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03資料1-1森野委員提出資料(高齢者に対するインフルエンザワクチンファクトシート) (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
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体保有状況の調査、ワクチンの免疫原性の評価など、疫学的、免疫学的研究においても重要な情報を提供
する。
(2)国内の疫学情報と疾病負荷(他国との比較)
①
日本国内のサーベイランス体制
日本では、インフルエンザ様疾患を対象とした定点サーベイランスは 1987 年に、感染症法に基づくイ
ンフルエンザ定点サーベイランスは 1999 年第 14 週に開始された。全国約 5,000 か所のインフルエンザ
定点医療機関がインフルエンザと診断した症例の年齢群及び性別の集計値を週ごとに地方自治体に報告
し、その後国に報告されている。2023 年第 19 週からは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)定点報告
が開始され、インフルエンザ定点はインフルエンザ/COVID-19 定点となった。2025 年第 15 週には急性
呼吸器感染症(ARI)サーベイランス 20 が開始されると共に、感染症発生動向調査事業実施要綱上の定点の
選定基準が変更され、インフルエンザ/COVID-19 定点は約 3,000 医療機関からなる急性呼吸器感染症定
点(医療機関)となり、小児科定点は約 3,000 から約 2,000 医療機関に変更された。
全国の受診者数は、定点医療機関を受診し診断された報告に基づいて推定されているが、2018 年 9 月
から推計方法が変更された。また、ARI サーベイランス運用開始に伴う定点数変更により、現在は停止さ
れている。新型インフルエンザ対策として全医療機関を対象に実施されてきたインフルエンザ重症サー
ベイランスは、2011 年 9 月よりインフルエンザ入院サーベイランスとなり、約 500 か所の基幹定点医療
機関で実施されている。入院患者の性および年齢と、ICU 入室、人工呼吸器の利用等を含む情報が週ご
とに地方自治体に報告されている。インフルエンザ関連死亡数に関しては、これまで超過および過小死亡
数の推定が参考にされてきたが、COVID-19 の流行以降、それらに影響を与える因子が変化したことに
より、従前までの分析方法による迅速把握は困難になっている。
インフルエンザ病原体サーベイランスは、患者定点の約 10%にあたる約 500 医療機関がインフルエン
ザ病原体定点として指定されていたが、
ARI サーベイランスの運用開始後は ARI 病原体定点へ移行され、
約 300 医療機関から提出されている。患者から採取された検体は、保健所や都道府県等の地方衛生研究
所で検査が行われ、検出された病原体が国に報告されている。
本項で本文中に示す各シーズンの期間は第 36 週〜翌年第 35 週とし、2024/25 シーズンは 2024 年第
36 週〜2025 年第 14 週までを含める。2024 年第 52 週までのデータは確定数、2025 年第 1 週以降のデー
タは感染症発生動向調査週報(IDWR)の速報値 21(2025 年 5 月時点)を用いた。
②日本国内の疫学情報
1)インフルエンザ症例
日本におけるインフルエンザの流行には季節性があり、例年、症例報告数は 1 月あたりがピークとな
る。COVID-19 の流行があった 2020 年以降は症例数が激減し、2020/21、2021/22 シーズンは、全国的
な流行開始の指標である定点当たり報告数 1.00 を上回らなかった。2022/23、2023/24 シーズンには再
び流行が見られたものの季節性が崩れていたが、2024/25 シーズンには COVID-19 以前のレベルに戻っ
ている。2024 年第 52 週には定点当たり 60 を上回り、過去 10 シーズンで最も高いピークが観察された。
推計受診者数を年齢群別にみると、0 歳〜14 歳の小児と 15 歳〜59 歳の成人の症例が約 8 割〜9 割を
占め、60 歳以上の高齢者の割合は低い。2022/23、2023/24 シーズンは小児の症例が最も高い割合となっ
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(2)国内の疫学情報と疾病負荷(他国との比較)
①
日本国内のサーベイランス体制
日本では、インフルエンザ様疾患を対象とした定点サーベイランスは 1987 年に、感染症法に基づくイ
ンフルエンザ定点サーベイランスは 1999 年第 14 週に開始された。全国約 5,000 か所のインフルエンザ
定点医療機関がインフルエンザと診断した症例の年齢群及び性別の集計値を週ごとに地方自治体に報告
し、その後国に報告されている。2023 年第 19 週からは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)定点報告
が開始され、インフルエンザ定点はインフルエンザ/COVID-19 定点となった。2025 年第 15 週には急性
呼吸器感染症(ARI)サーベイランス 20 が開始されると共に、感染症発生動向調査事業実施要綱上の定点の
選定基準が変更され、インフルエンザ/COVID-19 定点は約 3,000 医療機関からなる急性呼吸器感染症定
点(医療機関)となり、小児科定点は約 3,000 から約 2,000 医療機関に変更された。
全国の受診者数は、定点医療機関を受診し診断された報告に基づいて推定されているが、2018 年 9 月
から推計方法が変更された。また、ARI サーベイランス運用開始に伴う定点数変更により、現在は停止さ
れている。新型インフルエンザ対策として全医療機関を対象に実施されてきたインフルエンザ重症サー
ベイランスは、2011 年 9 月よりインフルエンザ入院サーベイランスとなり、約 500 か所の基幹定点医療
機関で実施されている。入院患者の性および年齢と、ICU 入室、人工呼吸器の利用等を含む情報が週ご
とに地方自治体に報告されている。インフルエンザ関連死亡数に関しては、これまで超過および過小死亡
数の推定が参考にされてきたが、COVID-19 の流行以降、それらに影響を与える因子が変化したことに
より、従前までの分析方法による迅速把握は困難になっている。
インフルエンザ病原体サーベイランスは、患者定点の約 10%にあたる約 500 医療機関がインフルエン
ザ病原体定点として指定されていたが、
ARI サーベイランスの運用開始後は ARI 病原体定点へ移行され、
約 300 医療機関から提出されている。患者から採取された検体は、保健所や都道府県等の地方衛生研究
所で検査が行われ、検出された病原体が国に報告されている。
本項で本文中に示す各シーズンの期間は第 36 週〜翌年第 35 週とし、2024/25 シーズンは 2024 年第
36 週〜2025 年第 14 週までを含める。2024 年第 52 週までのデータは確定数、2025 年第 1 週以降のデー
タは感染症発生動向調査週報(IDWR)の速報値 21(2025 年 5 月時点)を用いた。
②日本国内の疫学情報
1)インフルエンザ症例
日本におけるインフルエンザの流行には季節性があり、例年、症例報告数は 1 月あたりがピークとな
る。COVID-19 の流行があった 2020 年以降は症例数が激減し、2020/21、2021/22 シーズンは、全国的
な流行開始の指標である定点当たり報告数 1.00 を上回らなかった。2022/23、2023/24 シーズンには再
び流行が見られたものの季節性が崩れていたが、2024/25 シーズンには COVID-19 以前のレベルに戻っ
ている。2024 年第 52 週には定点当たり 60 を上回り、過去 10 シーズンで最も高いピークが観察された。
推計受診者数を年齢群別にみると、0 歳〜14 歳の小児と 15 歳〜59 歳の成人の症例が約 8 割〜9 割を
占め、60 歳以上の高齢者の割合は低い。2022/23、2023/24 シーズンは小児の症例が最も高い割合となっ
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