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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
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表4. 60 歳以上の成人において HD-IIV4 と SD-IIV4 で誘導される HI 抗体価の比較
HI 抗体 GMT 比
抗体陽転率の差
(HD-IIV4/SD-IIV4)
(HD–SD)
A(H1N1)
2.81 [95%CI: 2.46, 3.20]
29.7% [95%CI: 25.7, 33.5]
A(H3N2)
2.25 [95%CI: 2.03, 2.50]
28.1% [95%CI: 24.0, 32.0]
B 型ビクトリア系統
2.55 [95%CI: 2.31, 2.81]
31.4% [95%CI: 27.4, 35.2]
B 型山形系統
3.12 [95%CI: 2.85, 3.42]
35.4% [95%CI: 31.4, 39.3]
株
2)ハイリスク群における免疫原性
Loeb らは、フレイルが 3 価不活化ワクチン HD-IIV3 および SD-IIV3 により誘導される抗体応答に与
える影響を評価する目的で、2014/15 年から 2017/18 年の 4 シーズンにわたり 65 歳以上の 612 人を対
象に、SD-IIV3 および HD-IIV3 のランダム化二重盲検試験(NCT02297542)を実施した。A(H1N1)、
A(H3N2)、B 型ワクチン株に対する HI 抗体価を接種後 4 週、10 週、20 週の時点で測定したところ、3
つすべてのウイルス株において HD-IIV3 は SD-IIV3 よりもすべての時点で HI 抗体価(GMT)が有意に
高い結果となった(表5)。さらに、フレイルはインフルエンザワクチン接種後 4 週時点での HI 抗体価上
昇および免疫応答の増強と関連しており、特にこの傾向は A 型株において HD-IIV3 接種者に限定して観
察されたため、この効果はワクチンの投与量に部分的に依存している可能性が示唆された 46。
表5. 65 歳以上の成人において HD-IIV3 と SD-IIV3 で誘導される HI 抗体価の比較
GMT
株
A(H1N1)
A(H3N2)
B型
接種後(週)
HD-IIV3
SD-IIV3
p値
4
111
68
<0.001
10
81
55
<0.001
20
69
55
0.002
4
202
123
<0.001
10
145
95
<0.001
20
117
80
<0.001
4
92
67
<0.001
10
67
54
0.003
20
58
51
0.063
高齢者と同様に、中枢神経系腫瘍を有する患者において SD-IIV に対する免疫原性が低下していること
が報告されている。これを受けて、Strowd らは 2013 年から 2014 年にかけて中枢神経系腫瘍を有する患
者集団における HD-IIV の免疫原性の評価を行った。患者集団の診断は高悪性度神経膠腫(85%)、中枢神
経系リンパ腫(11%)、髄膜腫(4%)であり、登録時の治療内容は、ステロイド使用(30%)、放射線治療(7%)、
化学療法(33%)であった。治療後、リンパ球減少症(CD4 ≤ 200)は 15%の患者であった。A(H1N1)、
19
HI 抗体 GMT 比
抗体陽転率の差
(HD-IIV4/SD-IIV4)
(HD–SD)
A(H1N1)
2.81 [95%CI: 2.46, 3.20]
29.7% [95%CI: 25.7, 33.5]
A(H3N2)
2.25 [95%CI: 2.03, 2.50]
28.1% [95%CI: 24.0, 32.0]
B 型ビクトリア系統
2.55 [95%CI: 2.31, 2.81]
31.4% [95%CI: 27.4, 35.2]
B 型山形系統
3.12 [95%CI: 2.85, 3.42]
35.4% [95%CI: 31.4, 39.3]
株
2)ハイリスク群における免疫原性
Loeb らは、フレイルが 3 価不活化ワクチン HD-IIV3 および SD-IIV3 により誘導される抗体応答に与
える影響を評価する目的で、2014/15 年から 2017/18 年の 4 シーズンにわたり 65 歳以上の 612 人を対
象に、SD-IIV3 および HD-IIV3 のランダム化二重盲検試験(NCT02297542)を実施した。A(H1N1)、
A(H3N2)、B 型ワクチン株に対する HI 抗体価を接種後 4 週、10 週、20 週の時点で測定したところ、3
つすべてのウイルス株において HD-IIV3 は SD-IIV3 よりもすべての時点で HI 抗体価(GMT)が有意に
高い結果となった(表5)。さらに、フレイルはインフルエンザワクチン接種後 4 週時点での HI 抗体価上
昇および免疫応答の増強と関連しており、特にこの傾向は A 型株において HD-IIV3 接種者に限定して観
察されたため、この効果はワクチンの投与量に部分的に依存している可能性が示唆された 46。
表5. 65 歳以上の成人において HD-IIV3 と SD-IIV3 で誘導される HI 抗体価の比較
GMT
株
A(H1N1)
A(H3N2)
B型
接種後(週)
HD-IIV3
SD-IIV3
p値
4
111
68
<0.001
10
81
55
<0.001
20
69
55
0.002
4
202
123
<0.001
10
145
95
<0.001
20
117
80
<0.001
4
92
67
<0.001
10
67
54
0.003
20
58
51
0.063
高齢者と同様に、中枢神経系腫瘍を有する患者において SD-IIV に対する免疫原性が低下していること
が報告されている。これを受けて、Strowd らは 2013 年から 2014 年にかけて中枢神経系腫瘍を有する患
者集団における HD-IIV の免疫原性の評価を行った。患者集団の診断は高悪性度神経膠腫(85%)、中枢神
経系リンパ腫(11%)、髄膜腫(4%)であり、登録時の治療内容は、ステロイド使用(30%)、放射線治療(7%)、
化学療法(33%)であった。治療後、リンパ球減少症(CD4 ≤ 200)は 15%の患者であった。A(H1N1)、
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