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会議資料 (107 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58149.html
出典情報 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第32回 5/23)《厚生労働省》
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【対象疾患の観点から】
糖尿病や高血圧・脂質異常症などの生活習慣病やメタボリック症候
群と ED の関係が注目されている。その理由として、ED と生活習慣
病やメタボリック症候群は「動脈硬化」や「血管内皮障害」をキー
ワードとした共通の危険因子を有することがあげられる。さらには
ED が虚血性心疾患の先駆症状であることや、ED が将来の虚血性心
疾患を予測可能な独立した予測因子であることも指摘されている
ことから、OTC 化による宣伝等を介した ED 治療の啓蒙は重要であ
り、早期医療への介入として、自身の健康状態を把握することの大
切さも伝えられると考える。
【適正使用の観点から】
PDE5 阻害薬は硝酸剤が併用禁忌であるなどの一般的な注意事項を
念頭におき、適切な指導のもと販売することが大切である。実臨床
における問診で確認することを適切に行う必要がある。
本剤は初回投与量が 10mg であり、65 歳以上でも用量調節は不要
の薬剤である。食事による薬効への影響もなく取扱いやすい薬剤で
ある。
以上から、10mg 錠に限定して認めることが妥当と考える。また、本
剤は過緊張状態では有効性が得られないことが知られていて、投与
後 4 回目までは回数に応じて有効性を実感する患者が増加するが、
8 回を超えるとその患者数は増加しないことが報告されている。そ
のため、1 回の処方数は 8 錠が妥当と考える。
【スイッチ化した際の社会への影響の観点から】
ED 治療薬の輸入偽造薬および ED 治療の医薬品成分(未承認成分を
含む)を含む健康食品による詐欺行為などの国際的な犯罪、健康被
害リスクから国民を守ることが可能になると考える。
また、医療機関を受診していなかった患者が、薬局で本剤を入手で
きるようになり、潜在的な ED 患者の掘り起こしに寄与すると考え
られると同時に、潜在的な生活習慣病を早期に治療介入すること
で、国民の健康寿命の延伸に寄与すると同時に医療費の削減にも貢
献するものと考えられる。
2. OTC とする際の課題点について
先に述べたとおり、硝酸剤は一酸化窒素(NO)供与剤との併用によ
り降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることが知られてい
る。また、服用間隔は 24 時間あけること、そして、本剤投与中およ
び投与後 24 時間は、硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投
与されないよう十分説明を行うことも大切である。これらのことを
薬剤師が適切に患者に指導できる情報を整え、また、本剤の適切な
服薬指導を行えるよう教育資材を整えること、さらには、適切に服
用しても効果がない場合もしくは副作用等の発生においては近隣
の医療機関への受診につなげることが求められる。

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