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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (145 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

見直し前の症例数(人)

800人

見直し後の症例数(人)

800人

見直し前の回数(回)

800回

見直し後の回数(回)

800回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

食道癌術後の反回神経麻痺は未だ解決されていない術中合併症であり、保険収載されれば、多くの食道癌手術で使用されることが推定される。特
にロボット支援下食道切除術や縦隔鏡下食道切除術でその有用性が高い事が示唆されている。日本食道学会において食道外科専門医認定施設およ
び準認定施設の120施設にアンケート調査を実施した。2022年の1年間で脊髄誘発電位測定を行った施設は65施設(54%)で実施件数は792件であっ
た。実施された792件のうち持続モニタリング用プローブ(APS電極)を使用したのは212件であった。以上のように脊髄誘発電位測定を食道癌手
術の最に実施している施設は増加している。

術中神経損傷を回避する方法として高く評価されており、増点されれば食道癌手術における標準的な手技としてさらに普及すると思われる。手技
的な難易度は低く、広く普及することが期待される。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 なし
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 なし
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の なし
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

副作用等のリスクはない

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

食道癌手術の安全性の向上に寄与する技術であり、問題はない。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後

3,630点
10,483点

その根拠

モニタリング用電極の装着には、技術度Bの2名の医師と1名の看護師で30分の時間が必要であり、2X(24,330X0.5)+(3,000X0.5)=25,830円とな
る。その他、償還されない材料費として、電極付き気管内チューブ (TriVantage Tube) 28,000円、間欠刺激用モノポーラプローブ16,000円、持
続刺激用APS電極35,000円が必要である。以上を合計すると104,830円が妥当と考えられる。現在の脊髄誘発電位測定等加算(K 930-1)は3,630点
であり増点を申請する。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

区分をリストから選択

番号
技術名

なし
なし

具体的な内容

なし
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

54,824,000円

その根拠

現在の加算点数は3,630点で見直し後の点数は10,483点。(10,483-3,630)X 800回/年 X 10 =54,824,000円

備考

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

なし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

なし

⑭参考文献1

⑭参考文献2

1)名称

Intraoperative nerve monitoring during esophagectomy reduces the risk of recurrent laryngeal nerve palsy.

2)著者

Yuda M, Nishikawa K, Ishikawa Y, Takahashi K, Kurogochi T, Tanaka Y, Matsumoto A, Tanishima Y, Mitsumori N, Ikegami T

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Surgical Endoscopy 2022; 36: 3957-3964

4)概要

2011年から2018年の食道癌に対する手術例187例を対象。187例中142例に術中神経モニタリングを施行した。神経モニタリングを施行しなかった
群に比べ術後反回神経麻痺の発生率は有意に減少(22% vs. 44% p=0.004)した。(p=3957)

1)名称

Continuous Recurrent Laryngeal Nerve Monitoring During Single‑Port Mediastinoscopic Radical Esophagectomy for Esophageal Cancer

2)著者

Komatsu S, Konishi T, Matsubara D, Soga K, Shimomura K, Ikeda J, Tanigichi F, Fijiwara H, Shiozaki Y, Otsuji E

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Journal of Gastrointestinal Surgery 2022; 26: 2444-2450

4)概要

2014年から2022年に縦隔鏡下の食道癌手術例を41例に施行。持続的神経モニタリング(CNM)を施行したのは25例、施行しなかった(non-CNM)の
は16例であった。術後反回神経麻痺の発生は41例中6例(14.6%)でCNM群は1/25例(4.0%)、non-CNM群は3/16例(31.2%)でCNM群における反回神
経麻痺発生率は有意に低かった(p=0.026)。

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