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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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奨する方針へと更新された 99。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、2020 年に新規・改良型の季節性インフルエンザワクチンに関
するシステマティックレビューを実施し、HD-IIV、RIV、aIIV のそれぞれについて、有効性・効果・安
全性に関する評価結果を公表した 100。
フランスにおいては、2020/21 シーズンより、HD-IIV および aIIV の有効性、安全性、費用対効果が
評価され、通常のワクチンと比較した優位性は限定的であるとされたことから、これらを他のワクチンと
同様に使用すべきとの推奨が決定された 101。
ドイツでは、2021/22 シーズンより、有効性、安全性、費用対効果についてシステマティックレビュー
に基づく評価が行われ、HD-IIV および aIIV の推奨が決定された。
EU/EEA(欧州連合/欧州経済領域)加盟 30 か国の状況としては、2021/22 シーズンにおいて、HD-IIV
が 7 か国、aIIV が 5 か国、ccIIV が 2 か国、RIV が 1 か国で、主に 65 歳以上の高齢者を対象に推奨され
ていた(同一国で複数のワクチンを推奨している場合を含む)102。2023/24 シーズンには、HD-IIV を推奨
する国は 9 か国、aIIV を推奨する国は 7 か国へと増加しており 103、これらの新規・改良型ワクチンの高
齢者への推奨が徐々に拡大している。
G7 においては、日本を除く全ての国で HD-IIV および aIIV が推奨されており、さらに米国、カナダ、
英国においては、これらに加えて RIV も推奨されている。周辺諸国では、オーストラリアと韓国におい
て HD-IIV および aIIV が推奨されており、ニュージーランドでは SD-IIV および aIIV、中国では 2022/23
シーズン時点の情報によると SD-IIV のみが推奨されている状況であった。
ほとんどの国で、高齢者を対象とした季節性インフルエンザワクチンは国の予防接種プログラム
(National Immunization Program: NIP)に導入されているが、公的機関が推奨するワクチンと、実際に NIP
として導入されているワクチンについては、国によって異なる場合がある点に留意する必要がある。
例えば、カナダでは HD-IIV、RIV、aIIV が推奨されているものの、一部の地域では公的接種プログラ
ムとして HD-IIV は使用されていない 104。オーストラリアでは HD-IIV および aIIV が推奨されている
が、NIP では aIIV のみが導入されている 105。また、ニュージーランドにおいても SD-IIV および aIIV が
推奨されているが、NIP では SD-IIV のみが導入されている 106。
いくつかの国では、推奨されるインフルエンザワクチンの入手や選択が困難な場合の代替ワクチンと
して、SD-IIV や ccIIV が挙げられている。
インフルエンザワクチンの組成に関して、WHO は 2020 年 3 月以降、自然界における B 型山形系統ウ
イルスの検出が確認されていなことから、2023/24 シーズンより、インフルエンザワクチンの組成から同
系統を除外すべきとの見解を示した 107。この方針は同シーズン以降も維持している 108,109。米国では
2024/25 シーズンにおいて、HD-IIV3 が使用された一方で 110、同シーズンに4価ワクチンを採用してい
る国も存在している 104,111。WHO の見解に基づき、2025/26 シーズンには3価ワクチンを採用する国が
増加すると考えられる。
65 歳未満の高齢者に対する推奨ワクチンの年齢設定には国ごとに差がみられ、60 歳以上を一括して同
一のワクチンで対応している国もある。また、65 歳未満では、ハイリスク群のみに接種を推奨する国も
存在する。例えば、ドイツでは 60 歳以上に対してリスク因子の有無にかかわらず同一の推奨を行ってい
る 112。米国においては、50 歳〜64 歳の年齢層のうち免疫不全者には SD-IIV および RIV が推奨され、臓
器移植者には HD-IIV および aIIV が推奨されている 91,110。英国では、HD-IIV は 60 歳以上、aIIV は 50
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