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10参考資料1-2 成人用肺炎球菌ワクチンファクトシート[4.9MB] (9 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70339.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会(第64回 2/12)《厚生労働省》 |
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さである 36。本菌は、WHO による国際的薬剤耐性サーベイランスシステムの対象であり、研究開発が優
先されるべき薬剤耐性細菌リストにも含まれている 37,38。β-ラクタム系およびマクロライド系の薬剤耐
性が特に問題視されており、我が国においてもペニシリン耐性肺炎球菌の国内サーベイランスが実装さ
れている 39,40。入院患者から採取した髄液検体における肺炎球菌のペニシリン非感受性率は、2021 年で
59.5%と諸外国より高い水準であり、2030 年までに 15%以下を目指す事を国のアクションプランにて定
めている 41。ワクチンは肺炎球菌感染症の予防に加え、薬剤耐性肺炎球菌の抑制にも寄与する事が期待さ
れる 39。一方で、多剤耐性の無莢膜型肺炎球菌の増加も注視しなくてはならない 42。
④ 検査法
1) 培養法
喀痰、気管支肺胞洗浄液、関節液、胸水、血液、髄液などの臨床検体を直接血液寒天培地に接種するか、
もしくは血液培養ボトルなどの増菌培地を用いて増菌したのち血液寒天培地に接種する方法で培養・単
離し、得られた細菌コロニーを鑑別する培養法が一般的である。培養法により分離された肺炎球菌の同定
は血液寒天培地上での溶血性(α 溶血)
、胆汁酸溶解試験、オプトヒン感受性試験などによって行われる
。また、喀痰、膿、血液、髄液などの臨床検体を用いた塗抹鏡検検査も、肺炎球菌による感染症の推定
43
に有用である 44。
2) 遺伝子解析法
培養分離することなく、臨床検体から肺炎球菌を直接同定する real-time PCR 法や PCR 法も開発・使
用されている 45,46。しかし、確率は低いが、他のα溶血細菌が肺炎球菌と誤同定されるケースもあるため、
使用する際には注意が必要である 47。肺炎球菌分離株については、さらに正確性を高めた菌種同定と系統
解析のための効率的で信頼性の高い方法として multilocus sequence typing (MLST) 法や全ゲノムシー
ケンス (whole genome sequencing:WGS)が有用である 43,48,49。
3) 抗原検査法
肺炎球菌の細胞壁由来の共通抗原である C-polysaccharide を検出する尿中抗原検出法が肺炎球菌感染
症の迅速診断法として使われている。抗菌薬投与がすでに開始され、培養で原因菌の検出が困難な場合で
も診断できるという利点があり、成人肺炎球菌感染症の診断法として普及している 50。さらに、尿中から
肺炎球菌結合型ワクチンに含まれる血清型の莢膜抗原を特異的に検出できる urinary antigen detection
(UAD)アッセイ法も開発されている 51,52。
一方で、尿中抗原検出法は保菌者でも陽性を示すことがあり、保菌率の高い小児では偽陽性となる場合
がある 53 54 。また、肺炎球菌性肺炎が治癒した後も尿中抗原陽性が数 か月持続することや 稀に
Streptococcus mitis などによる偽陽性があるため、診断には注意が必要である 55-57。さらに、肺炎球菌ワ
クチン接種後も偽陽性を示す可能性があるため、ワクチン接種後 5 日間は検査を行わないことが推奨さ
れている 58。
4) 血清型別法と免疫評価法
莢膜膨化試験 (Quellung reaction) が肺炎球菌の血清型別の標準法であるが、血清型を決定する遺伝子
の特異的配列をターゲットとした multiplex PCR 法、loop-mediated isothermal amplification(LAMP)
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先されるべき薬剤耐性細菌リストにも含まれている 37,38。β-ラクタム系およびマクロライド系の薬剤耐
性が特に問題視されており、我が国においてもペニシリン耐性肺炎球菌の国内サーベイランスが実装さ
れている 39,40。入院患者から採取した髄液検体における肺炎球菌のペニシリン非感受性率は、2021 年で
59.5%と諸外国より高い水準であり、2030 年までに 15%以下を目指す事を国のアクションプランにて定
めている 41。ワクチンは肺炎球菌感染症の予防に加え、薬剤耐性肺炎球菌の抑制にも寄与する事が期待さ
れる 39。一方で、多剤耐性の無莢膜型肺炎球菌の増加も注視しなくてはならない 42。
④ 検査法
1) 培養法
喀痰、気管支肺胞洗浄液、関節液、胸水、血液、髄液などの臨床検体を直接血液寒天培地に接種するか、
もしくは血液培養ボトルなどの増菌培地を用いて増菌したのち血液寒天培地に接種する方法で培養・単
離し、得られた細菌コロニーを鑑別する培養法が一般的である。培養法により分離された肺炎球菌の同定
は血液寒天培地上での溶血性(α 溶血)
、胆汁酸溶解試験、オプトヒン感受性試験などによって行われる
。また、喀痰、膿、血液、髄液などの臨床検体を用いた塗抹鏡検検査も、肺炎球菌による感染症の推定
43
に有用である 44。
2) 遺伝子解析法
培養分離することなく、臨床検体から肺炎球菌を直接同定する real-time PCR 法や PCR 法も開発・使
用されている 45,46。しかし、確率は低いが、他のα溶血細菌が肺炎球菌と誤同定されるケースもあるため、
使用する際には注意が必要である 47。肺炎球菌分離株については、さらに正確性を高めた菌種同定と系統
解析のための効率的で信頼性の高い方法として multilocus sequence typing (MLST) 法や全ゲノムシー
ケンス (whole genome sequencing:WGS)が有用である 43,48,49。
3) 抗原検査法
肺炎球菌の細胞壁由来の共通抗原である C-polysaccharide を検出する尿中抗原検出法が肺炎球菌感染
症の迅速診断法として使われている。抗菌薬投与がすでに開始され、培養で原因菌の検出が困難な場合で
も診断できるという利点があり、成人肺炎球菌感染症の診断法として普及している 50。さらに、尿中から
肺炎球菌結合型ワクチンに含まれる血清型の莢膜抗原を特異的に検出できる urinary antigen detection
(UAD)アッセイ法も開発されている 51,52。
一方で、尿中抗原検出法は保菌者でも陽性を示すことがあり、保菌率の高い小児では偽陽性となる場合
がある 53 54 。また、肺炎球菌性肺炎が治癒した後も尿中抗原陽性が数 か月持続することや 稀に
Streptococcus mitis などによる偽陽性があるため、診断には注意が必要である 55-57。さらに、肺炎球菌ワ
クチン接種後も偽陽性を示す可能性があるため、ワクチン接種後 5 日間は検査を行わないことが推奨さ
れている 58。
4) 血清型別法と免疫評価法
莢膜膨化試験 (Quellung reaction) が肺炎球菌の血清型別の標準法であるが、血清型を決定する遺伝子
の特異的配列をターゲットとした multiplex PCR 法、loop-mediated isothermal amplification(LAMP)
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