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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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(AESI)について述べる。
1)アナフィラキシー
7 つの臨床試験を統合したシステマティックレビューでは、高用量群と標準用量群のいずれにおいて
も 、 ア ナ フ ィ ラ キ シ ー の 報 告 は 見 ら れ な か っ た 70 。 米 国 の Vaccine Adverse Event Reporting
System(VAERS)に、2011 年から 2019 年の間に報告された HD-IIV3 接種後のデータでは、39 例(0.32%;
39/12,320)の疑い症例があり、13 例がアナフィラキシーとして確認された 71。VAERS のデータ解析を踏
まえて、高用量インフルエンザワクチンでのアナフィラキシー発現割合は、他のインフルエンザワクチン
とも、同等にまれであると考察されている 71。
2)ギラン・バレ症候群
フィンランドの 65 歳成人を対象にした第 3b/4 相の試験(COVID-19 によって中止)において、GBS は
HD-IIV4 群(16,549 例)にて 1 例(ワクチンとの因果関係は否定)、SD-IIV4 群(16,544 例)にて 0 例の報告
であった 72。前述の米国 VAERS のデータでは、HD-IIV3 接種後に 69 例(0.6%; 69/12,320)の疑い症例が
報告され、ブライトン分類または臨床医の判断で 61 例が GBS と確認された 71。その多く(52/61 例)は接
種後 42 日以内に発症していた。2015 年から 2017 年の 2 シーズンにおける、米国メディケアを通したイ
ンフルエンザワクチン接種者(毎年約 1,300 万人)の安全性能動的監視研究では、高用量ワクチン含む全て
のインフルエンザワクチン接種後1日〜42 日間の GBS 発症リスクは、接種後 43 日〜84 日間に比べて上
昇しなかった 73。2015/16 シーズンの接種後 8 日〜21 日間において 100 万回接種あたり、全てのインフ
ルエンザワクチン接種後に 0.87 例(95%CI: 0.16, 1.49)、高用量ワクチンでは 1.68 例[95%CI: 0.69, 2.41]
の寄与リスクが報告された。2016/17 シーズンにおいて、全てのワクチンは 0.87 例[95%CI 0.03, 1.61]、
高用量ワクチンは 1.11 例[95%CI: 0.00, 2.01]の寄与リスクが認められた。接種後 8 日~21 日間において
は、GBS の発現割合は 100 万回のインフルエンザワクチン接種によって約 1 例、高用量であると約 2 例
が増加すると考察された。
3)ベル麻痺(顔面神経麻痺)
前述のフィンランドでの第 3b/4 相試験において、HD-IIV4 群 3 例(0.02%)と SD-IIV4 群 6 例(0.04%)
のベル麻痺が AESI として報告されたが、ワクチンとの因果関係は否定された 72。2009 年から 2010 年に
実施された、米国の 65 歳以上の成人を対象とした、第 3b 相の FIM07 試験においては、ベル麻痺は HDIIV3 群(6,107 例)にて 3 例、SD-IIV3 群(3,055 例)にて 2 例の報告があった 74。接種後 34 日後に発症し
た SD-IIV3 群の1例のみ、ワクチンとの因果関係があると判断された。
4)脳炎・脊髄炎
24 の研究の安全性データを統合したシステマティックレビューでは、SAE として重症筋無力症の報告
もあるが、標準用量ワクチン接種後に発症した事象であった 75,76。
5)皮膚粘膜眼症候群(スティーヴンス・ジョンソン症候群)
海外第 3b/4 相試験(FIM12)における研究では、1 例の SJS が報告されており、重篤症例であったが、
ワクチンの関連性は否定された。


特定の集団における安全性

1)慢性疾患・合併症を有する集団
国内第3相試験(QHD10)では、安定状態にある合併症(呼吸器疾患、心疾患、糖尿病など)を有する被
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