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2025年6月12日 全国保険医団体連合会 記者会見資料 (5 ページ)

公開元URL https://hodanren.doc-net.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/250612_press.pdf
出典情報 全国保険医団体連合会 記者会見(6/12)《全国保険医団体連合会》
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2025 年6月 12 日
内閣総理大臣 石破 茂 殿
財務大臣 加藤 勝信 殿
厚生労働大臣 福岡 資麿 殿
全国保険医団体連合会
病院・有床診療所対策部
部長 吉中 丈志
このままでは、地域から入院医療機関がなくなる!
国民の命と健康を守ることは国の責務
直ちに財政出動し、診療報酬の大幅引き上げを求める
いま、医科・歯科の医療機関は経営危機に瀕しているが、とりわけ入院医療機関は病床
利用率が 100%を超えても赤字となるなど、このままでは借入金が払えずに経営が破綻し、
入院医療機関がなくなる地域が続出してしまう。まさに、医療崩壊の危機が目前に迫って
いる。
この原因は、医療機関の経営の原資である診療報酬が長年にわたって著しく抑制されて
きたことにあり、加えて新型コロナ入院患者を受け入れた場合の支出増と収入減、物価高
騰、度重なる患者窓口負担拡大と実質賃金や年金の実質減額等による受診抑制等にある。
特に昨年の診療報酬改定では、2024 年に 2.5%、2025 年に2%のベースアップを実施す
る「ベースアップ評価料」を新設したものの、2024 年の民間企業の賃上げは大企業が 5.33%
(2024 年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況)であり格差はさらに広がっている。し
かも、大幅な物価高騰が予測される中で、診療報酬本体の改定率は 0.88%しかなく、ネッ
トではマイナス 0.12%であり、収支は大幅に悪化している。
保団連が今年2月に実施した「物価高騰に関する医療機関の緊急影響調査」
(4,658 の医
科・歯科病院・診療所が回答)では、診療報酬改定によって、
「収入が下がった」
(65.5%)、
「光熱費・材料費などが補填できていない」
(91.8%)、
「人件費が補填できていない」
(90.3%)
という状況であった。入院医療機関は、これに加えて新型コロナウイルス感染症等の院内
感染対策や地域医療構想への対応として改築や医療機器の購入などによる借入金があり、
その返済が困難な状況になっている。さらに建て替え時期になっている病院・有床診療所
も多いが、その原資がない状況である。
一方、昨年9月に発表された 2023 年度法人統計によると、企業の内部留保は過去最大の
600 兆 9,857 億円(資本金 10 億円以上の大企業だけで 539.3 兆円。計上利益は 76.3 兆円、
配当金は 32.5 兆円と過去最大)となっている。
特に大企業は、研究開発減税、連結納税制度、輸出戻し税など、税を軽減する特権的な
措置がいくつも設けられており、利益に対する大企業の実質的な法人税負担率は 10%程度
しかない。大企業に応分の負担を求めるだけで社会保障費の財源は十分に確保できる。
そもそも国民の命と暮らし、健康を守ることこそ、政府の役割である。社会保障への支
出は、消費として終わるのではなく、雇用を確保し日本経済を押し上げる効果を有する。
また、社会保障分野の「総波及効果」は公共事業よりも高く主要産業より「雇用誘発効果」
が高い。大企業に応分の負担を求めて、崩壊の危機に瀕している医療・介護をはじめとし
た社会保障に十分な財政投入を行うべきである。
こうしたことから、私たちは次の事項の実現を強く求めるものである。

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