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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (27 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
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った。ワクチン接種後 7 日間に報告された特定反応のうち、注射部位反応の全体的な発現割合は、HDIIV4 IM 群(41.7%)、HD-IIV4 SC 群(66.7%)、SD-IIV4 SC 群(41.8%)であった。最も多い注射部位反応
は疼痛で、HD-IIV4 IM 群で 30.0%、HD-IIV4 SC 群で 45.0%、SD-IIV4 SC 群で 27.3%に認められた。
紅斑や腫脹も、HD-IIV4 SC 群で他の群より高い頻度で報告された。Grade 3 の注射部位反応は、HDIIV4 SC 群で 10.0%、HD-IIV4 IM 群で 5.0%に認められたが、SD-IIV4 SC 群では認められなかった 66。
全身性の特定反応の全体的な発現割合は、HD-IIV4 SC 群(33.3%)が HD-IIV4 IM 群(18.3%)および SDIIV4 SC 群(16.4%)より高い傾向にあった。主な全身反応は筋肉痛と頭痛であり、Grade 3 の全身反応は
いずれの群でも認められなかった。発熱は、HD-IIV4 IM 群で 0 例、HD-IIV4 SC 群で 1 例(1.7%)、HDIIV4 SC 群で 0 例であった。これらの特定反応の多くは一過性で、接種後 3 日間で発症し、7 日内に消失
した。
接種後 28 日間の非特定有害事象は、HD-IIV4 IM 群で 4 例(6.7%)、SD-IIV4 SC 群 4 例(6.7%)、HDIIV4 SC 群 8 例(14.5%)であり、いずれの群でも Grade3 は認められなかった。SAE は HD-IIV4 SC 群で
1 例(突発性難聴)報告されたが、ワクチンとの因果関係は否定された。約 1 か月の追跡期間において、死
亡例の報告はなかった。本研究では、HD-IIV4 の筋肉内接種は皮下接種接種よりも反応原性が低く、SDIIV4 の皮下接種と比較しても反応原性が同等であると考察されている 69。
Sanchez et al. (2023):国内第3相試験(QHD10)
本研究では、国内被験者において HD-IIV4 の筋肉内接種と SD-IIV4 皮下接種の安全性を比較した。接
種後 30 分以内に報告された非特定有害事象は、SD-IIV4 SC 群で 1 例(感覚鈍麻)あり、ワクチンとの因
果関係は否定されなかったが、発症 2.5 か月後に消失した。ワクチン接種後 7 日間に報告された特定反応
のうち、注射部位反応の発現割合は、HD-IIV4 IM 群(52.0%)が、SD-IIV4 SC 群(49.0%)よりわずかに高
かったが、両群の Grade3 の報告(0.9% vs 1.3%)は同等であった。疼痛は HD-IIV4 IM 群、紅斑や腫脹は
SD-IIV4 SC 群において、より多く報告された。全身性の特定反応の発現割合は、HD-IIV4 IM 群(28.5%)
が SD-IIV4 SC 群(19.4%)より高い傾向にあったが、Grade3 の報告(0.5% vs 0.2%)は同等であった。発熱
は、高用量 4 価 IM 群で 8 例(0.8%)、SD-IIV4 SC 群で 1 例(<0.1%)あり、39 度以上は HD-IIV4 IM 群で
3 例認めた 66。
接種後 28 日間の非特定有害事象は、HD-IIV4 IM 群で 71 例(6.8%)、SD-IIV4 SC 群 85 例(8.1%)であ
った。最も多かったのは上咽頭炎(HD-IIV4 IM 群 1.2% vs 標準用量 SC4 価群 1.0%)であり、次に注射部
位そう痒感(0.6% vs 1.6%)であった。治験中止に至った AE は、HD-IIV4 IM 群で 1 例、SD-IIV4 SC 群
で 3 例とあったが、骨折および COVID-19 感染で、ワクチンとの因果関係は否定された。SAE は HDIIV4 IM 群で 2 例(肝がん、背部痛)、SD-IIV4 SC 群で 5 例(骨折 3 例、スチル病、尿路感染)と報告され
た。このうち SD-IIV4 SC 群のスチル病を除き、ワクチンとの因果関係は否定された。AESI および死亡
例の報告はなかった。本研究では、筋肉内投与された HD-IIV4 は、皮下投与された SD-IIV4 と比較し
て、特定反応が多く報告されたものの、安全性上の懸念はなく、十分な忍容性が示されたと考察されてい
る。
②
注目すべき有害事象
前述の臨床試験に他の研究・レビューを加えて、高用量インフルエンザワクチンの注目すべき有害事象
27
は疼痛で、HD-IIV4 IM 群で 30.0%、HD-IIV4 SC 群で 45.0%、SD-IIV4 SC 群で 27.3%に認められた。
紅斑や腫脹も、HD-IIV4 SC 群で他の群より高い頻度で報告された。Grade 3 の注射部位反応は、HDIIV4 SC 群で 10.0%、HD-IIV4 IM 群で 5.0%に認められたが、SD-IIV4 SC 群では認められなかった 66。
全身性の特定反応の全体的な発現割合は、HD-IIV4 SC 群(33.3%)が HD-IIV4 IM 群(18.3%)および SDIIV4 SC 群(16.4%)より高い傾向にあった。主な全身反応は筋肉痛と頭痛であり、Grade 3 の全身反応は
いずれの群でも認められなかった。発熱は、HD-IIV4 IM 群で 0 例、HD-IIV4 SC 群で 1 例(1.7%)、HDIIV4 SC 群で 0 例であった。これらの特定反応の多くは一過性で、接種後 3 日間で発症し、7 日内に消失
した。
接種後 28 日間の非特定有害事象は、HD-IIV4 IM 群で 4 例(6.7%)、SD-IIV4 SC 群 4 例(6.7%)、HDIIV4 SC 群 8 例(14.5%)であり、いずれの群でも Grade3 は認められなかった。SAE は HD-IIV4 SC 群で
1 例(突発性難聴)報告されたが、ワクチンとの因果関係は否定された。約 1 か月の追跡期間において、死
亡例の報告はなかった。本研究では、HD-IIV4 の筋肉内接種は皮下接種接種よりも反応原性が低く、SDIIV4 の皮下接種と比較しても反応原性が同等であると考察されている 69。
Sanchez et al. (2023):国内第3相試験(QHD10)
本研究では、国内被験者において HD-IIV4 の筋肉内接種と SD-IIV4 皮下接種の安全性を比較した。接
種後 30 分以内に報告された非特定有害事象は、SD-IIV4 SC 群で 1 例(感覚鈍麻)あり、ワクチンとの因
果関係は否定されなかったが、発症 2.5 か月後に消失した。ワクチン接種後 7 日間に報告された特定反応
のうち、注射部位反応の発現割合は、HD-IIV4 IM 群(52.0%)が、SD-IIV4 SC 群(49.0%)よりわずかに高
かったが、両群の Grade3 の報告(0.9% vs 1.3%)は同等であった。疼痛は HD-IIV4 IM 群、紅斑や腫脹は
SD-IIV4 SC 群において、より多く報告された。全身性の特定反応の発現割合は、HD-IIV4 IM 群(28.5%)
が SD-IIV4 SC 群(19.4%)より高い傾向にあったが、Grade3 の報告(0.5% vs 0.2%)は同等であった。発熱
は、高用量 4 価 IM 群で 8 例(0.8%)、SD-IIV4 SC 群で 1 例(<0.1%)あり、39 度以上は HD-IIV4 IM 群で
3 例認めた 66。
接種後 28 日間の非特定有害事象は、HD-IIV4 IM 群で 71 例(6.8%)、SD-IIV4 SC 群 85 例(8.1%)であ
った。最も多かったのは上咽頭炎(HD-IIV4 IM 群 1.2% vs 標準用量 SC4 価群 1.0%)であり、次に注射部
位そう痒感(0.6% vs 1.6%)であった。治験中止に至った AE は、HD-IIV4 IM 群で 1 例、SD-IIV4 SC 群
で 3 例とあったが、骨折および COVID-19 感染で、ワクチンとの因果関係は否定された。SAE は HDIIV4 IM 群で 2 例(肝がん、背部痛)、SD-IIV4 SC 群で 5 例(骨折 3 例、スチル病、尿路感染)と報告され
た。このうち SD-IIV4 SC 群のスチル病を除き、ワクチンとの因果関係は否定された。AESI および死亡
例の報告はなかった。本研究では、筋肉内投与された HD-IIV4 は、皮下投与された SD-IIV4 と比較し
て、特定反応が多く報告されたものの、安全性上の懸念はなく、十分な忍容性が示されたと考察されてい
る。
②
注目すべき有害事象
前述の臨床試験に他の研究・レビューを加えて、高用量インフルエンザワクチンの注目すべき有害事象
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