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資料1 分娩取扱施設を対象とした「分娩取扱施設における出産に係る費用構造の把握のための調査研究」について(野口参考人提出資料) (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56641.html
出典情報 妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会(第9回 4/16)《厚生労働省》
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7.まとめ(全体)


本報告の分析に用いたデータは、外れ値や誤答と思われるものが含まれているため、速報値による報告であることに留意いただきたい。尚、修正や調整が可能と判
断したデータについては、研究班により統計的な処理を施した。調整内容については、当該スライドに明記している。



本調査では、2073施設の分娩取扱施設(病院、診療所、助産所)に調査票を送付し、1072施設(回収率は46.6%)に回答協力いただいた。



1か月間の「全分娩数」の平均は、総合・地域周産期母子医療センターは43件、それ以外の病院36件、診療所36件であった。助産所における1年間の分娩取扱件数の
平均は13件。



「無痛分娩」は、総合・地域周産期母子医療センター42%、それ以外の病院48%、診療所44%で。「無痛分娩」の平均設定価格は、総合・地域周産期母子医療セン
ターとそれ以外の病院は約12万円、診療所は約9万円であった。



「お祝い膳」は、総合・地域周産期母子医療センターで79%、それ以外の病院で84%、診療所で76%、助産所で31%で提供。料金は、80%以上の施設で料金が個別
に明示されず、入院料等に含まれていた。



病院では混合病棟が68%であり、「病棟における産科患者の入院割合」は総合・地域周産期母子医療センターで60%、それ以外の病院で47%であった。



「1日当たりの室料差額料金」の平均は、総合・地域周産期母子医療センターが43,233円で、25,107円のそれ以外の病院よりも高い。



「帝王切開」は、総合・地域周産期母子医療センターで14%と最も多い。「無痛分娩」は総合・地域周産期母子医療センター11%、それ以外の病院が7%、診療所が
13%だった。



入院中の助産ケアについて、「授乳指導」については、平均的な1日あたりの回数が4.6回、1入院あたりの合計回数が19.4回であり、産後入院中は多数回の授乳指
導が行われている。「沐浴指導」の実施回数は、初産婦で平均1.7回、経産婦で1.5回であり、経産婦にも実施されている。「育児技術指導」の延べ時間(平均)は
初産婦で257分、経産婦で218分であり、「退院指導」の時間は初産婦で45.4分、経産婦で41.6分であった。



「お祝い膳」以外のサービス(写真撮影、足形、エステ)の提供は、「初産婦」より「経産婦」の方が割合が高く、総合・地域周産期母子医療センターが他施設と
比べて割合が低い。



「産婦合計負担額」の平均値は、無痛分娩(603,338円)>帝王切開(511,299円) >その他の分娩(485,636円)の順で高い。



「産婦合計負担額」は、総合・地域周産期母子医療センター(537,358円)>診療所(513,405円) >それ以外の病院(503,551円)>助産所(448,154円)の順で高
い。「入院料」、「室料差額」、「一部負担金等」では総合・地域周産期母子医療センターが高いが、それ以外の項目については診療所が高い傾向。



正常な経腟分娩等を含む「その他の分娩」において、娩出2時間前後に関わった職種別延人数は「産婦人科医」が0.8人、「助産師」が2.3人、「看護師」が0.4人。



平均的な妊婦健診(病院+診療所)の費用の平均は113,425円(中央値115,800円) 、うち望ましい基準に含まれない健診項目の費用は10,882円(中央値3,460 円)。



年度別の損益率の状況について、回答のあった病院(74施設)では、令和4年度が▲5.4%、令和5年度が▲6.9%であった。うち、総合・地域周産期母子医療セン
ター(39施設)では、令和4年度が▲5.9%、令和5年度が▲6.9%であり、それ以外の病院(35施設)では、令和4年度が▲8.1%、令和5年度が▲6.5%であった。また、
診療所(医療法人、43施設)では、令和4年度が6.3%、令和5年度が3.6%であった。



今後は、外れ値や誤答と思われるものへの対処を含むデータの精査を行い、より精緻な分析を行う予定である。また、分娩取扱時に提供される診療や助産等の実態
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をより精緻にまとめるために、他計式前向き調査によるタイムスタディ実施する予定である。