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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
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2023 年には上記の研究のアップデートとして、2023 年 4 月までに発表された RCT および観察研究を
対象に、65 歳以上の高齢者における HD-IIV と SD-IIV の効果を比較したシステマティックレビューお
よびメタ解析を実施した。解析には 1,881 件の研究をスクリーニングして絞り込んだ、12 シーズン
(2009/10 シーズン〜2019/20 シーズン、
2021/22 シーズン)にわたって実施された 21 件の研究が含まれ、
対象者は 65 歳以上の 4,500 万人以上であった。その結果、HD-IIV は SD-IIV と比較して、インフルエ
ンザ様疾患(ILI)やインフルエンザ関連入院、肺炎、肺炎/インフルエンザの合併入院、呼吸器疾患、心血
管疾患、心肺疾患、全原因による入院に対して有意に高い予防効果を示した(表8)。サブグループ解析で
は、HD-IIV は 65 歳以上、75 歳以上、85 歳以上の各年齢層において、流行しているインフルエンザ株の
種類やワクチン抗原との一致・不一致にかかわらず、常に SD-IIV よりも高い予防効果を示した 49。
表8. 65 歳以上の成人における HD-IIV3 の rVE(表 7 に示した結果のアップデート)
アウトカム
rVE (HD-IIV vs SD-IIV)
インフルエンザ様疾患(ILI)
14.3% (95% CI: 4.2–23.3%)
インフルエンザ関連入院
11.2% (95% CI: 7.4–14.8%)
肺炎による入院
27.8% (95% CI: 12.5–40.5%)
肺炎/インフルエンザの合併入院
14.4% (95% CI: 6.8–20.6%)
呼吸器疾患による入院
14.7% (95% CI: 8.5–20.4%)
心血管疾患による入院
12.8% (95% CI: 10.2–15.3%)
心肺疾患による入院
16.7% (95% CI: 13.8–19.5%)
全原因による入院
8.2% (95% CI: 5.5–10.8%)
Ferdinands らは、65 歳以上の成人における HD-IIV、SD-IIV、アジュバント添加不活化インフルエ
ンザワクチン(adjuvanted inactivated influenza vaccine: aIIV)、組換えタンパクインフルエンザワクチン
(recombinant influenza vaccine: RIV)の rVE を評価した5件の RCT および 27 件の観察研究(71,459,918
人のワクチン接種者を含む)を対象に、ランダム効果 NMA およびメタ解析を実施した。その結果、
RCT における統合された rVE(HD-IIV vs SD-IIV)は、25%(95%CI:-19〜53)と推定されたが、これは
統計的に有意ではなかった。また、観察研究における統合された rVE(HD-IIV vs SD-IIV)は、
10.2%(95%CI:7.8〜12.6)と推定された 50。
Skaarup らは、65 歳以上の成人 105,685 人を対象とした 5 つの RCT を対象に、肺炎およびインフルエ
ンザ(Pneumonia and Influenza: P&I)による入院、全入院数、全死亡率における rVE を評価するメタ解析
を実施した。その結果、HD-IIV は、SD-IIV と比較して肺炎・インフルエンザおよび全入院率を有意に
減少させた。一方、全死亡率においては有意な差は認められなかった(表9)51。
21
対象に、65 歳以上の高齢者における HD-IIV と SD-IIV の効果を比較したシステマティックレビューお
よびメタ解析を実施した。解析には 1,881 件の研究をスクリーニングして絞り込んだ、12 シーズン
(2009/10 シーズン〜2019/20 シーズン、
2021/22 シーズン)にわたって実施された 21 件の研究が含まれ、
対象者は 65 歳以上の 4,500 万人以上であった。その結果、HD-IIV は SD-IIV と比較して、インフルエ
ンザ様疾患(ILI)やインフルエンザ関連入院、肺炎、肺炎/インフルエンザの合併入院、呼吸器疾患、心血
管疾患、心肺疾患、全原因による入院に対して有意に高い予防効果を示した(表8)。サブグループ解析で
は、HD-IIV は 65 歳以上、75 歳以上、85 歳以上の各年齢層において、流行しているインフルエンザ株の
種類やワクチン抗原との一致・不一致にかかわらず、常に SD-IIV よりも高い予防効果を示した 49。
表8. 65 歳以上の成人における HD-IIV3 の rVE(表 7 に示した結果のアップデート)
アウトカム
rVE (HD-IIV vs SD-IIV)
インフルエンザ様疾患(ILI)
14.3% (95% CI: 4.2–23.3%)
インフルエンザ関連入院
11.2% (95% CI: 7.4–14.8%)
肺炎による入院
27.8% (95% CI: 12.5–40.5%)
肺炎/インフルエンザの合併入院
14.4% (95% CI: 6.8–20.6%)
呼吸器疾患による入院
14.7% (95% CI: 8.5–20.4%)
心血管疾患による入院
12.8% (95% CI: 10.2–15.3%)
心肺疾患による入院
16.7% (95% CI: 13.8–19.5%)
全原因による入院
8.2% (95% CI: 5.5–10.8%)
Ferdinands らは、65 歳以上の成人における HD-IIV、SD-IIV、アジュバント添加不活化インフルエ
ンザワクチン(adjuvanted inactivated influenza vaccine: aIIV)、組換えタンパクインフルエンザワクチン
(recombinant influenza vaccine: RIV)の rVE を評価した5件の RCT および 27 件の観察研究(71,459,918
人のワクチン接種者を含む)を対象に、ランダム効果 NMA およびメタ解析を実施した。その結果、
RCT における統合された rVE(HD-IIV vs SD-IIV)は、25%(95%CI:-19〜53)と推定されたが、これは
統計的に有意ではなかった。また、観察研究における統合された rVE(HD-IIV vs SD-IIV)は、
10.2%(95%CI:7.8〜12.6)と推定された 50。
Skaarup らは、65 歳以上の成人 105,685 人を対象とした 5 つの RCT を対象に、肺炎およびインフルエ
ンザ(Pneumonia and Influenza: P&I)による入院、全入院数、全死亡率における rVE を評価するメタ解析
を実施した。その結果、HD-IIV は、SD-IIV と比較して肺炎・インフルエンザおよび全入院率を有意に
減少させた。一方、全死亡率においては有意な差は認められなかった(表9)51。
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