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10参考資料1-2 成人用肺炎球菌ワクチンファクトシート[4.9MB] (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70339.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会(第64回 2/12)《厚生労働省》
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入後、5 歳未満の小児 IPD 全体に占めるワクチン型血清型 IPD の割合は大きく減少したが、非ワクチン
型血清型が IPD 全体に占める割合は約 42.2% [95%CI: 36.1, 49.5] まで増加した 70。また、
英国では PCV7
導入 4 年後において、PCV7 血清型による 2 歳以下の IPD 罹患率の 98%減少、65 歳以上の高齢者の IPD
罹患率は 81%減少した 71。このような PCV7 未接種である成人の IPD 罹患率の減少は、小児の PCV7 導
入による間接的な集団免疫効果と考えられている。
その後、英国では PCV7 導入前に比較して、2016/2017
年までにすべての年齢層の PCV7 血清型 IPD は 97%減少した 72。また、
PCV13 導入前に比較して PCV13
血清型の IPD は 64%減少した。一方で、非 PCV13 血清型による IPD の罹患率は PCV7 導入前の水準か
ら倍増しており、特に 65 歳以上の高齢者において血清型 8、12F、9N による増加が顕著であった。この
ような非 PCV13 型の急増は、PCV13 型による IPD の減少効果を相殺しつつあり、特に小児へのワクチ
ン接種を通じて得られていた高齢者への間接効果を減弱させていると考えられる。
わが国では 2010 年 11 月に PCV7 の公費助成が始まり、小児 IPD 罹患率は 2007 年~2010 年の助成
前と比較し、2013 年度までに 5 歳未満人口 10 万当たり 25.0 から 57%減少した(IPD 全体に占める PCV7
血清型は 98%減少)66。一方、非 PCV7 血清型による小児 IPD の増加が見られ、導入後に血清型置換が
生じた。IPD に占める PCV7 血清型の割合は 2010 年の 78.5%から 2013 年に 3.3%へ低下した。
2006 年 8 月~2007 年 7 月に実施された国内の研究では、成人 IPD 由来株のうち PCV13 血清型の割
合は 61%、PPSV23 血清型の割合は 85%を占めていた 73。一方、成人 IPD 研究グループにより 2013 年
~2019 年にかけて実施された国内 10 都道府県のサーベイランスでは、研究初期(2013 年~2015 年)に
これらの割合はそれぞれ 46%、66%に低下しており、小児への PCV13 導入の間接効果が示唆される 74。
また、PCV13 血清型の割合は初期(2013 年~2015 年)と比較して後期(2018 年~2019 年)に有意に
減少した。特に、PCV13 血清型のうち非 PCV7 血清型の一部(19A や 3)は 65 歳以上で有意に減少し
ており、これは小児への PCV13 導入による高齢者への間接効果を示唆している。一方、PCV7 血清型の
割合は調査初期からすでに低く、小児への PCV13 導入前の PCV7 による間接効果が既に定着していた
可能性がある。また、2018 年~2019 年の致命率は 2013 年~2015 年と比較して有意に低下しており(RR:
0.45 [95%CI: 0.29, 0.68])
、さらに 65 歳以上の成人 IPD における PCV15/PCV20/PCV24 のカバー率は
それぞれ 38%、56%、58%であった。さらに、同研究グループの解析では、2014 年~2018 年に非髄膜炎
IPD における PCV13 血清型の割合が有意に減少しており、間接効果が認められた 75。一方、髄膜炎 IPD
では PCV13 血清型の割合は減少傾向であったものの有意な年次変化は認められなかった。加えて、髄膜
炎症例で最も多かった血清型は非 PCV13 血清型(特に 10A や 23A)であったことから、全体として髄
膜炎 IPD に対する間接効果は限定的であると評価されている 74。成人への PCV 接種が他の成人に及ぼ
す間接効果を示した文献はない。一方、イングランド(2011 年~2019 年)の保菌調査では、若年成人(18
歳~44 歳)の血清型分布と、症例・キャリア比から推定した高齢者(65 歳以上)の分布が 78.5%一致し、
高齢者の保菌における成人間伝播の重要性が示唆された 76。ただし、小児から成人や高齢者間の伝播を否
定するものではない。成人への PCV 導入による間接効果を解明するには、成人の保菌動態やキャリアと
しての役割を詳しく検討する研究が必要であると述べられている。
② 成人における肺炎球菌感染症の疾病負荷
1) 成人における侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)
IPD は 2013 年4月より、感染症法に基づく感染症発生動向調査において 5 類全数把握疾患に追加され
た。届出数は、サーベイランス開始後数年間を経て、2017 年~2019 年は 18 歳~64 歳が 700 例~800 例、
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