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身寄りのない患者を取り巻く社会的課題についての研究 報告書 (44 ページ)

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出典情報 身寄りのない患者を取り巻く社会的課題についての研究 報告書(9/24)《日本医療ソーシャルワーカー協会》
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「金融機関との連携促進に向けた取り組み」(n=13)
・金銭管理について、認知症の方は暗証番号を忘れてしまい銀行に行くことができず、パスワー
ドの再設定ができない、支払いできない事案があります。預頂金があっても、支払いできない
ことは多い。そういった時に、自治体と銀行が連携して対応していただけると助かります。
・身寄りのいない人、身体が不自由な人、理解力がない人などハンディを抱えている人が、銀行
取り引きのために現地に行かなくても、対応できる仕組みを作ってもらいたいです。皆が出歩
けるわけでもないですし、その人に関わる職員が全部行うことは(時間やマンパワー的に)で
きない実情があります。

「病院・施設との連携の橋渡し」(n=7)
・入院の期間制限の中で退院調整できないことも多く、介護施設との連携は必須です。行政には
医療と介護の橋渡し、総合的な判断と指導をお願いしたいです。
・身寄りのない患者さんの相談を市や地域包括支援センターにしますが、対応してもらえないこ
とが多い。身寄りのない患者さんを転院・施設入所させることは難しいので、養護老人ホーム
入所の相談をしますが、引き受けてもらえず困っています。スムーズに入所できるようにして
ほしい。

「高齢者等終身サポート事業者の質担保に向けた取り組み」(n=4)
・身元保証会社について、自治体の指定基準をつくるなどして認可制にしてほしい。悪徳業者を
排除するためにも一定水準を保てる仕組みが必要。
・身元保証等高齢者サポート事業の利用は増加傾向となっています。事業者によっては、対応に
疑問を感じることがあります。患者の権理を侵害しないよう、監督機関による適切な管理体制
を望みます。

「医療同意への関わり」(n=4)
・医療同意が必要な場面で行政としての対応を明確にしてほしい。
「行政の仕事ではない」と言わ
れるだけでは、医療機関として対応に困ります。
・今後、身寄りのない患者を支援するケースは増加の一途を辿ると予想され、寝たきりや老衰、
認知症など、意思決定を自ら行えない中で、医療同意の問題、(特に終末期)が喫緊の課題と思
われます。地域包括支援センターが市町村との橋渡しとなってくれていますが、さらに協働し
ていける仕組み作りが必要だと思います。

「その他」(n=55)
・スムーズな連携がはかれるような意見交換の場がほしい。
・身寄りがないという事実が、入院時に初めて分かるケースが多い。自治体が把握していること
があれば、医療機関と情報共有の場があっても良いと思います。
・身寄りのない、支払い能力のない、意思確認も難しい患者が市外から救急搬送された時に、所
在地の自治体へ連絡か、患者さんの住所地の自治体へ連絡か迷う時があるため、自治体同士で
連携を取ったりしてくれるとありがたい。
・自治体ではなく、法律、国、裁判所が早く動けばすぐに解決すると思っています。

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