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04資料2-1_森野委員提出資料(おたふくかぜワクチンファクトシート第2版) (17 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》 |
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② 重症者・死亡者数
おたふくかぜ患者が重症化あるいは死に至ることはまれとされている 17。全国、約 20,000 の内科、泌尿
器科、皮膚泌尿器科、皮膚科、小児科、産科・産婦人科、耳鼻咽喉科を対象とした日本国内のアンケート
調査(回収率 41.0%)によると、2004 年 1 年間に 1,616 人の入院例が報告された。合併症を併発した入院
例は 5 歳がピークであった。アンケートに回答があった診療科のうち入院・死亡が報告された診療科は小
児科が 74.9%と最も多く、次いで多かったのが泌尿器科であった。合併症として最も頻度が高かった症状
または病態は、髄膜炎で、次いで精巣炎、熱性けいれん、難聴、経口摂取不良、膵炎、精巣上体炎、喉頭
浮腫・呼吸困難、髄膜脳炎、脊髄炎等の重症の合併症例が報告された。翌 2005 年に同一の医療機関に対
して、同様の全国調査(回収率 31.4%)が実施され、632 人のおたふくかぜに関連した入院例が報告され
た 60。
2015 年~2016 年のおたふくかぜ流行時の 2 年間に、国内の耳鼻咽喉科を標榜する 5,565 施設に対する
アンケート調査が行われ、3,906 施設から回答を得た(回答率 70%)
。その結果、少なくとも 356 人がム
ンプス難聴に罹患し、そのうち詳細な検討が実施された 335 例中、一側性難聴が 320 例、両側性難聴が
15 例であり、高度以上の難聴が残存していた症例はそれぞれ 290 例、12 例であった。継続的な症例観察
が実施できた 203 例中 55 例で聴力の悪化を認め、うち 52 例は重度難聴の経過を辿っていた。改善が認め
られた症例は 11 例のみであった。
おたふくかぜ合併症の発生率は、JMDC データベースを用いた 2002 年~2017 年の Ohfuji らの調査に
おいて、おたふくかぜ症例 1,000 例あたり精巣炎 6.6、髄膜炎 5.8、難聴 1.3、膵炎 0.5、脳炎 0.3 であった
。
54
2.予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性
(1)接種の目的
おたふくかぜワクチン導入の目的は、おたふくかぜの発生頻度を減少させ、ムンプス脳炎やムンプス難
聴などの重篤な合併症を減少させることにある。本疾病は 5 類感染症定点把握疾患に定められており、
飛沫による気道感染のためヒト-ヒト間の伝播力は比較的強く(基本再生産数 4-7)61、容易に家族内感
染、施設内感染を起こす。発症者の多くが特異的な治療を施さなくても自然に治癒軽快することもあり、
深刻な健康被害を被った症例の存在が一般に認知されていない。しかしながら、ムンプス難聴などの重篤
で後遺症の影響が生涯に及ぶ合併症がまれならず存在する。ヒト以外にムンプスウイルスの自然宿主が存
在せず、生ワクチンによる感染防御効果が高い感染症である。世界保健機関(WHO) はおたふくかぜ含
有ワクチンの接種は、ムンプス関連の疾病を予防する上で最も効果的かつ確立された手段であり、ムンプ
ス関連の疾病負荷減少が公衆衛生的に優先度の高い国々においては、おたふくかぜ含有ワクチンを公的予
防接種に含めることも考慮され、その場合は麻しん風しん混合ワクチン(MR ワクチン)と混合した
MMR ワクチンの使用を推奨するとしている 41。
(2) 使用可能な製剤(研究開発中の製剤や、国内既承認薬等も含む)
① 認可使用されている製剤
1)諸外国のおたふくかぜワクチン開発の歴史 62
世界最初の生ワクチン株は、Hillemann らによって開発された Jeryl-Lynn 株(遺伝子型 A)である(表
5)。この株は 1967 年アメリカで承認され、世界で最も広く用いられているワクチン株となっている。
17
おたふくかぜ患者が重症化あるいは死に至ることはまれとされている 17。全国、約 20,000 の内科、泌尿
器科、皮膚泌尿器科、皮膚科、小児科、産科・産婦人科、耳鼻咽喉科を対象とした日本国内のアンケート
調査(回収率 41.0%)によると、2004 年 1 年間に 1,616 人の入院例が報告された。合併症を併発した入院
例は 5 歳がピークであった。アンケートに回答があった診療科のうち入院・死亡が報告された診療科は小
児科が 74.9%と最も多く、次いで多かったのが泌尿器科であった。合併症として最も頻度が高かった症状
または病態は、髄膜炎で、次いで精巣炎、熱性けいれん、難聴、経口摂取不良、膵炎、精巣上体炎、喉頭
浮腫・呼吸困難、髄膜脳炎、脊髄炎等の重症の合併症例が報告された。翌 2005 年に同一の医療機関に対
して、同様の全国調査(回収率 31.4%)が実施され、632 人のおたふくかぜに関連した入院例が報告され
た 60。
2015 年~2016 年のおたふくかぜ流行時の 2 年間に、国内の耳鼻咽喉科を標榜する 5,565 施設に対する
アンケート調査が行われ、3,906 施設から回答を得た(回答率 70%)
。その結果、少なくとも 356 人がム
ンプス難聴に罹患し、そのうち詳細な検討が実施された 335 例中、一側性難聴が 320 例、両側性難聴が
15 例であり、高度以上の難聴が残存していた症例はそれぞれ 290 例、12 例であった。継続的な症例観察
が実施できた 203 例中 55 例で聴力の悪化を認め、うち 52 例は重度難聴の経過を辿っていた。改善が認め
られた症例は 11 例のみであった。
おたふくかぜ合併症の発生率は、JMDC データベースを用いた 2002 年~2017 年の Ohfuji らの調査に
おいて、おたふくかぜ症例 1,000 例あたり精巣炎 6.6、髄膜炎 5.8、難聴 1.3、膵炎 0.5、脳炎 0.3 であった
。
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2.予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性
(1)接種の目的
おたふくかぜワクチン導入の目的は、おたふくかぜの発生頻度を減少させ、ムンプス脳炎やムンプス難
聴などの重篤な合併症を減少させることにある。本疾病は 5 類感染症定点把握疾患に定められており、
飛沫による気道感染のためヒト-ヒト間の伝播力は比較的強く(基本再生産数 4-7)61、容易に家族内感
染、施設内感染を起こす。発症者の多くが特異的な治療を施さなくても自然に治癒軽快することもあり、
深刻な健康被害を被った症例の存在が一般に認知されていない。しかしながら、ムンプス難聴などの重篤
で後遺症の影響が生涯に及ぶ合併症がまれならず存在する。ヒト以外にムンプスウイルスの自然宿主が存
在せず、生ワクチンによる感染防御効果が高い感染症である。世界保健機関(WHO) はおたふくかぜ含
有ワクチンの接種は、ムンプス関連の疾病を予防する上で最も効果的かつ確立された手段であり、ムンプ
ス関連の疾病負荷減少が公衆衛生的に優先度の高い国々においては、おたふくかぜ含有ワクチンを公的予
防接種に含めることも考慮され、その場合は麻しん風しん混合ワクチン(MR ワクチン)と混合した
MMR ワクチンの使用を推奨するとしている 41。
(2) 使用可能な製剤(研究開発中の製剤や、国内既承認薬等も含む)
① 認可使用されている製剤
1)諸外国のおたふくかぜワクチン開発の歴史 62
世界最初の生ワクチン株は、Hillemann らによって開発された Jeryl-Lynn 株(遺伝子型 A)である(表
5)。この株は 1967 年アメリカで承認され、世界で最も広く用いられているワクチン株となっている。
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