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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (22 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
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表9. 65 歳以上の成人における HD-IIV の rVE
アウトカム
rVE (HD-IIV vs SD-IIV)
有意差
肺炎・インフルエンザによる入院
23.5% (95% CI: 12.3–33.2%) あり
全入院率
7.3% (95% CI: 4.5–10.0%)
あり
全死亡率
1.6% (95% CI: -2.0–5.0%)
なし
以上の様に、複数のシステマティックレビューの結果から、高齢者におけるインフルエンザ予防におい
て HD-IIV は SD-IIV よりも優れた選択肢であることが裏付けられており、特に重症化予防(入院、肺炎、
心肺疾患)においてその効果が顕著に認められた。
2) 過去 10 年以内に発表された特記すべきランダム化比較試験(RCT)と観察研究
過去 10 年以内に実施された 65 歳以上の高齢者を対象とした複数の RCT と観察研究において、HDIIV は SD-IIV よりも一貫して高いインフルエンザ予防効果を示している 52 53。また、肺炎 54 55 56、イン
フルエンザ関連入院 57 58 59、全入院 56、心肺疾患 56、死亡率 60 の低下において有意な差が報告されている
が、これらの論文の多くは先に述べたシステマティックレビューの解析に含まれている。以下に、特筆す
べき RCT と観察研究について紹介する。
Lu らは 2012 年から 2018 年までの 6 シーズンにわたり、アメリカにおいて 1,900 万人以上の 65 歳以
上のメディケア受給者を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、年齢が HD-IIV と SD-IIV のインフ
ルエンザ関連入院の予防効果に与える影響を評価した。Poisson 回帰モデルを用いた解析の結果、コホー
ト全体として、多くのシーズンで HD-IIV は SD-IIV よりもインフルエンザ関連の医療利用(入院および
救急外来受診)を予防する効果が高かった(表 10-1)。
表 10-1. 65 歳以上の成人における HD-IIV の rVE
シーズン
rVE (HD-IIV vs SD-IIV)
2012–2013
23.1% (95% CI: 17.6–28.3)
2013–2014
15.3% (95% CI: 7.8–22.2)
2014–2015
8.9% (95% CI: 5.6–12.1)
2015–2016
5.2% (95% CI: −4–13.6)
2016–2017
12.6% (95% CI: 6.3–18.4)
2017–2018
4.6% (95% CI: −1.7–10.6)
インフルエンザ関連の医療利用(入院および救急外来受診)の予防を指標に rVE を測定
また、すべてのシーズンにおいて年齢とともに rVE がわずかに上昇する傾向が示された(表 10-2)。
表 10-2. 65 歳以上の成人における HD-IIV の rVE の年齢別の比較
シーズン
65歳
75歳
85歳
2012–2013
16.9% (95% CI: 3.2–28.7)
20.7% (95% CI: 14.5–26.4)
25.9% (95% CI: 20.1–31.2)
2017–2018
-3.0% (95% CI: -19.6–11.3)
1.7% (95% CI: -5.6–8.4)
8.1% (95% CI: 1.2–14.5)
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アウトカム
rVE (HD-IIV vs SD-IIV)
有意差
肺炎・インフルエンザによる入院
23.5% (95% CI: 12.3–33.2%) あり
全入院率
7.3% (95% CI: 4.5–10.0%)
あり
全死亡率
1.6% (95% CI: -2.0–5.0%)
なし
以上の様に、複数のシステマティックレビューの結果から、高齢者におけるインフルエンザ予防におい
て HD-IIV は SD-IIV よりも優れた選択肢であることが裏付けられており、特に重症化予防(入院、肺炎、
心肺疾患)においてその効果が顕著に認められた。
2) 過去 10 年以内に発表された特記すべきランダム化比較試験(RCT)と観察研究
過去 10 年以内に実施された 65 歳以上の高齢者を対象とした複数の RCT と観察研究において、HDIIV は SD-IIV よりも一貫して高いインフルエンザ予防効果を示している 52 53。また、肺炎 54 55 56、イン
フルエンザ関連入院 57 58 59、全入院 56、心肺疾患 56、死亡率 60 の低下において有意な差が報告されている
が、これらの論文の多くは先に述べたシステマティックレビューの解析に含まれている。以下に、特筆す
べき RCT と観察研究について紹介する。
Lu らは 2012 年から 2018 年までの 6 シーズンにわたり、アメリカにおいて 1,900 万人以上の 65 歳以
上のメディケア受給者を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、年齢が HD-IIV と SD-IIV のインフ
ルエンザ関連入院の予防効果に与える影響を評価した。Poisson 回帰モデルを用いた解析の結果、コホー
ト全体として、多くのシーズンで HD-IIV は SD-IIV よりもインフルエンザ関連の医療利用(入院および
救急外来受診)を予防する効果が高かった(表 10-1)。
表 10-1. 65 歳以上の成人における HD-IIV の rVE
シーズン
rVE (HD-IIV vs SD-IIV)
2012–2013
23.1% (95% CI: 17.6–28.3)
2013–2014
15.3% (95% CI: 7.8–22.2)
2014–2015
8.9% (95% CI: 5.6–12.1)
2015–2016
5.2% (95% CI: −4–13.6)
2016–2017
12.6% (95% CI: 6.3–18.4)
2017–2018
4.6% (95% CI: −1.7–10.6)
インフルエンザ関連の医療利用(入院および救急外来受診)の予防を指標に rVE を測定
また、すべてのシーズンにおいて年齢とともに rVE がわずかに上昇する傾向が示された(表 10-2)。
表 10-2. 65 歳以上の成人における HD-IIV の rVE の年齢別の比較
シーズン
65歳
75歳
85歳
2012–2013
16.9% (95% CI: 3.2–28.7)
20.7% (95% CI: 14.5–26.4)
25.9% (95% CI: 20.1–31.2)
2017–2018
-3.0% (95% CI: -19.6–11.3)
1.7% (95% CI: -5.6–8.4)
8.1% (95% CI: 1.2–14.5)
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