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04資料2-1_森野委員提出資料(おたふくかぜワクチンファクトシート第2版) (8 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》 |
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1. 対象疾患の基本的知見
(1)疾患の特性
① 臨床症状等
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる感染症である。基本的な感染経路は唾液を
介した飛沫によるヒト-ヒト間の感染である。耳下腺腫脹の 7 日前~9 日後までの間に唾液中へのウイルス
の排出があり、感染源となる。尿中や精液中にもウイルスは排出されるので、感染源となりうる 1,2。感染
から発症までの潜伏期間は、標準的には 16 日~18 日(幅:12 日~25 日)である。ウイルスは上気道粘
膜や頸部の局所リンパ節で増殖後、一次ウイルス血症を経て唾液腺、髄膜、膵臓、精巣、卵巣、甲状腺、
腎臓、中枢神経組織などに到達し、そこで増殖して全身的な二次感染を起こし、様々な臨床症状や合併症
を引き起こす(表 1)
。 代表的な前駆症状として、発熱のほか、頭痛、倦怠感、食欲低下、嘔吐、筋肉
痛、頸部痛などがある 3,4。発熱は1日~6 日間続く。主に耳下腺の腫脹と疼痛をもって発症するので、お
たふくかぜと呼ばれているが、10%程度は舌下腺・顎下腺腫脹をきたす 3,5。耳下腺腫脹は発症後 1 日~3
日でピークとなり、その後 3 日~7 日かけてゆっくりと消退する(図 1)
。腫脹部位に疼痛があり、唾液分
泌により疼痛が増強する。稀ながら、咽頭・喉頭浮腫などの気道緊急の病態となる例もある 6,7。
総じて、おたふくかぜによる合併症は小児よりも思春期・成人においてより重篤である 3。例えば、思
春期以降になって初めてムンプスウイルスに感染すると、精巣炎(14%~35%)や卵巣炎(5%)の合併
頻度が高くなる。精巣炎を合併した患者には様々な程度の睾丸萎縮を伴い、精子数は減少するが、不妊症
の原因となるのはまれである。ムンプスウイルスは神経親和性が高く、合併症として無菌性髄膜炎は 1%
~10%に認めるが、一般に予後良好である。一方で、ムンプス脳炎(0.02%~0.5%)やムンプス難聴
(0.01%~0.5%)の場合は予後不良である 3,8。ムンプス難聴は片側性の場合が多いが、時に両側難聴と
なり、人工内耳埋込術等が必要となる場合もあり、発症時期によっては言語発達にも影響が出る 9。ムン
プス難聴の発生頻度は近年の日本における調査では、数百人から千人に 1 人の割合とも言われている 10。無菌性髄膜炎及びムンプス脳炎の発生頻度は女性より男性の方が高い。2008 年~2022 年度にわが国
12
の単施設で経験されたムンプスウイルスによる無菌性髄膜炎 138 例の検討においては、全例で 38.0 度以
上の発熱を、ついで耳下腺腫脹(92%、127 例)
、頭痛(70%、92 例)
、嘔気・嘔吐(72%、99 例)
、項部
硬直(42%、59 例)を認めた 13。第1三半期までの妊婦が感染すると流産の危険率が高くなるが、胎児
への催奇形性は報告されていない。
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(1)疾患の特性
① 臨床症状等
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる感染症である。基本的な感染経路は唾液を
介した飛沫によるヒト-ヒト間の感染である。耳下腺腫脹の 7 日前~9 日後までの間に唾液中へのウイルス
の排出があり、感染源となる。尿中や精液中にもウイルスは排出されるので、感染源となりうる 1,2。感染
から発症までの潜伏期間は、標準的には 16 日~18 日(幅:12 日~25 日)である。ウイルスは上気道粘
膜や頸部の局所リンパ節で増殖後、一次ウイルス血症を経て唾液腺、髄膜、膵臓、精巣、卵巣、甲状腺、
腎臓、中枢神経組織などに到達し、そこで増殖して全身的な二次感染を起こし、様々な臨床症状や合併症
を引き起こす(表 1)
。 代表的な前駆症状として、発熱のほか、頭痛、倦怠感、食欲低下、嘔吐、筋肉
痛、頸部痛などがある 3,4。発熱は1日~6 日間続く。主に耳下腺の腫脹と疼痛をもって発症するので、お
たふくかぜと呼ばれているが、10%程度は舌下腺・顎下腺腫脹をきたす 3,5。耳下腺腫脹は発症後 1 日~3
日でピークとなり、その後 3 日~7 日かけてゆっくりと消退する(図 1)
。腫脹部位に疼痛があり、唾液分
泌により疼痛が増強する。稀ながら、咽頭・喉頭浮腫などの気道緊急の病態となる例もある 6,7。
総じて、おたふくかぜによる合併症は小児よりも思春期・成人においてより重篤である 3。例えば、思
春期以降になって初めてムンプスウイルスに感染すると、精巣炎(14%~35%)や卵巣炎(5%)の合併
頻度が高くなる。精巣炎を合併した患者には様々な程度の睾丸萎縮を伴い、精子数は減少するが、不妊症
の原因となるのはまれである。ムンプスウイルスは神経親和性が高く、合併症として無菌性髄膜炎は 1%
~10%に認めるが、一般に予後良好である。一方で、ムンプス脳炎(0.02%~0.5%)やムンプス難聴
(0.01%~0.5%)の場合は予後不良である 3,8。ムンプス難聴は片側性の場合が多いが、時に両側難聴と
なり、人工内耳埋込術等が必要となる場合もあり、発症時期によっては言語発達にも影響が出る 9。ムン
プス難聴の発生頻度は近年の日本における調査では、数百人から千人に 1 人の割合とも言われている 10。無菌性髄膜炎及びムンプス脳炎の発生頻度は女性より男性の方が高い。2008 年~2022 年度にわが国
12
の単施設で経験されたムンプスウイルスによる無菌性髄膜炎 138 例の検討においては、全例で 38.0 度以
上の発熱を、ついで耳下腺腫脹(92%、127 例)
、頭痛(70%、92 例)
、嘔気・嘔吐(72%、99 例)
、項部
硬直(42%、59 例)を認めた 13。第1三半期までの妊婦が感染すると流産の危険率が高くなるが、胎児
への催奇形性は報告されていない。
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