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04資料2-1_森野委員提出資料(おたふくかぜワクチンファクトシート第2版) (4 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》 |
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要 約
1. 対象疾患の基本的知見
(1) 疾患の特性
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる感染症で、主に唾液を介した飛沫で感染す
る。潜伏期間は多くは 16 日~18 日(幅:12 日~25 日)で、耳下腺を含む唾液腺、髄膜、膵臓、精巣、
卵巣などに感染が広がり、発熱、頭痛、倦怠感、耳下腺の腫脹と疼痛などの多彩な症状を引き起こす。合
併症は概して思春期・成人が小児より重篤であり、無菌性髄膜炎やムンプス脳炎、ムンプス難聴のほか、
思春期以降の男性での精巣炎、女性での卵巣炎も発生することがある。特にムンプス難聴は片側性が多い
が、両側性の場合もあり、人工内耳が必要になることもある。妊婦が感染すると流産のリスクが高まる
が、これまでのところ胎児への催奇形性は報告されていない。一方で、約 30%の症例は不顕性感染である
と報告されているため、症状が現れない場合でも感染源となりうる点で注意が必要である。また、類似の
病態をとる鑑別疾患には、反復性耳下腺炎、化膿性耳下腺炎、頸部リンパ節炎などがあるが、特におたふ
くかぜ非流行期における鑑別には微生物学的な検査診断が極めて重要である。
ムンプスウイルス検査法においては目的に応じて、血清学的検査法、ウイルス学的検査法、生化学検査
法を用いる。血清学的検査法において、それぞれ短所長所をもち、方法論によっては結果の意義と解釈が
異なることに留意しなければならない。このことから、試験の目的を考慮して適切な方法を選択する必要
がある。ウイルス学的検査法についても、抗原検出、野外株とワクチン株との鑑別、系統解析等といった
目的に応じた方法を選択する必要がある。生化学的検査法については、ムンプスウイルス感染により血液
および尿中のアミラーゼが顕著に上昇することから、この測定により膵炎や頸部リンパ節炎との鑑別が可
能である。
ムンプスウイルスに対しては、完全に流行を阻止することはできないが、予防効果のある生ワクチンの
接種が有効であり、定期接種が行われている国では患者数が激減している。
(2)疫学状況
おたふくかぜは小児科定点報告疾患で、流行性耳下腺炎として報告される。感染症発生動向調査による
と、国内では 3 年~4 年周期で全国流行が確認されていた。1989 年に MMR ワクチンが定期接種で選択
可能となり一時的に患者数が減少したが、1993 年に MMR ワクチンの接種が中止され、その後、4 年~5
年毎の全国流行を繰り返した。2018 年以降は報告数が減少傾向となり、その後流行はみられなかった。
2004 年~2022 年の報告では、3 歳~7 歳の症例が全体の 70%を占めていたが、報告数全体が減少し、相
対的に 10 歳代の割合が増加した。2016 年~2020 年の感染症発生動向調査データを基にした国内の年間
推定患者数は、2016 年が最多で、87.2 万人[95%信頼区間(CI): 79.4, 95.0]であった。
2024 年度感染症流行予測調査(速報値)によると、接種歴不明者を含む全体のおたふくかぜ含有ワク
チンの接種率は 18.6%であった。国内血清銀行血清を用いた研究では、2012 年~2013 年における抗体保
有率は、10 歳~14 歳の年齢層で 72%、成人(20 歳以上)で 50%~70%であった。
米国では、2018 年~2023 年におたふくかぜ症例が 8,006 例報告され、カナダでは、2001 年~2020 年
に 7,395 例のおたふくかぜ症例が報告された。中国本土では、2017 年~2021 年に年間平均人口 10 万あ
たり 15.16 名が報告された。
おたふくかぜは比較的軽症と考えられているが、2004 年および 2005 年に実施した国内のアンケート調
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1. 対象疾患の基本的知見
(1) 疾患の特性
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる感染症で、主に唾液を介した飛沫で感染す
る。潜伏期間は多くは 16 日~18 日(幅:12 日~25 日)で、耳下腺を含む唾液腺、髄膜、膵臓、精巣、
卵巣などに感染が広がり、発熱、頭痛、倦怠感、耳下腺の腫脹と疼痛などの多彩な症状を引き起こす。合
併症は概して思春期・成人が小児より重篤であり、無菌性髄膜炎やムンプス脳炎、ムンプス難聴のほか、
思春期以降の男性での精巣炎、女性での卵巣炎も発生することがある。特にムンプス難聴は片側性が多い
が、両側性の場合もあり、人工内耳が必要になることもある。妊婦が感染すると流産のリスクが高まる
が、これまでのところ胎児への催奇形性は報告されていない。一方で、約 30%の症例は不顕性感染である
と報告されているため、症状が現れない場合でも感染源となりうる点で注意が必要である。また、類似の
病態をとる鑑別疾患には、反復性耳下腺炎、化膿性耳下腺炎、頸部リンパ節炎などがあるが、特におたふ
くかぜ非流行期における鑑別には微生物学的な検査診断が極めて重要である。
ムンプスウイルス検査法においては目的に応じて、血清学的検査法、ウイルス学的検査法、生化学検査
法を用いる。血清学的検査法において、それぞれ短所長所をもち、方法論によっては結果の意義と解釈が
異なることに留意しなければならない。このことから、試験の目的を考慮して適切な方法を選択する必要
がある。ウイルス学的検査法についても、抗原検出、野外株とワクチン株との鑑別、系統解析等といった
目的に応じた方法を選択する必要がある。生化学的検査法については、ムンプスウイルス感染により血液
および尿中のアミラーゼが顕著に上昇することから、この測定により膵炎や頸部リンパ節炎との鑑別が可
能である。
ムンプスウイルスに対しては、完全に流行を阻止することはできないが、予防効果のある生ワクチンの
接種が有効であり、定期接種が行われている国では患者数が激減している。
(2)疫学状況
おたふくかぜは小児科定点報告疾患で、流行性耳下腺炎として報告される。感染症発生動向調査による
と、国内では 3 年~4 年周期で全国流行が確認されていた。1989 年に MMR ワクチンが定期接種で選択
可能となり一時的に患者数が減少したが、1993 年に MMR ワクチンの接種が中止され、その後、4 年~5
年毎の全国流行を繰り返した。2018 年以降は報告数が減少傾向となり、その後流行はみられなかった。
2004 年~2022 年の報告では、3 歳~7 歳の症例が全体の 70%を占めていたが、報告数全体が減少し、相
対的に 10 歳代の割合が増加した。2016 年~2020 年の感染症発生動向調査データを基にした国内の年間
推定患者数は、2016 年が最多で、87.2 万人[95%信頼区間(CI): 79.4, 95.0]であった。
2024 年度感染症流行予測調査(速報値)によると、接種歴不明者を含む全体のおたふくかぜ含有ワク
チンの接種率は 18.6%であった。国内血清銀行血清を用いた研究では、2012 年~2013 年における抗体保
有率は、10 歳~14 歳の年齢層で 72%、成人(20 歳以上)で 50%~70%であった。
米国では、2018 年~2023 年におたふくかぜ症例が 8,006 例報告され、カナダでは、2001 年~2020 年
に 7,395 例のおたふくかぜ症例が報告された。中国本土では、2017 年~2021 年に年間平均人口 10 万あ
たり 15.16 名が報告された。
おたふくかぜは比較的軽症と考えられているが、2004 年および 2005 年に実施した国内のアンケート調
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