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【資料2-3】厚生労働科学研究の成果に関する評価(案)(令和6年度報告書) (58 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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令和6年度

カネミ油症に関する研究事業「成果に関する評価」
(219,713 千円)

1.研究事業の概要
「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」に基づき、カネミ油症に
関して総合的な研究を推進し、ダイオキシン類の生物学的毒性の解明や漢方薬等を用い
たカネミ油症の治療法の開発等が行われている。

2.研究事業の成果
油症患者の長期死亡リスクについて再評価を行うことを目的に、油症患者の生存・死
亡情報をアップデートした。また、検診受診者について、血液中の PCDF 等(ダイオキシ
ン類)の濃度を継続的に測定するとともに、血液中 PCB 分析の精度管理についてデータ
解析を行い、定量分析が適切に実施されていることを確認した。さらに、基礎的研究に
おいては、ダイオキシン類の受容体である AHR(Arylhydrocarbon Receptor)の働きに着
目した実験を継続して行うとともに、気道上皮では SIRPα(シグナル調節蛋白α)が炎
症制御の新たな標的となり得ることを示唆する結果等が得られた。これらの成果は、今
後の予防・診断・介入の基盤となるものであり、ダイオキシン類の影響のさらなる解明
や、将来的な油症の治療等への活用が期待される。

3.成果の評価
カネミ油症の診断・治療等に係る技術の向上やその成果の普及、活用及び発展を図るた
めの研究が推進されており、行政的意義が大きく、また油症患者等にとっても極めて重
要である。研究事業の成果は、患者、医療従事者に直接的に提供されるなど、効率的に
研究から施策への移行がなされた。

4.改善すべき点及び今後の課題
カネミ油症の疫学調査や漢方薬等カネミ油症の症状を緩和する可能性のある新たな治療
薬などについても研究を進める必要がある。

5.総合評価
研究事業の目的・目標の達成に向けて実施された令和6年度の研究課題について、

不十分な成果となった課題がなく、特筆すべき成果が
あるなど計画を上回る成果が得られた。



不十分な成果となった課題がなく、計画どおり順調な
成果が得られた。
一部不十分な成果となった研究課題はあるものの、概
ね計画どおり順調な成果が得られた。
不十分な成果となった研究課題が多く、研究事業全体
として不十分な成果であった。

と判断される。

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