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04資料2-1_森野委員提出資料(おたふくかぜワクチンファクトシート第2版) (25 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》 |
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として利用されてきたが、ワクチン接種が普及した後では世界的に遺伝子型 G が主流となった 105。一方、
他の地域とは異なり、隣国の中国では遺伝子型 F が主流となっている 106。これらの流行状況を分子疫学的
に解析した報告では、ワクチンの有用性について、下記のような考察がなされている。
2016 年と 2017 年にアメリカで発生したおたふくかぜの大規模なアウトブレイクの分子疫学的研究では、
遺伝子型 G の複数の系統が地域内で持続的に循環していることが確認された 107。この研究では、流行株に
免疫を回避するアミノ酸変異について直接的な遺伝子学的証拠が確認されず、疫学的な情報からワクチン接
種後の時間経過に伴う免疫低下の可能性が示唆されていた 107。一方、カナダにおける分子疫学的研究では、
この研究で特定された非同義置換を持つムンプスウイルスに感染するオッズ比は、MMR ワクチンを 1 回の
み接種した人で 8.0[95%CI: 2.3, 27.3]倍高かった(p 値<0.001)
。信頼区間が広いことに留意する必要は
あるが、流行株である遺伝子型 G がワクチンに対する免疫を回避している可能性が推測できる 108。実際に、
MMR ワクチンを 2 回接種した人の中和抗体を評価した研究では、Jeryl-Lynn 株(ワクチン株)に対する中
和抗体価(平均:217[95%CI: 174, 270]
)と比較して、遺伝子型 G のウイルス株(流行株)に対する中和
抗体価(平均:35[95%CI: 27, 45]
)は、有意(p 値<0.0001)に低かった 109。このように、明らかに遺伝
子型 G に対する中和抗体の活性が低かったことは、ワクチン接種により野生株の感染を抑制できない可能
性が示唆される。したがって、現行のワクチン接種が現在の流行株に対して十分な効果を誘導できるかどう
かについては、今後、様々な視点で詳細に検討する必要もある。
一方、ムンプスウイルスワクチン株の遺伝子型と、流行株に対する交差免疫応答との関係については、複
数の研究が報告されている。遺伝子型 B の Hoshino 株ワクチン接種後のヒト血清を用いた検討では、遺伝
子型 B・G・K・L 間の中和抗体価に有意差は認められなかったと報告されている 67。また、遺伝子型 A の
RIT-4385 株を含むワクチンを接種した小児では、ムンプスウイルス遺伝子型 G に対する抗体陽転率は
77.1% [95%CI: 62.7%, 88.0%]であったのに対し、遺伝子型 B の Hoshino 株ワクチンを接種した小児では
65.3% [95%CI: 50.4%, 78.3%]であり、同研究では RIT-4385 株を含むワクチン接種群の方が遺伝子型 G に
対して高い抗体応答を示した 95。さらには、健康な 1 歳の日本人小児を対象とした第3相試験では、遺伝子
型AのRIT-4385株を含むワクチン接種群における遺伝子型Gに対する抗体陽転率は75.7% [95%CI: 71.3%,
79.7%]であったのに対し、遺伝子型 B の Hoshino 株おたふくかぜワクチン接種群では 82.0% [95%CI:
78.0%, 85.5%]であり、Hoshino 株ワクチン接種群の方がやや高い値を示した 110。このように、遺伝子型 G
の流行株に対する交差中和抗体応答については、研究によって異なる結果が報告されている。これらの研究
は、使用した血清、対象集団、ワクチン株、評価指標が異なるため、遺伝子型 A ワクチンと遺伝子型 B ワ
クチンのいずれが遺伝子型G に対してより有効であるかを、
現時点で一概に結論づけることは困難である。
したがって、現在流行している遺伝子型 G 野外株に対する各ワクチン株の免疫原性および臨床的有効性に
ついては、今後さらに検討すべき課題である。また前述(④ 検査法 1)血清学的検査法)のとおり、評価系
や方法論に留意しなければならない。例えば、ワクチン株のウイルス粒子に対する抗体の濃度は、中和活性
に相関しないことが示されている 25,32,111。したがって、全ウイルス粒子や NP に対する抗体価の結果は、ワ
クチンの効果を過大評価してしまう可能性があることを念頭に置く必要がある。
このように、分子疫学的側面から流行株の動向を詳細に分析し、分子進化学的側面からそれらのウイルス
の性状(抗原性など)を理解することは、流行しているムンプスウイルスに対するワクチンの効果を検証す
ることにおいて重要な知見となる。しかしながら、現時点では、流行株(遺伝子型 G および F)に対するワ
クチン株(遺伝子型 A および B)の効果についての評価や見解は様々である。このように、ワクチンの効果を
適正に評価するためには、ゲノムサーベイランスは不可欠である。また、流行期だけでなく小康状態の期間
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他の地域とは異なり、隣国の中国では遺伝子型 F が主流となっている 106。これらの流行状況を分子疫学的
に解析した報告では、ワクチンの有用性について、下記のような考察がなされている。
2016 年と 2017 年にアメリカで発生したおたふくかぜの大規模なアウトブレイクの分子疫学的研究では、
遺伝子型 G の複数の系統が地域内で持続的に循環していることが確認された 107。この研究では、流行株に
免疫を回避するアミノ酸変異について直接的な遺伝子学的証拠が確認されず、疫学的な情報からワクチン接
種後の時間経過に伴う免疫低下の可能性が示唆されていた 107。一方、カナダにおける分子疫学的研究では、
この研究で特定された非同義置換を持つムンプスウイルスに感染するオッズ比は、MMR ワクチンを 1 回の
み接種した人で 8.0[95%CI: 2.3, 27.3]倍高かった(p 値<0.001)
。信頼区間が広いことに留意する必要は
あるが、流行株である遺伝子型 G がワクチンに対する免疫を回避している可能性が推測できる 108。実際に、
MMR ワクチンを 2 回接種した人の中和抗体を評価した研究では、Jeryl-Lynn 株(ワクチン株)に対する中
和抗体価(平均:217[95%CI: 174, 270]
)と比較して、遺伝子型 G のウイルス株(流行株)に対する中和
抗体価(平均:35[95%CI: 27, 45]
)は、有意(p 値<0.0001)に低かった 109。このように、明らかに遺伝
子型 G に対する中和抗体の活性が低かったことは、ワクチン接種により野生株の感染を抑制できない可能
性が示唆される。したがって、現行のワクチン接種が現在の流行株に対して十分な効果を誘導できるかどう
かについては、今後、様々な視点で詳細に検討する必要もある。
一方、ムンプスウイルスワクチン株の遺伝子型と、流行株に対する交差免疫応答との関係については、複
数の研究が報告されている。遺伝子型 B の Hoshino 株ワクチン接種後のヒト血清を用いた検討では、遺伝
子型 B・G・K・L 間の中和抗体価に有意差は認められなかったと報告されている 67。また、遺伝子型 A の
RIT-4385 株を含むワクチンを接種した小児では、ムンプスウイルス遺伝子型 G に対する抗体陽転率は
77.1% [95%CI: 62.7%, 88.0%]であったのに対し、遺伝子型 B の Hoshino 株ワクチンを接種した小児では
65.3% [95%CI: 50.4%, 78.3%]であり、同研究では RIT-4385 株を含むワクチン接種群の方が遺伝子型 G に
対して高い抗体応答を示した 95。さらには、健康な 1 歳の日本人小児を対象とした第3相試験では、遺伝子
型AのRIT-4385株を含むワクチン接種群における遺伝子型Gに対する抗体陽転率は75.7% [95%CI: 71.3%,
79.7%]であったのに対し、遺伝子型 B の Hoshino 株おたふくかぜワクチン接種群では 82.0% [95%CI:
78.0%, 85.5%]であり、Hoshino 株ワクチン接種群の方がやや高い値を示した 110。このように、遺伝子型 G
の流行株に対する交差中和抗体応答については、研究によって異なる結果が報告されている。これらの研究
は、使用した血清、対象集団、ワクチン株、評価指標が異なるため、遺伝子型 A ワクチンと遺伝子型 B ワ
クチンのいずれが遺伝子型G に対してより有効であるかを、
現時点で一概に結論づけることは困難である。
したがって、現在流行している遺伝子型 G 野外株に対する各ワクチン株の免疫原性および臨床的有効性に
ついては、今後さらに検討すべき課題である。また前述(④ 検査法 1)血清学的検査法)のとおり、評価系
や方法論に留意しなければならない。例えば、ワクチン株のウイルス粒子に対する抗体の濃度は、中和活性
に相関しないことが示されている 25,32,111。したがって、全ウイルス粒子や NP に対する抗体価の結果は、ワ
クチンの効果を過大評価してしまう可能性があることを念頭に置く必要がある。
このように、分子疫学的側面から流行株の動向を詳細に分析し、分子進化学的側面からそれらのウイルス
の性状(抗原性など)を理解することは、流行しているムンプスウイルスに対するワクチンの効果を検証す
ることにおいて重要な知見となる。しかしながら、現時点では、流行株(遺伝子型 G および F)に対するワ
クチン株(遺伝子型 A および B)の効果についての評価や見解は様々である。このように、ワクチンの効果を
適正に評価するためには、ゲノムサーベイランスは不可欠である。また、流行期だけでなく小康状態の期間
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