＜一般社団法人 日本臨床泌尿器科医会 JCUA 見解＞
スイッチＯＴＣ医薬品の候補成分に関する見解
１．候補成分に関連する事項
成分名
（一般名）

タダラフィル

勃起不全（満足な性行為を行うに十分な勃起とその
維持が出来ない人）
勃起不全（以下 ED という。）は、自尊心低下の原因
やそれに伴う不安感や抑うつ症状の原因、パートナ
ーとの関係性悪化の原因となる可能性があるため、
候補成分
メンタルヘルスに直結する問題である。また、金銭
OTC と し て
の情報
的・心理的要因から医療機関を受診せずにリスクを
のニーズ
承知しつつもネット等で個人輸入をする者が後を絶
たず、偽造医薬品による健康被害が懸念される。本
剤をスイッチ OTC 化することによりこれらの問題
の解決に貢献できると考えるから。
OTC 化 さ れ
本邦では ED 治療薬が OTC 化されていないため、ED
た際の使わ
治療に対して唯一のスイッチ OTC 医薬品となる。
れ方
効能・効果

２．スイッチ OTC 化の妥当性に関連する事項
１． OTC とすることの賛否について
結論：賛成
〔上記と判断した根拠〕
【薬剤特性の観点から】
① 本剤は、緊急避妊薬と同様、将来的にはオンライン診療 になる可能性の
ある薬剤です。HPKI 医師資格証と患者のマイナンバー健康保険証の確
認も確実には行われていない現状では、本剤がスイッチ OTC 化された後

スイッチ
に、本剤をオンライン販売薬とすることには反対いたします。
OTC 化の
妥当性 【対象疾患の観点から】
② タダラフィルの販売包装単位に関しては、現状、クリニックでは 20ｍｇ
製剤を 3～4 錠自費にて処方する例が多いようです。シルデナフィルでも
世界的には 100ｍｇ製剤まで存在しますが、高齢の日本人では青視症の
有害事象が有り、国内販売は 50ｍｇに制限されております。勃起不全の
患者は、無効または効果不足、あるいは、コンプライアンス不良である
ことが多く、このような患者においては自己判断で増量する危険性が有
るため、最大、10ｍｇ製剤を 4 錠までの個包装を要望します。

102 / 282