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提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑥普及性

年間対象患者数(人)

1,600

国内年間実施回数(回)

1,600

※患者数及び実施回数の推定根拠等

TGCVが発見報告された2008年から2022年12月までの累積確定診断数は640例である。
TGCVの脂肪酸代謝異常の病態を非侵襲的かつ的確に評価できる本技術は、治療抵抗性の冠動脈疾患あるいは心不全で既存の
検査法では原因診断が確定しない症例を対象に、TGCVを鑑別する目的に実施される。
第9回全国核医学診療実態調査報告書(2023年)によれば、本邦における心脂肪酸代謝SPECT実施施設数は308施設である。一
方、2022年度のTGCV診断実施施設数(本技術を実施した施設数)は64施設、年間総診断数は100例程度である。心脂肪酸代
謝SPECTを実施する本邦の全ての施設(308施設)でTGCV診断を実施すると仮定し、現在の年間診断数100件並びにこれまで
の検査前確率が30%程度であることを勘案すると、最大に見積もられる国内年間実施回数は、
100件/年×(308÷64)/0.3 ≒1600件/年となる。
しかしながら、1)疾患啓発には時間がかかる、2)受診患者層や検査規模の施設間差が大きい、3)一部のハイボリュー
ムセンターで使用されている半導体SPECT装置では現状診断できない、などの理由により達成には相当の年月を要する。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・厚生労働省難治性疾患政策研究事業TGCV研究班が定めたTGCV診断基準2020年度版において、必須項目に123I-BMIPP洗い出
し率の評価が明記されている。
・当該技術は核医学検査室を保有する医療機関に限定されており、かつ、被ばくの影響や検査終了までの絶食が必要である
などの制約はあるものの、123I-BMIPPを静脈内投与した後に、早期像に追加し後期像のシングルホトンエミッションコン
ピューター断層撮影を実施するのみであることから難易度は低い。
・JSNC-WG策定『123I-BMIPP脂肪酸代謝イメージングの洗い出し率測定のための推奨:A recommendation for measurement
of washout rate in 123I-BMIPP fatty acid imaging 』の学会承認が済んでおり、2023年内に論文公開予定である。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

核医学検査が実施可能な設備を保有する施設

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

5年以上の循環器内科の経験を有する常勤の医師が1名以上配置されている。

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

当該技術の適応の判断及び実施に当たっては、
1.厚生労働省難治性疾患政策研究事業TGCV研究班 TGCV診断基準2020
2.JSNC-WG report『123I-BMIPP脂肪酸代謝イメージングの洗い出し率測定のための推奨:A recommendation
for measurement of washout rate in 123I-BMIPP fatty acid imaging』
を参考にすること(2.は2023年内に論文公開予定)。

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

123I-BMIPPを用いた1回の静脈内投与で評価できるため、放射線被ばくはあるものの非侵襲的検査である。副作用等につい
ては、123I-BMIPPの臨床試験及び使用成績調査(全3,989例)から、異臭が17件(0.43%)、味覚異常が4件(0.10%)、
口内異常感が1件(0.03%)、注射部疼痛が2件(0.05%)と報告されている。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

TGCVは我が国で発見された循環器難病であり、未診断・診断遅延が大きな課題である。TGCVは、今年度、厚生労働大臣より
指定難病に指定される見込みとなっている。さらに、厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目ならびに希少疾病
用医薬品の指定を受けた医薬品の検証的治験 (jRCT2051210177)が実施され、数年後に上市の見込となっている。本提案の
保険収載により診断遅延等の問題が解決し診断・治療アルゴリズムが確立することにより、本難病で苦しむ患者への福音と
なることが期待できる。


妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)

900点

その根拠

外保連試案2022を参考に当該検査にかかる費用を試算すると、医師人件費を除き、検査室及び機器使用料、検査実施協力者
人件費、画像処理及び画像診断にかかる人件費の合算は26,436円(2,640点相当)となる。一方、E101 シングルホトンエ
ミッションコンピューター断層撮影の検査料として1,800点の算定が認められている。本提案技術は、後期像の追加撮影と
洗い出し率算出に対し、心血流SPECTの2回撮影(安静・負荷)等で算定が認められている断層撮影負荷試験加算に倣い、所
定点数1,800点の100分の50に相当する点数を加算とした。

⑩希望する診療
報酬上の取扱い

関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

区分

区分をリストから選択

番号

特になし

技術名

特になし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス

予想影響額

特になし

予想影響額(円)

(最大に見積もって)14,400,000円

その根拠

1件あたりの後期像撮影加算料9,000円×年間1,600件=14,400,000円/年。

備考

本提案を含めTGCV患者の診断・治療アルゴリズムを確立することは、効率の良い医療の提供につながり、将来的な医療費削
減が期待される。また、実施件数を最大に見積もっており、実際にこの額に到達するには相当の年月を要すると考える(⑥
普及性の※患者数及び実施回数の推定根拠等、をご参照ください)。

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
医薬品:カルディオダイン®注
器又は体外診断薬
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

2)調べたが収載を確認できない

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

特になし
d. 届出はしていない

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い
⑭その他

厚生労働省難治性疾患政策研究事業TGCV研究班 成果報告冊子2020年度に当該技術についての記載あり(資料5/5)

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 「TGCVの診療体制の構築」研究班
代表研究者 平野賢一(大阪大学大学院医学系研究科中性脂肪学共同研究講座 特任教授)

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