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【資料2-3】厚生労働科学研究の成果に関する評価(案)(令和6年度報告書) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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令和6年度

免疫アレルギー疾患政策研究事業「成果に関する評価」
(73,947 千円)

1.研究事業の概要
本研究事業では、「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」や、「リウマチ
等対策委員会報告書」に基づき、リウマチ・アレルギー疾患対策の施策に資する研究
を、「免疫アレルギー疾患研究 10 か年戦略」に基づいて実施することで、総合的な免疫
アレルギー疾患対策を推進するために必要な科学的基盤を構築する。10 か年戦略のう
ち、当事業では特に戦略2「社会の構築」において、免疫アレルギー疾患領域における
研究の現状を正確に把握し、疫学調査、研究者連携、臨床研究等を長期的かつ戦略的に
推進する。

2.研究事業の成果
免疫アレルギー疾患研究 10 か年戦略の中間評価を行うための、「免疫アレルギー疾患
研究 10 か年戦略」の推進に関する中間報告書(案)が作成された。アレルギー疾患の成
果物としては、金属アレルギー診療と管理の手引き、喘息吸入・鼻噴霧薬指導用の elearning 用資材が開発された。また、アレルギー疾患の医療提供体制の課題点や、成人
食物アレルギー患者の増加、医療アクセスに対する問題点についてまとめられた。関節
リウマチ関連の成果物としては、「関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA) (少
関節炎型・多関節炎型)、全身性エリテマトーデス(SLE)の遠隔医療の確立に向けた提
言」ならびに、講談社「はたらく細胞」と連携した「関節リウマチ・若年性特発性関節
炎における関節炎の病態と抗リウマチ薬の作用機序」が作成された。

3.成果の評価
本研究事業における成果は、いずれも当初の目標を達成しており、実効性の高い内容
であった。アレルギー疾患や関節リウマチといったニーズの大きなテーマにおいて、研
究班の密な連携と、研究事業担当者との定期的な意見交換により、政策への応用可能な
成果を効果的に得ることができた。また、診療現場に直結する実践的な成果(金属アレ
ルギーの手引き、遠隔医療に関する提言、疾患を解説する資材など)は、今後の医療提
供体制の整備や医師の診療への活用に大きく期待される。「免疫アレルギー疾患研究 10
か年戦略」の中間評価報告書(案)は、アレルギー疾患対策推進協議会の中で評価さ
れ、中間評価報告書の取りまとめに大いに貢献した。
更に、研究者は専門性が高く、協力体制も円滑であり、質の高い成果を生み出してい
た。若手研究者の積極的な参画もみられ、今後の人材育成にも資する形となっていた。
持続的・発展的な研究体制の構築に寄与している点でも評価できた。

4.改善すべき点及び今後の課題
食物アレルギーは、疾病構造が変化し続けており、特に成人例の実態把握と医療体制
の整備をすすめるのにあたり、令和7年度以降の研究に継承していく必要がある。関節
リウマチについては、これまで情報提供資材を発出しているが、実際に活用されている
か社会実装の評価が求められる。
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