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資料2障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(議論の整理(案))~各論~ (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00056.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第129回 5/16)《厚生労働省》
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これまでの部会における御意見(続き)
○ 立入調査を基幹相談支援センターに委託可能なことを明確化することについては賛成。一方で、実効性を担保することが重要。施設従事者等
による障害者虐待は虐待判断件数、被虐待者数がじわじわであるが右肩上がりになっているのは、非常に問題。行政の実地指導等でも充実・強
化することも必要。特に小規模事業所にどう整備していくのかは検討課題である。
〇 虐待は施設で起こることはあってはならないのが大原則。研修等、今般改定等から入れていくということだが、特に小規模事業所でなか なか
そういった研修の機会もない場合、不平・不満がケアを提供される側に向かっていくと想定されるので、研修の十分な活性化、職員のメンタルヘル
スがきちんと守られるよう、管理者は職員を育てていく視点が必要。医療の中では感染の対策等で事業所同士でサポートし合えるようにすること
で、いろいろな知識が小さな事業所でもついていくことなどがあった。事業所間でサポートし合えるような関係も必要。
〇 自治体間のばらつきはよく理解。温度差、地域性も影響していると思う。是正を期待したい。自治体での虐待の取組状況の情報の開示もばらつ
きがある。丁寧開示しているところとそうでないところもある。年間にどれだけ通報があり認定したかだけではなく、どういう事案がどんな虐待で認
定され対応をしたか、特定されない範囲で内容についても開示することが啓発や防止にもつながる。
〇 法が施行されてから国の研修でプログラムをやってきたが市町村の格差は改善できない。何が原因かというと、市町村の人事ローテーションは
なかなか手を入れられない。意識の高い市町村は知見が積み上がっていっていくが2~3年で担当が替わっていくところは積み上がらない。(事
実確認の)調査に入ると事業所と利用者の関係が損なわれるというのでは、利用者は泣き寝入りすることになる。調査を拒まれたから事実調査は
不要だとこともつじつまが合わない。虐待防止センターの機能を考えていただきたい。
〇 保育の現場で虐待事案に関わった経験から、虐待対応にはかなり専門的な知識や経験がないと大変に難しいと実感をしている。自治体間の
ばらつきの背景には自治体担当者の理解不足がある。取るべき対応や留意点をまとめ周知することはきちんと進めていただくことが必要。それと
ともに自治体の中だけで判断が難しい事案等には、外部から専門的な視点でのスーパーバイズを受けられるような体制が必要。検討の方向性に
ついて、虐待を防止する根本的な視点として、虐待が起こらない環境づくりの視点がとても重要。例えば、家族支援の充実の重要性、人員配置や
勤務体制などを含む適正な環境の設定や第三者の目が入る仕組みなどが考えられる。
〇 立入検査等の強化、体制の強化は重要。しっかり精査するためにはなるべくたくさんの第三者も入れて、職場環境を改善していく観点も必要。

議論を踏まえた方針(案)
(自治体間のばらつきの是正)
○ 市町村担当部署は、虐待の通報・届出を受け初動対応方針を決定する場面や事実確認結果に基づき虐待の認定を協議する場面に管理職が
必ず参加して組織的な対応を行うことが求められるが、障害者虐待の対応状況調査において、管理者が参加していない事例が一定数あったこと
が認められるとともに、事実確認や障害者虐待の判断について必ずしも適切とは言えない理由により判断を行っている事例や継続してフォローす
る必要がある事例が認められた。
○ 上記を踏まえ、市町村による障害者虐待への組織的な対応を徹底するため、障害者虐待の相談・通報の受付や事実確認を担う自治体職員に
向けて、虐待の通報・届出を受け初動対応方針の決定や虐待の認定を協議する場面に管理職が参加するよう改めて徹底するとともに、虐待の判
断に迷ったり、事実確認不要と判断しやすい具体的な場面等について、とるべき対応や留意点をまとめ、自治体に対して周知する必要がある。
また、自治体が障害者虐待に対して適切に対応するためには、専門的な助言を受けられる体制の整備が重要である。現在、障害者虐待防止対
策支援事業(地域生活支援促進事業)により、自治体における弁護士や社会福祉士による専門的な助言体制を確保する取組について補助する
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仕組みを設けており、本事業の活用等を通じて自治体における専門的な助言体制の整備を推進する必要がある。
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