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提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (64 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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減(-)

プラスマイナス
予想影響額(円)

約2,000,000,000円
以下の通り、本加算点数の増点により予想される増加医療費および減少医療費はそれぞれ1,176,000,000円および3,183,000,000円であり、全体で
は医療費は減少すると予想する。
(予想される増加医療費)超音波内視鏡検査件数が、145,504件から188,000件まで約42,000件増加し、胆膵領域のMRI検査件数が同数減少すると
仮定した場合、超音波内視鏡検査加算点数が480点であれば増減なしとなる。一方、超音波内視鏡検査加算点数が760点であれば、胆膵領域のMRI
検査件数が同数減少すると仮定した場合、1140点+760点-1620点(MRI検査3テスラ以上)= 280点増加/件となる。見直し後の検査件数が約
42,000件増加するとなると医療費は1,176,000,000円増加する。

⑩予想影響額

その根拠

(予想される減少医療費)膵癌のなかでもステージ0、Ia、Ibであれば、5年生存率50%以上が期待できる。日本膵臓学会膵癌登録では、各ステー
ジの比率は、ステージ0:1.7%、ステージIa:4.1%、ステージIb:6.3%である。診断精度の高い超音波内視鏡検査がMRI検査などの他の画像診断よ
りも優先的に使用された場合、ステージ0、Ia、Ibの割合が増えることにより、根治的切除例数が増加し、再発例数が減少することが期待され
る。ステージ0、Ia、Ib の5年生存率(85.8%、68.7、59.7%)を非再発率と推測し、ステージ0、Ia、Ibの診断割合が、超音波内視鏡検査件数増加
に伴い、それぞれ1.5倍に増えた場合、全体での非再発率が4.8% 上昇することが期待される。膵癌罹患数を43,865人/年(2019年:国立研究開発
法人国立がん研究センター がん情報)であるため、再発例に対する化学療法として最も高頻度に使用されているGemcitabine + Nab-Paclitaxel
治療を3.9カ月間実施した場合の医療費を、387,600円/月 X 3.9カ月=1,511,640円とした場合、43,865人 X 4.8% X 1,511,640円=約
3,183,000,000円の医療費削減に繋がることが期待される。

備考

特になし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

1)名称
2)著者
⑭参考文献1

⑭参考文献2

⑭参考文献3

⑭参考文献4

⑭参考文献5

Multicenter study of early pancreatic cancer in Japan
Kanno A, Masamune A, Hanada K, Maguchi H, Shimizu Y, Ueki T, Hasebe O, Ohtsuka T, Nakamura M, Takenaka M, Kitano M, Kikuyama M,
Gabata T, Yoshida K, Sasaki T, Serikawa M, Furukawa T, Yanagisawa A, Shimosegawa T; Japan Study Group on the Early Detection of
Pancreatic Cancer (JEDPAC).

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Pancreatology、2018、 Jan、18(1)、61-67

4)概要

日本における早期膵癌の臨床的特徴を明らかにするために実施した多施設共同研究。この中で、早期と考えられているステージ0または1の膵癌の
超音波内視鏡による検出率(76.3%)が、腹部超音波(52.6%)、造影CT(51.5%)、MRI(45.1%)の検出率よりも高値であることが報告されてい
る。

1)名称

Diagnostic performance of endoscopic ultrasound for detection of pancreatic malignancy following an indeterminate multidetector CT
scan: a systemic review and meta-analysis

2)著者

Krishna SG, Rao BB, Ugbarugba E, Shah ZK, Blaszczak A, Hinton A, Conwell DL, Hart PA.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Surg. Endosc.、2017、Nov、31(11)、4558-4567

4)概要

マルチディテクターCTスキャン(MDCT)で明らかな腫瘤を認めず、臨床的に膵臓の悪性腫瘍が疑われる患者に対する超音波内視鏡(EUS)の有用
性を検討したメタアナリシス。臨床的に膵腫瘍が疑われMDCTが判定不能であった206名の患者においてEUSを実施した場合、EUSにより膵癌を診断
する統合感度は85%(95% CI 69-94%)、統合特異度、58%(95% CI 40-74%)、統合診断精度、75%(95% CI 67-82)、receiver operating
characteristic 曲線下面積は 0.8と優れた診断能を認めている。

1)名称

Value of EUS in early detection of pancreatic ductal adenocarcinomas in patients with intraductal papillary mucinous neoplasms.

2)著者

Kamata K, Kitano M, Kudo M, Sakamoto H, Kadosaka K, Miyata T, Imai H, Maekawa K, Chikugo T, Kumano M, Hyodo T, Murakami T, Chiba
Y, Takeyama Y.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Endoscopy、2014、Jan、46(1)、22-9

4)概要

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に由来する膵癌、併存する膵癌の診断における超音波内視鏡の有用性を検討した。切除の対象とならなかった102
名のIPMN患者において膵癌発生の有無について追跡調査を行った。観察期間中においてIPMN併存膵癌の3年および5年発症率は、それぞれ4.0%お
よび8.8%であった。その経過観察中に発見されたIPMN併存癌における病変描出率は、EUSで100%、超音波検査で0%、CTで43%、MRIで43%であ
り、EUSは最も優れていた。

1)名称

膵癌診療ガイドライン

2)著者

日本膵臓学会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

膵癌診療ガイドライン

4)概要

日本膵臓学会から報告されている膵癌診療ガイドライン。本ガイドラインにおいて、膵癌を疑った場合の超音波内視鏡(EUS)の使用についての
Clinical Questionが設定されており、「EUSは、膵癌を高感度で検出できることから、膵癌を疑った場合にEUSを行うことを推奨する」というス
テートメントが掲載されている。

1)名称

Revisions of international consensus Fukuoka guidelines for the management of IPMN of the pancreas.

2)著者

Tanaka M, Fernández-Del Castillo C, Kamisawa T, Jang JY, Levy P, Ohtsuka T, Salvia R, Shimizu Y, Tada M, Wolfgang CL.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Pancreatology、2017、Sep-Oct、17(5)、738-753

4)概要

国際膵臓学会(IAP)が発表している膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に対する診療ガイドライン。この中で、悪性を疑うWorrisome featureを有す
るIPMNでは、外科切除するかどうかを検討するために、超音波内視鏡を用いて、5mm以上の壁在結節の有無、主膵管への進展の有無を精査するこ
とが推奨されている。

2022年版

膵癌診療ガイドライン改訂委員会



2022年版、2022年、7月、117-120、金原出版(東京)

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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