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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (52 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

見直し前の症例数(人)

150

見直し後の症例数(人)

165

見直し前の回数(回)

272

見直し後の回数(回)

287

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

2012年に実施した日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会によるバルーン小腸内視鏡を保有する全国203施設への調査によるとバルーン小腸内
視鏡的ポリープ切除術は年間272件施行された。このほとんどはポイツ・ジェガース症候群等の消化管ポリポーシスに対するものと考えられ、多
くの患者が経口・経肛門の2回の治療を一回の入院中に行うため、年間対象患者数は半数強の150人と推計した。消化管ポリポーシスではない小腸
ポリープは稀で、上記の調査期間中に当施設で治療を行った19人のうち2人であり、約10分の1と考えられる。また、病変は単発か少数のことが多
く、経口もしくは経肛門のいずれか一回となる。以上より適応範囲を拡大しても、症例数は10%増しで、回数は5%ほど増えるのみと考えられる。

2015年に日本消化器内視鏡学会等4学会が作成した小腸内視鏡診療ガイドラインでも粘膜内にとどまる腫瘍や、粘膜下層に限局する粘膜下腫瘍は
内視鏡的切除術の適応となることが示されている。当該技術は外保連試案の内視鏡試案に掲載されており(試案コード(経路、病変数、大きさ、
良悪性等で区別):E11-5M06100、E11-5M06200、E11-5M06500、E11-5M06600、E11-5M06900、E11-5M07000、E11-5M07300、E11-5M07400、E115M07700、E11-5M07800、E11-5M08100、E11-5M08200)、難易度はDである。実施に当たっては、バルーン小腸内視鏡を用いた内視鏡治療に習熟し
た医師が行うことが望ましい。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 消化器内科または消化器外科を標榜している。内視鏡的ポリープ切除術が実施できる設備があること。
制等)
主たる実施医師はバルーン小腸内視鏡と内視鏡的ポリープ切除術について充分な経験がある消化器内視鏡医であることが望ましい。また、実施医
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 師の他に、協力医師、看護師、技師を含め最低4人必要である。当該技術が困難な場合や、穿孔・術後出血等の偶発症発生時に外科的治療や血管
造影下塞栓術に移行できるバックアップ体制が必要である。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 当該技術の適応の判断及び実施に当たっては、日本消化器内視鏡学会等4学会が作成した小腸内視鏡診療ガイドラインを参考にすること。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

ダブルバルーン内視鏡は日本国内の200施設以上、世界で50カ国以上の施設でも運用されている。多施設での2362件のバルーン内視鏡の偶発症を
集計した報告(P. B. Mensink et al., Endoscopy 39, 613 (Jul, 2007).)では、観察のみの検査では0.8%、内視鏡的治療では4.3%で偶発症が起
きたと報告されている。その内訳は、観察のみの検査1728件中、膵炎が6件(0.3%)、出血が1件(0.1%)、穿孔が1件(0.1%)、その他5件(0.3%)あり、
内視鏡的治療534件中、膵炎が1件(0.2%)、出血が18件(3.0%)、穿孔が5件(0.8%)、その他3件(0.5%)であった。小腸内視鏡的ポリープ切除術におけ
る偶発症の発生率は3.3%であった。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題点なし

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

特になし

区分

特になし

区分をリストから選択

番号
技術名
具体的な内容
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

750,000円

その根拠

K721-5小腸ポリープ切除術11,800点とD310-1小腸内視鏡検査(バルーン内視鏡によるもの)6,800点の差が5,000点であり、予想される年間実施回
数の増加数15回を掛け合わせて75,000点増加するため、750,000円と算出した。

備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

⑭参考文献1

⑭参考文献2

連名要望学会以外でその他あれば記載ください。

1)名称

小腸内視鏡診療ガイドライン

2)著者

山本博徳, 緒方晴彦, 松本主之, 大宮直木, 大塚和朗, 渡辺憲治, 矢野智則, 松井敏幸, 樋口和秀, 中村哲也, 藤本一眞

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Gastroenterological Endoscopy. 57: 2685-720, 2015.

4)概要

バルーン内視鏡は深部小腸においても内視鏡的切除術が可能で、粘膜内にとどまる腫瘍や、粘膜下層に限局する粘膜下腫瘍が適応となることが示
されている。また、ポリポーシス症候群の患者で腸重積等の合併症の危険があるポリープについてはバルーン内視鏡などの深部小腸まで挿入可能
な小腸内視鏡による治療を推奨している。

1)名称

Complications of double balloon enteroscopy: a multicenter survey.

2)著者

Mensink PB, Haringsma J, Kucharzik T, Cellier C, Perez-Cuadrado E, Monkemuller K, Gasbarrini A, Kaffes AJ, Nakamura K, Yen HH,
Yamamoto H.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Endoscopy. 39: 613-5, 2007.

4)概要

多施設での2362件のバルーン内視鏡の偶発症を集計した報告で、ダブルバルーン内視鏡を用いたポリープ切除術では3.3%で偶発症が起きたと報告
されている。

1)名称
2)著者
⑭参考文献3

3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
1)名称
2)著者

⑭参考文献4

3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
1)名称
2)著者

⑭参考文献5

3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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