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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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そう痒感2例、悪心、疲労、めまい、関節痛、情動生涯)、HD-IIV32 群で1例(頭痛)あったが、重度(Grade3)
の有害事象はなかった。HD-IIV4 群で報告された、注射部位そう痒感、疲労、めまい、関節痛はワクチ
ンとの因果関係があると判断された。接種後 7 日間の注射部位の特定反応は、HD-IIV4 群(44.1%)が HDIIV3 の両群(HD-IIV3-1: 43.0%, HD-IIV3-2: 36.7%)より高い傾向が見られた。全身性の特定反応も、HDIIV4 群がわずかに高い報告(HD-IIV4 31.0%, HD-IIV31 30.0%, HD-IIV32 29.4%)であった。これは抗原
量の増加に伴う想定内の結果と考えられ、
いずれの特定反応においても Grade3 の報告は 2%未満と低く、
群間で大きな差はないと研究では述べられている。
接種後 28 日間の非特定有害事象は HD-IIV4 群(16.4%)と統合 HD-IIV3 群(16.5%)で差はなく、6か
月の追跡期間における SAE は両群で同等(HD-IIV4 群 4.5% vs 統合 HD-IIV3 群 5.4%)であった。死亡例
は、HD-IIV4 群3例(突然死、気道感染、前立腺癌)、と統合 HD-IIV3 群 2 例と認められたが、全てワク
チンとの因果関係は否定された。アナフィラキシー関連事象は 1 例(注射部位そう痒感)が報告され、非重
篤であった 67。HD-IIV4 群で、小径線維ニューロパチーが AESI として報告されましたが、ワクチンとの
関連は否定され、発症部位も顔面神経ではなかった。
Pepin et al. (2025) :海外第3相試験(QHD11)
本研究においては、60 歳~64 歳および 65 歳以上の年齢階層別で安全性解析が行われた。接種後 30 分
以内に報告された非特定有害事象は、HD-IIV4 群で 2 例(錯感覚、めまい)、SD-IIV4 群で 1 例(血管穿刺
部位血腫)あり、ワクチンとの因果関係は否定されなかった 68。接種後 7 日間の特定反応の報告は、いず
れの年齢層においても、HD-IIV4 群が SD-IIV4 群よりも高い傾向にあった。最も報告が多かった注射部
位疼痛は、60 歳〜64 歳で HD-IIV4 群 51.7%に対し SD-IIV4 群 23.6%、65 歳以上では 39.4%に対し
18.3%であった。全身性の特定反応も、HD-IIV4 群が SD-IIV4 群より高かった(60 歳〜64 歳:48.8% vs
31.0%、65 歳以上:34.6% vs 26.2%)。中でも筋肉痛(60 歳〜64 歳:HD-IIV4 群 31.0% vs SD-IIV4 群
14.3%、65 歳以上:21.6% vs 10.2%)と頭痛(60 歳〜64 歳:30.2% vs 19.9%、65 歳以上:17.8% vs 17.3%)
の報告が多かった。発熱は、60 歳〜64 歳で HD-IIV4 群 8 例(2.1%)に対し SD-IIV4 群 0 例、65 歳以上
では 10 例(2.5%)に対し 3 例(0.8%)であり、いずれの群も Grade 3(39 度以上)の報告はなかった。
接種後 28 日間の非特定有害事象は 60 歳~64 歳では同程度であったが(HD-IIV4 群 25.4% vs SD-IIV4
群 26.9%)が、65 歳以上では HD-IIV4 群が高い傾向にあった(23.9% vs 18.3%)。いずれの年齢層・群に
おいて Grade3 は 2%未満であり、HD-IIV4 群にてワクチンとの因果関係が否定されなかった AE は 3 例
(動悸・無力症・疲労)であった 66。6か月の治験期間における SAE も、いずれの年齢層・群で同等であ
り(60 歳〜64 歳:HD-IIV4 群 0.3% vs SD-IIV4 群 0.5%、65 歳以上:1.0% vs 1.3%)、AESI は報告され
なかった。ワクチンとの関連が否定されなかった SAE は、SD-IIV4 群で 2 例(関節リウマチ、甲状腺新生
物)認められたが、HD-IIV4 群では見られなかった。HD-IIV4 群で 2 例の死亡(交通事故・肺炎球菌性敗
血症)が報告されたが、ワクチンとの因果関係は否定された。本研究では、HD-IIV4 による特定反応が多
いことは想定内であり、SD-IIV3 と比較しても安全性における重大な懸念はなかったと考察されている。
Sanchez et al. (2020):国内第 1/2 相試験(QHD08)
本研究では、投与経路も加味した安全性の比較を、HD-IIV4 筋肉内(IM)、HD-IIV4 皮下(SC)、SDIIV4SC を用いて実施した。接種後 30 分以内の非特定全身性有害事象は、いずれの群でも報告されなか
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