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総-3個別事項について(その14)技術的事項 (14 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66697.html |
| 出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第633回 12/5)《厚生労働省》 |
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遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の概要
○ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)は、生殖細胞系列(※1※2)のBRCA1/2遺伝子変異により、乳がんや卵巣
がんなどの発症リスクが上昇する疾患概念であり、 BRCA1/2遺伝子変異陽性患者における、乳癌及び卵巣癌の
60歳までの累積罹患率は、乳癌で56%/53%、卵巣癌で20%/7%である。
○ HBOCについては、現時点では、乳癌又は卵巣癌を既に発症した患者に対するBRCA1/2遺伝子検査並びに対側乳
房切除及び卵巣・卵管切除が保険適用されている。
○ 乳癌・卵巣癌未発症のHBOCに対する両側乳房切除及び卵管・卵巣切除については、いずれも乳癌/卵巣癌発症
リスクの低減効果及び全生存期間の延長に係る一定のエビデンスが示されており、関係学会において、ガイドラ
インが取りまとめられている。
BRCA1/2遺伝子変異陽性患者の乳癌及び卵巣癌の累積罹患率
(%)
乳癌の累積罹患率
100
56%
50
53%
0
30
40
BRCA1
50
BRCA2
60
5%
(%)
100
卵巣癌の累積罹患率
50
20%
0
1%
7%
30
70
80
(歳)
日本人一般
40
BRCA1
50
BRCA2
60
70
80
(歳)
日本人一般
Kuchenbaecker KB, et al. JAMA. 2017;317(23):2402-2416.国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より健康・生活衛生局がん・疾病対策課にて作成
BRCA1/2遺伝子検査に係る主な算定要件等(※1)
対象患者
D006-18 BRCA1/2遺伝子検査 血液を検体とするもの
○ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群が疑われる乳癌若しくは卵巣癌患者
BRCA1/2遺伝子変異陽性患者に対する両側乳房切除及び卵巣・卵管切除に係るエビデンス及び学会ガイドラインの記載
CQ. BRCA病的バリアントをもつ乳癌未発症者に対して,両側リスク低減
乳房切除術(BRRM)は勧められるか?
→弱く推奨
○乳癌発症リスクの低減効果【エビデンスの確実性:強】
〔HR 0.11(95%CI 0.04-0.32)〕
BRRMが両側乳房の乳癌発症リスクを減少させることはほぼ確実
○全生存期間(OS)【エビデンスの確実性:弱】
〔HR 0.23(95%CI 0.05-1.01)〕
全生存期間の改善に関しては,RRSOの影響があり,不確実性が残る
CQ. BRCA病的バリアントをもつ女性にリスク低減卵管卵巣摘出術
(RRSO)は勧められるか?
→強く推奨
○卵巣卵管癌発症リスクの低減効果【エビデンスの確実性:強】
〔HR 0.16(95%CI 0.12-0.21)〕
RRSOが卵巣癌,卵管癌の発症予防効果を認めることは確実
○全生存期間(OS)【エビデンスの確実性:強】
〔HR 0.28(95%CI 0.18-0.42)〕
RRSOがBRCA1/2変異陽性者の全生存期間の延長効果を認めること
は確実
一般社団法人日本乳癌学会 「乳癌診療ガイドライン2022年版」, Li X, et al. Clin Cancer Res. 2016;22(15):3971-3981.(※1)
※1 生殖細胞(卵子または精子)に生じた遺伝子の変化を指す。子のすべての細胞のDNAに受け継がれる。
※2 HBOCの遺伝様式は常染色体顕性遺伝であり、病的バリアント保持者の一度近親者(父母、子、兄弟姉妹)が病的バリアントを保持する確率は50%である。
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○ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)は、生殖細胞系列(※1※2)のBRCA1/2遺伝子変異により、乳がんや卵巣
がんなどの発症リスクが上昇する疾患概念であり、 BRCA1/2遺伝子変異陽性患者における、乳癌及び卵巣癌の
60歳までの累積罹患率は、乳癌で56%/53%、卵巣癌で20%/7%である。
○ HBOCについては、現時点では、乳癌又は卵巣癌を既に発症した患者に対するBRCA1/2遺伝子検査並びに対側乳
房切除及び卵巣・卵管切除が保険適用されている。
○ 乳癌・卵巣癌未発症のHBOCに対する両側乳房切除及び卵管・卵巣切除については、いずれも乳癌/卵巣癌発症
リスクの低減効果及び全生存期間の延長に係る一定のエビデンスが示されており、関係学会において、ガイドラ
インが取りまとめられている。
BRCA1/2遺伝子変異陽性患者の乳癌及び卵巣癌の累積罹患率
(%)
乳癌の累積罹患率
100
56%
50
53%
0
30
40
BRCA1
50
BRCA2
60
5%
(%)
100
卵巣癌の累積罹患率
50
20%
0
1%
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30
70
80
(歳)
日本人一般
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BRCA1
50
BRCA2
60
70
80
(歳)
日本人一般
Kuchenbaecker KB, et al. JAMA. 2017;317(23):2402-2416.国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より健康・生活衛生局がん・疾病対策課にて作成
BRCA1/2遺伝子検査に係る主な算定要件等(※1)
対象患者
D006-18 BRCA1/2遺伝子検査 血液を検体とするもの
○ 遺伝性乳癌卵巣癌症候群が疑われる乳癌若しくは卵巣癌患者
BRCA1/2遺伝子変異陽性患者に対する両側乳房切除及び卵巣・卵管切除に係るエビデンス及び学会ガイドラインの記載
CQ. BRCA病的バリアントをもつ乳癌未発症者に対して,両側リスク低減
乳房切除術(BRRM)は勧められるか?
→弱く推奨
○乳癌発症リスクの低減効果【エビデンスの確実性:強】
〔HR 0.11(95%CI 0.04-0.32)〕
BRRMが両側乳房の乳癌発症リスクを減少させることはほぼ確実
○全生存期間(OS)【エビデンスの確実性:弱】
〔HR 0.23(95%CI 0.05-1.01)〕
全生存期間の改善に関しては,RRSOの影響があり,不確実性が残る
CQ. BRCA病的バリアントをもつ女性にリスク低減卵管卵巣摘出術
(RRSO)は勧められるか?
→強く推奨
○卵巣卵管癌発症リスクの低減効果【エビデンスの確実性:強】
〔HR 0.16(95%CI 0.12-0.21)〕
RRSOが卵巣癌,卵管癌の発症予防効果を認めることは確実
○全生存期間(OS)【エビデンスの確実性:強】
〔HR 0.28(95%CI 0.18-0.42)〕
RRSOがBRCA1/2変異陽性者の全生存期間の延長効果を認めること
は確実
一般社団法人日本乳癌学会 「乳癌診療ガイドライン2022年版」, Li X, et al. Clin Cancer Res. 2016;22(15):3971-3981.(※1)
※1 生殖細胞(卵子または精子)に生じた遺伝子の変化を指す。子のすべての細胞のDNAに受け継がれる。
※2 HBOCの遺伝様式は常染色体顕性遺伝であり、病的バリアント保持者の一度近親者(父母、子、兄弟姉妹)が病的バリアントを保持する確率は50%である。
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