特別養護老人ホームにおけるサービス 提供のあり方に関する調査研究事業 報告書 (106 ページ)
出典
公開元URL | https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2025/04/koukai_250425_08.pdf |
出典情報 | 「特別養護老人ホームにおけるサービス提供のあり方に関する調査研究事業 (令和6年度老人保健健康増進等事業)」の報告書及び手引きについて (6/13)《厚生労働省》 |
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各医療処置の受け入れ方針について、
「レスピレータの管理」や「中心静脈カテーテ
ルの管理」、
「モニター測定」など、常時医師や看護師による管理が必要な医療処置につ
いては、
「新規の入所は断り、入所中の者に必要となった際は退所となる」としている
施設が多かった。また、医療ニーズがある方の受け入れのための課題について、
「夜間
に対応可能な体制が構築できない」が 72.5%と最も多く、必要な取組として「人員配置
の充実(看護職員)」が 70.5%と最も多いことを踏まえると、介護老人福祉施設で医療
ニーズがある方を受け入れるためには、看護職員の充実が必要で、特に夜間の看護職
員の確保が重要であると考えられる。
(5) 施設における看護職員の業務実態
今回の調査では看護職員の業務実態として、1日のなかでの業務内容ごとのおおよ
その実施時間も把握した。看護職員の業務としては入所者の観察・バイタルチェック
及び医療処置等に係る時間(診療の補助、通院付添、服薬支援含む)が5割を超える結
果であった。また、協力医療機関との定期的な会議に看護職員が参加している割合は
7割を超えていることからも、入所者の変化をいち早くとらえてアセスメントを行い、
必要に応じて配置医師や協力医療機関の医師へ相談・連携を行い、緊急時の対応を含
む医療処置を実施することが介護老人福祉施設における看護職員に求められる大きな
役割であることがあらためて確認されたといえよう。
(6) まとめ
本調査では、介護老人福祉施設における職員体制や加算状況、協力医療機関との連
携状況、医療提供状況等について実態把握を行った。介護老人福祉施設において医療
ニーズのある入所者の受け入れの需要は高まっており、緊急時等の対応について検討
する上での課題が明らかになった。配置医師や協力医療機関との連携が重要になるが、
緊急時等においてスムーズな対応が行えるよう、日頃から看取りの対応や救急搬送の
際の方針等について話し合い、配置医師や協力医療機関と共有を行うことが重要であ
り、そのための関係性構築が必要である。
一方で、令和6年度介護報酬改定において、高齢者施設と医療機関との実効性ある
連携を後押しする改定(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準へ
の明記、配置医師緊急時対応加算の見直しや協力医療機関連携加算の新設)が行われ
ている。各施設の「緊急時等の対応方法」の見直しを配置医師及び協力医療機関との連
携の契機とすることも有効であると考えられる。そのための参考資料として、「『緊急
時等における対応方法』の検討・作成及び見直しの手引き」を作成したので活用いただ
きたい。
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