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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (174 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

341101
人工関節置換術・股関節(ロボット支援)
日本人工関節学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

30整形外科
00なし

関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

リストから選択

特になし

追加のエビデンスの有無

有無をリストから選択

提案される医療技術の概要
(200字以内)

人工関節置換術・股関節の骨盤骨の掘削、骨盤側部品(カップ)の設置をロボットアーム制御下に行い、視認誤差や手振れ
による誤差を低減する。骨の過剰掘削を回避するストッパー機能を有し、正確性と安全性を高めている。カップの固定性向
上により、追加スクリュー固定の必要度を低減し、骨盤内血管損傷のリスクを低減している。大腿骨側部品(ステム)はナ
ビゲーション機能により設置誤差を低減し、術後脚長や筋力を適正化する。

文字数: 199
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

変形性股関節症、大腿骨頭壊死、関節リウマチ・股関節、大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折

ロボット支援による人工関節置換術・股関節は、精度の高い骨の整形とインプラント設置により、最適な股関節機能の再建
が可能である。患者視点における優越性として、脱臼のリスク低減(1/8倍)、脱臼による再手術の低減(1/3倍)、スク
リュー使用数の減少による血管損傷回避(1/40倍)、術後疼痛の軽減(37%低減)、歩行能獲得の早期化(4.3日減)が期待
できる。医療費における優越性として、米国にて入院及びリハビリ期間の短縮、脱臼に対する再手術の回避による医療費削
減効果が1症例あたり24万円と試算されている。本邦では、スクリュー固定による血管損傷に対する追加治療費(約400万
円)の削減効果が試算されている。

文字数: 300
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

変形性股関節症:股関節の変性疾患であり、60から70歳代に多く、股関節痛、運動障害を生じる。
大腿骨頭壊死:大腿骨頭が壊死する疾患であり、40歳代に多く、股関節痛、運動障害を生じる。
関節リウマチ・股関節:関節リウマチの滑膜炎が股関節に発生するため、股関節痛、運動障害を生じる。
大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折:高齢ほど受傷率が高くなり、大腿骨頭壊死をきたし、股関節痛、運動障害を生じる。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

人工関節置換術・股関節の計画をCT画像を元に立案し、計画に従い手術支援ロボットを用いて人工関節の設置を行う。手術
症例1件につき1回算定される。手術時間は2時間である。2021年手術件数は1995件である。対象となるロボットは現在のと
ころ、日本ストライカー社MAKOシステムのみである。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

K082 1
人工関節全置換術・股関節

既存の治療法・検査法等の内容

人工関節全置換術・股関節(37,690点)に加えて、術前撮影三次元画像を用いた計画にもとづくナビゲーション手術を行っ
た場合、K939画像等手術支援加算 1ナビゲーションによるものとして 2,000点の加算点数がある。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

ガイドライン等での位置づけ
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
⑥普及性

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

人工関節の設置精度の向上により、早期の運動機能回復がはかられ、入院期間の短縮、QOLの改善、脱臼に伴う再入院、再
手術の減少が認められている。ナビゲーションと比較しても、設置精度は向上し、術後疼痛の軽減、歩行能力の向上が認め
られている。さらに骨切除領域制御機能があり、骨温存に加え人工関節の固定性向上がはかられ、スクリュー固定が不要と
なり、重篤な合併症である骨盤内血管損傷の回避を可能としている。
米国ではマニュアル手術と比較して、機械的合併症の低減(1/6倍),脱臼の減少(1/8倍),脱臼に対する再手術の減少(1/3
倍),入院期間とリハビリ期間の短縮が認められ(参考文献4)、それに伴う医療費の削減(1症例あたり24万円)が報告され
ている(参考文献5)。本邦においてCTベースナビゲーションと比較して、人工関節設置精度の向上(参考文献1)、術後疼
痛の軽減(37%低減)、歩行能獲得の早さ(4.3日短縮)が報告され(参考文献2)、人工関節の固定性向上により追加スク
リュー固定の減少(1/40倍(対マニュアル))が報告されている(参考文献3)。

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の 2024年変形性股関節症ガイドライン改訂第3版に掲載予定であ
改訂の見込み等を記載する。)
る。
1,995人
1,995回
ロボット開発企業(日本ストライカー社)の提供情報
手術計画の立案、軟部組織展開は整形外科医が行っており、日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会認定医相当の人工
関節置換術・股関節を遂行する技術度を要する。企業による使用資格認定制度があり、製品概要と術前計画説明、模擬骨を
使用したワークショップ用いた技術訓練、指導医によるレクチャーの口頭指導受講を必要用件としている。尚、コロナ前は
遺体を用いた技術訓練、指導医による手術立会を必要用件としていた。

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