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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (153 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

340201

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対する)
日本心血管インターベンション治療学会
03循環器内科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

15心臓血管外科
関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対する)



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)

提案される医療技術の概要(200字以内)


K549 1
1-A

算定要件の見直し(適応)

該当する場合、リストから○を選択

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)



2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

その他」を選んだ場合、右欄に記載

急性心筋梗塞の責任病変である冠動脈の狭窄ないし閉塞部位にガイドワイヤーを通過させ、ガイドワイヤーに沿って冠動脈ステントセット
(一般型あるいは再狭窄抑制型)を留置する手技。まずガイドワイヤーに沿って先端にバルーンのついたカテーテルを挿入し、狭窄部位で加
圧することにより狭窄を取り除くバルーン拡張を先に行うことが多いが、最終的には狭窄部位に冠動脈ステントセットを留置して終了とす
る。

文字数: 190

再評価が必要な理由

現状では、経皮的冠動脈ステント留置術(K549 1)が経皮的冠動脈形成術(K546-1)よりも減点されている。しかし急性心筋梗塞患者に対してス
テントを留置するK549 1とバルーン拡張のみのK546 1では、前者と後者の成績は同等か前者の方が優れることが示されている(参考文献3およ
び4)。参考文献1の日本循環器学会のガイドラインにおいても、急性心筋梗塞患者にPCIを行う場合に薬剤溶出性ステントを使用することは、
推奨クラスI、エビデンスレベルAで強く推奨されている。実際K549 1の方がK546 1よりも使用するステントの分だけ手術材料費が余分にかか
り、診療報酬上の点数において、少なくともK549 1もK546 1と同様の扱いにしていただくことを要求する。ステント留置を行わないK546 1の
方が診療報酬上の点数が高い現状では、前述のように患者さんにメリットの高いステント留置を行うK549 1があえて行われずバルーン拡張の
みのK546 1が施行される可能性があり、急性心筋梗塞の患者さんにとって不利益を生じえる。また現状の低い診療報酬上の点数では、下記の
ように今後働き方改革の導入とともに、急性心筋梗塞患者に対して適切なdoor to balloon time 90分を達成できる(参考文献1および2)治療体
制維持が困難となり、急性心筋梗塞の患者さんが適切な治療を受けられず不利益を被ると考えられる。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):717,877円
外保連試案2022掲載ページ:162-163
外保連試案ID(連番):S91-0203210
技術度:D 医師(術者含む):3 看護師:2 その他:2(技師) 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)
【現在の診療報酬点数:34,380点】⇒【令和6年度要望点数:71,788点】
その根拠:
1. 前述のように、急性心筋梗塞患者に対してステントを留置するK549 1とバルーン拡張のみのK546 1では、前者と後者の成績は同等か前者
の方が優れることが示されている(参考文献3および4)。参考文献1の日本循環器学会のガイドラインにおいても、急性心筋梗塞患者にPCIを
行う場合に薬剤溶出性ステントを使用することは、推奨クラスI、エビデンスレベルAで強く推奨されている。実際K549 1の方がK546 1よりも
使用するステントの分だけ手術材料費が余分にかかり、診療報酬上の点数において、少なくともK549 1もK546 1と同様の扱いにしていただく
ことを要求する。ステント留置を行わないK546 1の方が診療報酬上の点数が高い現状では、前述のように患者さんにメリットの高いステント
留置を行うK549 1があえて行われずバルーン拡張のみのK546 1が施行される可能性があり、急性心筋梗塞の患者さんにとって不利益を生じえ
る。
2. 日本心血管インターベンション治療学会の2020年度実態調査では、以前の8.3版に比べて、手術時間が1.5時間から2.0時間への延長を認め
ており、診療報酬点数を治療実態と合わせる必要があると考えられる。経皮的冠動脈ステント留置術は、急性心筋梗塞、不安定狭心症、その
他のものと病態で区別されて算定されているが、急性心筋梗塞は生命に直結し、昨今の高齢化、患者側からの高い要望と相俟ってより慎重な
手技が必要である。また他の病態より患者背景が悪く、技術的に難しいことも多い。血栓症などの合併症のリスクについても安定した状態の
ステント留置よりも非常に高く、生命予後に直結する急変リスクも高く、介助等に要する労力も大きい。一方で当該技術は急性心筋梗塞に対
しては必須の処置であり、成功した場合の予後は極めて良好であることから、臨床上の有用性は高い。また急性心筋梗塞に対する全ての症例
が緊急で行われ、入院後も分単位での速やかな対応が必要であるため、急性心筋梗塞患者に対する適切な治療体制の持続的な維持には、当該
治療の人件費と材料費に加えてオンコール体制維持のための人件費も発生する。現状の低い診療報酬上の点数では、今後の働き方改革の導入
とともに、急性心筋梗塞患者に対して適切なdoor to balloon time 90分を達成できる(参考文献1および2)治療体制維持が困難となり、最終的
に急性心筋梗塞の患者さんが適切な治療を受けられずに不利益を被ると考えられる。以上より急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留
置術に対しては、より高い評価が妥当と考える。
3. 手術材料では算定できないY字管、インデフレーターなどの必要材料のコストを含めると現在の点数では赤字になる可能性がある。

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