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提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (84 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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【根拠】
食物アレルギー診療ガイドライン2021において、医師の指示に基づいて管理栄養士による栄養食事指導の提供が望ましいとあり、さらに保険
収載のない9歳以上においても医師及び看護師による食事指導が必要と明記されている 参考文献1)。9歳以上にも栄養食事指導が必要である
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 ことが前提に記載されており、そのニーズは小児食物アレルギー負荷試験の年齢適応拡大に伴い増加している。
【有効性】
後等のアウトカム
食物アレルギーでの適切な栄養食事指導では、患者の誤食による救急外来受診を減らし、正しい知識の習得により患者及び家族の不安も解消す
る。また、小児食物アレルギー負荷試験とセットで行われることにより、より早期に耐性獲得が誘導でき、その後の血液検査や受診回数および食
物アレルギー負荷試験の実施総数を減らすことで医療費抑制にも寄与する。
1.食物アレルギー診療ガイドライン2021(2021年発行、日本小児アレルギー学
会)
第10章の食物アレルギー患者の管理の前半(120-128ページ)において、食物アレルギー
管理における栄養食事指導の重要性について記述されている。また、保険収載のない9歳
以上においても医師及び看護師による食事指導が必要と明記されている。
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 2.厚生労働科学研究費補助金(免疫・アレルギー疾患政策研究事業)食物経口負荷試験
の標準的施行方法の確立と普及を目指す研究(研究代表者:海老澤元宏)(2022年発
る。)
刊、厚生労働科学研究班)
食物アレルギー栄養指導の手引き2017から改訂されたもので、食物アレルギー患者に
必要な栄養面での指導から実生活で注意すべき点まで、詳細に指導のポイントが記述され
ている。その中に、ライフステージに合わせた段階的、計画的な支援が必要と書かれてお
り、低年齢に限らず学童期以降についても指導が必要であることが記述されている。

③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

見直し前の症例数(人)

9歳以上16歳未満の患者:0人

見直し後の症例数(人)

9歳以上16歳未満の患者:6,000人

見直し前の回数(回)

9歳以上16歳未満の患者: 0回

見直し後の回数(回)

9歳以上16歳未満の患者: 6,000回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

入院における小児アレルギー負荷試験は5~9歳に対し9,7688件施行 参考文献4)されており、今後10歳~14歳には同程度、もしくは
年齢ととともに寛解が進んでいることから、それ以下の8,000件程度実施されるものと考えられる。
栄養指導は半数程度の医療機関でしか実施されておらず 参考文献5)、そのうち栄養指導が実施されるのは年間4,000件程度に留まることが
予想される。9~16歳未満はその1.5倍として年間約6,000件と推定した。

1,学会等における位置づけ
従来より食物アレルギーの患者指導には、医師の指示に基づいた管理栄養士による栄養食事指導が望ましいとされ、最新版食物アレルギー診療ガ
イドライン2021にも記述されている 参考文献1)。そこで2009年に日本小児臨床アレルギー学会による小児アレルギーエデュケーター
制度が発足し、小児食物アレルギー患者への専門的な栄養指導を行う人材が必要との観点から資格取得可能職種として管理栄養士も対象となって
いる。また2018年には日本栄養士会による食物アレルギー分野管理栄養士栄養士制度資格が発足しており、学会等での位置づけは確立されて
いる。
また、
2,難易度(専門性等)
小児アレルギーエデュケーターおよび食物アレルギー分野管理栄養士栄養士という専門制度はあるものの、管理栄養士の到達目標に食物アレル
ギーを含めたアレルギー分野は定められており、不足なく指導が全国あまねく実施することができる。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 標榜診療科:小児科、内科
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 常勤もしくは非常勤の管理栄養士が1名以上在籍している
性や経験年数等)
その他
小児食物アレルギー負荷検査の施設基準として10年以上の小児食物アレルギーの診断及び治療の経験を有する小児科の常勤医師1名以上が勤務
(遵守すべきガイドライン等その他の することが述べられており、こうした医師から指示され栄養指導を行うことが多いと考えられる。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

特になし

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

現行の年齢制限下では診療報酬が認められないことにより、小児食物アレルギー負荷試験で判明した摂取できる安全な量について、9歳以上の患
者は管理栄養士による適正な指導を得ることができない。それは安全なアレルゲンの摂取による経口免疫が不成立なままであり食物アレルギーの
改善が得られないことにつながる。また9歳以上の患者はアレルゲンの共通性や外食中食の際の危険を回避する方法を教育される機会を失い、常
に誤食の危険性にさらされる。このような状況は学童期における教育、社会生活において、養育者とともに著しいQOL低下を招き、食物アレル
ギー児およびその家族にとり重大な損失となっていると言える。

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

-

区分
番号
技術名
具体的な内容

なし

区分をリストから選択
-

減(-)

プラスマイナス
予想影響額(円)

8,400,000円

その根拠

栄養食事指導:260点×10円×6,000人=15,600,000円
不要となる医療費:26,689円×6,000人×15%(栄養食事指導により食事制限解除できる割合)=24,000,000円

備考

1.不要となる毎年の医療費 26,689円/人
1)アレルギー血液検査費用:特異的IgE抗体検査1,4400点+免疫学的判断料144点=1,584点
2)小児アレルギー負荷試験 1,000点
3)アドレナリン自己注射薬(10478円/本)+在宅自己注射指導料650点×10円=16,978円/人、食物アレルギーを有する小中
学生の5%が所持しているので一人当たり平均849円の医療費に相当する。
乳幼児では食物アレルギー負荷検査および栄養食事指導において食事制限解除できる割合は約60%といわれているが、年長児であるため食事
制限解除率を15%と仮定した。
2.給食が食べられる・移動教室に参加できることは医療費に換算できない。学校現場でアナフィラキシーによる死亡事故も発生しており、保護
者、保育・学校関係者の負担軽減につながる。

⑩予想影響額

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

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