た。
10 件中 7 件はワクチン製造業者による資金提供を受けていた。残りの 3 件は公的研究費によるもので
あったが、このうち 2 件では著者に利益相反（COI）が存在することが記載されていた。
分析結果として、
「ドミナント（費用削減かつ効果向上）」が 3 件、ドミナントではないが「費用対効果
良好（増分費用効果比が閾値以下）
」が 6 件、残りの１件では比較対照が SD-IIV4 の場合にはドミナン
ト、SD-IIV3 の場合には費用対効果良好であった。すなわち、今回レビューした全ての研究において、
HD-IIV は SD-IIV と比較して費用対効果が良好であることが示唆される結果であった。これは高齢者集
団では、感染予防による医療費削減および QALY の改善効果が大きいためであると考えられる。ただし、
企業資金による研究が大半である点には留意する必要がある。また、医療制度や価格体系の異なる国々
や、分析の立場や閾値設定が異なる研究結果を比較する際には、慎重な解釈が求められる。

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