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参考資料5_薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (23 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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Ⅳ 大学独自の3つのポリシー(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッシ
ョン・ポリシー)の作成について
本モデル・コア・カリキュラムに示した生涯にわたる目標である「A 薬剤師として求められる
基本的な資質・能力」と、卒業時の大項目B~Gの目標は、達成する時期が異なるが、学修内容は
つながっている。各大学は、この点を十分に理解した上で、大学のディプロマ・ポリシーに則っ
た独自性のある教育を実現するため、卒業時の目標を策定する際、「A 薬剤師として求められる
基本的な資質・能力」と十分につながるカリキュラムの構築を行う必要がある。
各大学が策定するディプロマ・ポリシーは、卒業時に評価が可能であることが重要である。本
モデル・コア・カリキュラムに記載した「A 薬剤師として求められる基本的な資質・能力」は、
生涯にわたって目標とする資質・能力を示したもので、平成25年度改訂版に記載されている「薬
剤師として求められる基本的資質(10の資質)」のように卒業時に修得する内容を示したものでは
ない。つまり、各大学は本モデル・コア・カリキュラムに記載されている「A 薬剤師として求め
られる基本的な資質・能力」をそのままディプロマ・ポリシーとするのではなく、各大学の独自
の教育方針に則って定める必要がある(図1)。すなわち、「A 薬剤師として求められる基本的な
資質・能力」の記載内容を参考に、大項目B~Gに記載されている学修目標から、各大学の独自性、
人的・物的資源、教育環境等を十分に勘案して、卒業時に評価が可能なディプロマ・ポリシーを
策定し、6年間にわたる効果的な授業計画(カリキュラム・ポリシー)、入学者の受入れ方針(アド
ミッション・ポリシー)を策定する。
したがって、大項目「B 社会と薬学」から「G 薬学研究」相互の関連は、各大学独自のカリキ
ュラムごとに異なることになるが、基本的な相互の関連は、図2のようにイメージされる。6年制
薬学教育を学ぶ学生は、これらの内容を6年間学修した成果とともに、卒業後の生涯にわたる研
鑽によって、「A 薬剤師として求められる基本的な資質・能力」の獲得に努めることになる。
本モデル・コア・カリキュラムは、その骨組みを大項目、中項目、小項目に分類して示したも
のであるが、教員の教科分担表ではない。各大学は小項目にある<学修目標>を学生が達成でき
るように、学生の視点に立って各項目のつながりを意識し、大項目B~Gの分類を参考にしつつ科
目構成を設定し、独自性のある効果的なカリキュラムを構築する必要がある。
今後は、卒前教育から卒後研修等へのシームレスな教育を一層進めることにより、「A 薬剤師
として求められる基本的な資質・能力」を生涯にわたる目標として研鑽を積む姿勢が培われるこ
とが期待される。

Ⅴ 今後の薬学教育モデル・コア・カリキュラムの運用について
各大学は、その理念やディプロマ・ポリシーに則り、薬学教育モデル・コア・カリキュラムに
基づいて大学独自のカリキュラムを構築し実施することが、教育の内部質保証を担保することに
つながることを強く意識することが重要である。
また、各大学は本モデル・コア・カリキュラムに準拠した教育を行うことはもとより、語学能
力や幅広い教養を身に付けた人材養成に努めることが重要である。
モデル・コア・カリキュラムは策定することが目的ではなく、実際に教育現場で実践されるこ
とで、より充実したものになる。この観点から、本モデル・コア・カリキュラムが実施された時
点から、各大学で検証を開始し、課題の収集と改善策の実施に絶えず努めることが重要である。

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