よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【資料2-3】厚生労働科学研究の成果に関する評価(案)(令和6年度報告書) (36 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

令和6年度

移植医療基盤整備研究事業「成果に関する評価」
(51,432 千円)

1.研究事業の概要
移植医療は、患者にとって疾患の根治を目指す重要な治療法である一方で、任意・善意
の下でのドナーによって初めて成立する医療でもあり、その意思を最大限尊重する必要
がある。ドナーやレシピエントにかかる身体的・心理的・経済的負担を軽減することが
移植医療における大きな課題であり、また、ドナーの安全性を確保しつつ、適切な提供
の推進を図ることが必要不可欠であり、そのための研究を推進する。

2.研究事業の成果
臓器移植領域:意思表示行動メカニズムに基づく対話支援ツールを開発し、教育現場で
検証し、対話行動の誘発効果を確認した。脳死下臓器提供を前提とした転院搬送のため
の施設連携体制を構築し、稼動に向けたシミュレーションにより、今後の実践のための
課題を抽出した。法的脳死判定マニュアルを改訂し、法的脳死判定マニュアル 2024 を発
刊した。
造血幹細胞移植領域:臍帯血に必要な HLA 検査に NGS-タイピングを導入し、従来の
Luminex 法によるタイピングと比較することで、臨床的な有用性の検証を実施した。ま
た、骨髄バンクと協議を行い、持続型 G-CSF を非血縁ドナーに導入することとなった。

3.成果の評価
「臓器の移植に関する法律」、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する
法律」の中では、レシピエント・ドナー両者にとって安心・公正な医療基盤を確立する
ことが求められている。臓器移植分野においては、提供施設と移植施設及びあっせん機
関等における課題やニーズを調査し、現場の実態を踏まえた効率的な研究が行われた。
造血幹細胞移植分野では、提供・採取に至りやすいドナーの調査、ドナー安全研修会の
教材作成、臍帯血バンクの実態調査等が行われ、得られた結果が関係機関に共有され
て、移植医療基盤の改善に役立てられた。

4.改善すべき点及び今後の課題
臓器移植分野では、臓器提供に関わる解説書やマニュアルのより幅広い層に向けた活
用を目的として医療従事者に対する移植医療の教育や啓発に取り組んでいく必要があ
る。
また、一般人のみならず、医療系の学生においてもさらなる移植医療の教育や啓発が
望まれる。
造血幹細胞移植分野では、移植を必要とする患者に最適な時期に、ドナーおよびレシピ
エント双方の安全性を担保して造血幹細胞を提供できる機会が確保されるべきである。

33