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資料1-2-10診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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5.予後
患者は、小児期・若年成人期から生涯にわたり、進行性の結合組織脆弱性関連症状(皮膚・関節・血管・
内臓の脆弱性、疼痛など)を有し、QOL の低下を伴う。古典型 EDS では、反復性皮膚裂傷、全身関節脱臼、
疼痛により QOL が低下する。関節型 EDS では、時に進行性の全身関節弛緩による運動機能障害、反復性
脱臼、難治性疼痛、自律神経失調症、過敏性腸炎症状、慢性呼吸不全により、著しい QOL の低下を伴う
(車椅子、寝たきり)。血管型 EDS では、動脈解離・瘤・破裂を中心に、腸破裂、妊娠中の子宮破裂など臓
器破裂による若年成人死亡の危険性が高い。欧米の大規模調査では、20 歳までに 25%が、40 歳までに
80%が生命に関わる重大な合併症を生じ、死亡年齢の中央値は 48 歳である。DDEDS 筋拘縮型 EDS で
は、進行性全身骨格変形による運動機能障害・反復性巨大皮下血腫により著しい QOL の低下を伴う。(車
椅子、寝たきり)。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約 20,000 人
2. 発病の機構
不明(コラーゲン分子・修飾酵素の遺伝子変異によるが全貌は不明、関節型では原因遺伝子も不明。)
3. 効果的な治療方法
未確立(対症療法が中心である。)
4. 長期の療養
必要(全病型において進行性である。)
5. 診断基準
あり(国際専門者会議による診断基準及び研究班作成の診断基準あり。)
6. 重症度分類
1.小児例(18 歳未満)
小児慢性特定疾病の状態の程度に準ずる。
2.成人例
1)~34)のいずれかに該当する者を対象とする。
1)心疾患があり、薬物治療・手術によっても NYHA 分類で II 度以上に該当する場合。
2)(当該疾病が原因となる解離や梗塞などの)動脈合併症や消化管を含む臓器破裂を1回以上発
症した場合。
3)患者の手拳大以上の皮下血腫が年間5回以上出現した場合。(ただし、同じ場所に出現した皮下
血腫は一旦消失しないものについては1回と数えることとする。また、異所性に出現した場合に同
時発症の際は2回までカウント可とする。)。
4)modified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれか
が 3 以上を 対象とする。
○ 情報提供元
「エーラス・ダンロス症候群(主に血管型および新型)の実態把握および診療指針の確立」(EDS 班)
研究代表者 信州大学医学部附属病院遺伝子診療部 准教授 古庄知己
「デルマタン 4-O-硫酸基転移酵素-1 欠損に基づくエーラス・ダンロス症候群の病態解明と治療法の開発」

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