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資料1 財政総論 (9 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20251105zaiseia.html
出典情報 財政制度分科会(11/5)《財務省》
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インフレ下における財政政策の在り方
○ 供給制約下では、財政政策がインフレに影響を与え得ることが指摘されており、諸外国では、インフレが強く意識されている。
クリシュナ・スリニバーサン氏(IMFアジア太平洋局長)による
日本経済新聞への寄稿(2025年8月)
日本のデフレ脱却と持続的な成長のために、堅実な財政運営や的を絞っ
た経済対策が重要だと訴えた。
財政政策は重要な補完的役割を果たす必要があり、財政規律はこれまで
以上に求められている。金利が上昇しつつあり、公的債務は国内総生産
(GDP)比で230%を超える高水準にある。日本の人口動態と自然災害
に対する脆弱性の高さは将来的に財政負担を増やすことになり、政府がそう
したニーズに対応するには公的資源が必要になる。(略)

対日4条協議 Staff Concluding Statement(2023年1月)
経済回復が続き、物価が上昇し、労働市場が引き締まり、需給ギャップが
縮まる中、財政政策支援は今以上に迅速に縮小されるべきである。2022
年10月の大規模な財政政策パッケージの導入により、すでに逼迫していた
財政余地は一段と縮小した。さらに、同パッケージは物価を押し上げる可能
性があり、そうなった場合、金融政策のさらに強力な引き締めが必要となる。
ケネス・ロゴフ氏(ハーバード大学教授)によるForeign Affairs誌への
寄稿(2022年10月)

このような困難を前に、政府が財政支援の提供を決めるのであれば、対
象を絞り、国民の中の最も脆弱な層を支援することを目的とし、インフレが
和らぐまでの一時的なものとしなければならない。

深刻な供給制約があり、需要不足がわずかしかない経済に数兆ドルを
投入すれば、インフレを招くに違いない。

広範囲にわたる補助金や減税はこうした原則に合致しない。富裕層も貧
困層も同様に対象となり、縮小が困難だからだ。自然災害や高齢化に伴う
負担の増大への対処に必要な財源を制約することにもなる。また、インフレ
圧力にも拍車をかけかねない。

カレン・ダイナン氏(ハーバード大学教授)・ダグラス・エルメンドルフ氏(同)による
米シンクタンク ワーキングペーパー(2024年12月)

トランプ大統領の議会合同会議でのスピーチ(2025年3月4日)
インフレ対策として、エネルギーコストの削減だけでなく、納税者の税金を
浪費する行為を終わらせる。(略)インフレやその他の問題と闘うために、そ
の資金を取り戻し、債務を削減した。
英国 リーブス財務大臣(2025年9月)
生活費の高騰は依然として現実の問題である。交渉の余地のない財政規
律を通じて公共支出を厳しく管理することで、インフレと借入コストを引き下
げなければならない。これを行うことによってのみ、私たちが実行したいことを
行う余裕ができる。国民の財布にもっとお金が入り、必要な時にNHSを利用
できるようにする。それらが私の優先事項である。

財政刺激策によって誘発された需要の増加は、供給制約に直面してイン
フレを押し上げる可能性があるため、財政刺激策の調整においては、イン
フレ上昇のリスクとコストを慎重に検討することが重要である。
トビアズ・エイドリアン氏(IMF金融資本市場局顧問兼局長)、ヴィトール・
ガルパール氏(IMF財政局長)によるIMF BLOG(2022年11月)
多くの人々が依然として苦境にある中、政府は最も脆弱な立場にある人々
が食料・エネルギー価格の高騰に対処し、その他のコストを賄えるよう支援を
優先し続けるべきだ。ただし、インフレを加速させるリスクのある総需要の増
大は避ける必要がある。多くの先進国・新興国では、財政規律の強化が
債務削減と並行してインフレ抑制につながる。

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