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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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人で、2023/24 シーズン(77.5 人)、2022/23 シーズン(94.2 人)よりも高い値となった。2024/25 シーズン
のインフルエンザ関連死亡推定数は約 7,800 人で、2023/24 シーズン約 3,600 人より大幅に増加したも
のの、COVID-19 パンデミック前と比較すると低い水準であった。これらの入院や死亡の中心は 65 歳以
上の高齢者であった。
3)欧州 25
欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control)の報告によると、
2023/24 シーズンは、過去のシーズンと比べて短かった。COVID-19 パンデミック以前に見られたパタ
ーンに戻ったとみられるが、国によって流行のタイミングやレベルには差があった。入院症例を報告して
いる 7 か国のデータでは、ICU および非 ICU 入院症例の 4 割以上、死亡例の 7 割以上を 65 歳以上の高
齢者が占めていた。
4)カナダ 26
カナダ公衆衛生庁(Public Health Agency of Canada)の報告によると、2023/24 シーズンには COVID19 パンデミック発生以降初めて、シーズン前半の A 型の流行とシーズン後半の B 型の流行という典型的
なパターンが見られた。インフルエンザ A 型の累計入院率が最も高かったのは 65 歳以上の高齢者(人口
10 万人あたり 192)であったのに対し、B 型では 5 歳未満の小児(人口 10 万人あたり 37)であった。イン
フルエンザ A 型の入院の 50%は 65 歳以上の高齢者が占めたのに対し、B 型の入院のうち、46.4%は 0 歳
〜19 歳の小児で発生し、65 歳以上はわずか 12.2%であった。
5)オーストラリア 27
オーストラリア疾病管理センター(Australian Centre for Disease Control)の報告によると、2024 年の
インフルエンザ症例数は、2023 年より 26.4%増加、2022 年よりも 56.6%増加しており、1 月から 9 月上
旬にかけて概ね過去 5 年間の平均値を超えていた。週当たりの症例数は過去数年に比べ、長期間にわた
り高止まりがみられた。
インフルエンザで入院した成人症例のほとんどは 65 歳以上であったが、COVID19 または RS ウイルス感染症で入院した成人よりも若い傾向があった。2024 年のインフルエンザ関連死
亡者数は 1,006 人で、前年の 607 人から 65.7%増加し、特に 70 歳以上の高齢者で死亡率が高かった。
2025 年 1 月と 2 月のインフルエンザによる死亡者数は、過去の同時期と比較して高い水準にあった。
2.予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性
(1) 予防接種の目的と導入の経緯
WHO は、2021 年 10 月の予防接種に関する戦略的アドバイザリーグループ(SAGE)の定例会議におい
て、インフルエンザに対するインフルエンザワクチンの使用に関して討議し、2012 年に提示されていた
版を更新する形で、2022 年 5 月にポジションペーパーを発表した 28。インフルエンザパンデミック対策
としても、季節性インフルエンザワクチンを用いた強固な予防接種プログラムが確立していることは有
益であり、全ての国に対して、季節性インフルエンザワクチン導入の検討を推奨した。対象となるグルー
プとして、医療従事者、基礎疾患のある者、高齢者、妊婦(優先順位順ではない)を挙げ、各国における医
療提供体制、疾患対策の優先度、インフルエンザの疾病負荷によって、小児など、上記以外の対象者も考
慮可能とした。
日本においては、2001 年、高齢者等に接種した場合の発症防止・重症化防止効果が確認されたことか
ら、予防接種法改正により、インフルエンザが二類疾病(現在の B 類疾病)に位置付けられ、高齢者に対
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