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10参考資料1-2 成人用肺炎球菌ワクチンファクトシート[4.9MB] (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70339.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会(第64回 2/12)《厚生労働省》
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要 約
疾患の特性
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は鼻咽頭の常在菌であり、乳幼児や小児での保菌率が高いもの
の、成人や高齢者でも保菌がみられる。本菌は飛沫感染し、無症候性の保菌状態が水平伝播に重要な役割
を果たす。肺炎球菌は市中肺炎の主要な原因菌であり、副鼻腔炎や中耳炎などの非侵襲性感染症を引き起
こすほか、血液や髄液中に侵入すると侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を発症し、髄膜炎や菌血症を伴う肺
炎などの重篤な病態を呈する。約 100 の血清型が存在し、中には IPD やアウトブレイクとの関連が指摘
されるものや、成人の重症化に寄与するものもある。小児との接触が成人の感染リスクとなり、混雑環境
での集団感染や COVID-19 との共感染による重症化リスクも指摘されている。さらに、世界的に問題視
される薬剤耐性肺炎球菌への対応も重要であり、日本では国のアクションプランの一環として薬剤耐性
(AMR)対策が進められている。
検査法
肺炎球菌はグラム陽性双球菌で、血液寒天培地で発育し、α 溶血性を示す。本菌は鼻咽頭に常在して
いるが、主要な呼吸器病原性細菌である。肺炎球菌による感染症は、莢膜多糖体を抗原としたワクチンの
接種により予防可能な疾患となっている。一方、莢膜多糖体の血清型の種類は 100 種以上報告されてい
ることから、肺炎球菌ワクチンの予防効果を評価するためには、ワクチンに含まれる血清型、含まれない
血清型の莢膜多糖体を持つ肺炎球菌を原因とする IPD 症例数を正確に解析する必要がある。そのために
は、肺炎球菌の正しい菌種同定および血清型別が不可欠となる。本章では、肺炎球菌の菌種同定および血
清型別に必要な細菌学的検査法として、培養法、遺伝子解析法、抗原検査法、血清型別法と免疫評価法を
紹介する。
肺炎球菌ワクチン導入の経緯と直接効果間接効果
日本における肺炎球菌ワクチンの導入は、1988 年の 23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン
(PPSV23) の承認に始まり、脾摘患者を対象とした適用、そして 65 歳以上への定期接種拡大(2014
年)へと進んだ。小児では 2010 年に沈降 7 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が公費助成対象となり、
2013 年に定期接種化、同年沈降 13 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)に置き換えられた。その後、
沈降 15 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)や沈降 20 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)も順次承
認され、定期接種対象が拡大された。ワクチン導入により小児や高齢者の IPD 罹患率は大きく減少した
が、非ワクチン型血清型の割合の増加が課題として浮上している。特に高齢者では非 PCV13 血清型によ
る IPD の割合の増加が顕著である。日本国内の調査でも、小児へのワクチン導入が高齢者への間接効果
をもたらした一方で、髄膜炎型 IPD への影響は限定的とされ、さらなる血清型のカバーが課題である。
成人における肺炎球菌感染症の疾病負荷
5 類全数把握疾患である IPD 届出数は、
新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降に減少したが、
2023 年以降は増加傾向にある。2024 年の人口 10 万対届出数は 0.8(18 歳~64 歳)、4.3(65 歳以上)で
あった。2023 年の患者調査における肺炎の人口 10 万対受療率は、入院が 21、外来が 4 であった。国内
4 病院における市中肺炎および医療・介護関連肺炎の調査において、罹患率は 16.9/1,000 人年 [95%CI:
13.6, 20.9]、入院率は 5.3/1,000 人年 [95%CI: 4.5, 6.2]と推定された。長崎県五島市における市中肺炎お
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