor W. Armstrong, Andrea Griesmacher, Raymond G. Morris, Kimberly L. Napoli, and Leslie M. Shaw

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Therapeutic Drug Monitoring, 2002年, 24巻, P59-67.

4)概要

血中濃度をモニタリングすべき免疫抑制剤として、シクロスポリン、ミコフェノール酸、タクロリムスに加えて、シロリムスについても解説され
ている。

1)名称

Toxicity and efficacy of sirolimus: relationship to whole-blood concentrations.

2)著者

Meier Kniesche HU, Kaplan B.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Clinical Therapeutics, 2000年, 22巻(Suppl B), B93-B100.

4)概要

腎移植患者の拒絶反応予防を目的に実施された臨床試験レポートからシロリムスの投与量と全血中シロリムス濃度との関係を考察した報告。血中
シロリムストラフ濃度が15ng/mLを超えると、血小板減少症と高脂血症とも発症するリスクが増大する。

1)名称

mTOR阻害剤シロリムス、ラパリムスⓇ錠1mg

⑭参考文献1

⑭参考文献2

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

添付文書第2版、2023年、2月、P1-6.

4)概要

難治性リンパ管疾患に対する「用法及び用量」「用法及び用量に関連する注意」は、以下のとおりシロリムスの投与量は、血中トラフ濃度等に基
づいて調節すると定められている。
「用法及び用量」
〈難治性リンパ管疾患〉
通常、シロリムスとして、体表面積が1.0m2以上の場合は2mg、1.0m2未満の場合は1mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、血中トラフ
濃度や患者の状態により投与量を調節するが、1日1回4mgを超えないこと。
「用法及び用量に関連する注意」
〈難治性リンパ管疾患〉
7.5 本剤の投与開始から1~2週間後に血中トラフ濃度を測定し、15ng/mL以内を目安として投与量を調節すること。

1)名称

Official American Thoracic Society/Japanese Respiratory Society Clinical Practice Guidelines: Lymphangioleiomyomatosis Diagnosis
and Management.

2)著者

Francis X. McCormack, Nishant Gupta, Geraldine R. Finlay, Lisa R. Young, Angelo M. Taveira-DaSilva, Connie G. Glasgow, Wendy K.
Steagall, Simon R. Johnson, Steven A. Sahn, Jay H. Ryu, Charlie Strange, Kuniaki Seyama, Eugene J. Sullivan, Robert M. Kotloff,
Gregory P. Downey, Jeffrey T. Chapman, MeiLan K. Han, Jeanine M. D’Armiento, Yoshikazu Inoue, Elizabeth P. Henske, John J.
Bissler, Thomas V. Colby, Brent W. Kinder, Kathryn A. Wikenheiser-Brokamp, Kevin K. Brown, Jean F. Cordier, Cristopher Meyer,
Vincent Cottin, Jan L. Brozek, Karen Smith, Kevin C. Wilson, and Joel Moss; on behalf of the ATS/JRS Committee on
Lymphangioleiomyomatosis

3)雑誌名、年、月、号、ページ

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, 2016年, 9月, 194巻 6号,

4)概要

難治性リンパ管疾患に対するシロリムスの至適投与量は、血中濃度を5~15 ng/mLを維持する量である。また、血中濃度を5ng/mL未満に維持する
低用量維持療法も肺機能の安定化に効果があるという研究報告もあり、シロリムスの副作用を予防する長期治療も可能性がある。したがって、シ
ロリムスの治療において血中濃度をモニタリングことは必要不可欠である。

⑭参考文献3

⑭参考文献4

P748-761.

1)名称
2)著者
⑭参考文献5

3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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