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【資料2-3】厚生労働科学研究の成果に関する評価(案)(令和6年度報告書) (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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令和6年度

認知症政策研究事業「成果に関する評価」
(122,608 千円)

1.研究事業の概要
本研究事業は、令和5年6月 14 日に成立した「共生社会の実現を推進するための認知
症基本法」の理念に沿って認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことがで
きる共生社会の実現を目的とする。具体的には、全ての認知症の人が、自らの意思によ
って日常生活・社会生活を営むことができること、意見表明・社会参画の機会の確保に
より個性・能力を十分発揮できること、本人の意向が十分尊重され良質・適切な保健医
療・福祉サービスが提供されること、本人・家族等への支援により地域で安心して日常
生活を営むことができる環境を整備すること、といった視点に基づき、政策課題への具
体的な対応方策を検討し、成果を国民に広く普及させる。

2.研究事業の成果
「感染症蔓延を考慮した認知症に対する遠隔医療およびケアを可能・促進化する研究」
(令和4~6年度)では、感染症蔓延下においても、認知症者が安心・安全に暮らせる
ように、認知症に対する医療およびケア全般がつつがなく進められるような遠隔化の方
法を示した。「いわゆる[治療可能な認知症」と呼ばれる病態を適切に鑑別診断し治療に
導くプロセスを検討する研究」(令和4~6年度)では、治療可能な認知症と呼ばれる
状態を適切に診断する鑑別技術、及びその治療プロセスを提案し、「特発性正常圧水頭
症(iNPH)と類似疾患との鑑別診断、および併存診断と治療、診療連携構築のための実
践的手引き書」の執筆・公開を通して、医療従事者に対して本来治療されるべき疾患へ
の対応プロセスを示した。「独居認知症高齢者等の地域での暮らしを安定化・永続化す
るための研究」(令和4~6年度)では、独居認知症高齢者の地域生活の継続と安定化
に資する新たなエビデンスを集積し、「エビデンスブック 2024」を執筆・公開した。独
居認知症高齢者等が一定の頻度で集いの機会を持ち、地域での疏通性を高め、さらに孤
立のリスクに直面化したときには可及的速やかにサポートを行っていく地域システムを
提案した「独居認知症高齢者等が尊厳ある暮らしを継続することができる環境づくりを
めざして」を示し、今後自治体で活用されることが期待される。

3.成果の評価
本研究事業は、認知症施策の基盤となる統計学的調査や、適時・適切な医療・介護等の
提供につながる手法の開発・検証、認知症者や介護者の実態調査をはじめ、認知症の予
防法、診断・治療法、介護モデル等の開発などを行っている。これらは、2024 年1月に
施行された認知症基本法の柱である「共生社会の実現に資する認知症に関する研究等の
推進」において、施策に係る実態把握や課題抽出等のための研究であり、政策上の課題
を解決するものであり、必要不可欠である。認知症基本法に掲げる基本的施策に基づい
て、認知症の人への地域での支援体制や、適切な医療・介護の提供、重症化予防の方
策・支援など多様なテーマを扱っており、これらの研究成果が施策に反映されること
で、認知症の発症や進行を遅らせ、認知症になっても尊厳と希望を持って日常生活を暮
らせる社会の構築に貢献する。さらに、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮
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