よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


04資料2-1_森野委員提出資料(おたふくかぜワクチンファクトシート第2版) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

。核タンパク質(NP)は免疫原性が高く、NP に対する抗体は感染初期でも誘導されるが、ウイルス

25,31,32

を中和する抗体を誘導する能力は小さい。このことから、抗 NP 抗体の検出は、診断や感染既往歴の検査
や調査などに適しているが、感染防御の指標にすることには問題がある。また、全ウイルス粒子を標的とし
た ELISA で試験した抗体価の結果は、NP に対する抗体の影響を受けることを考慮すべきである。一方、
ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)タンパク質に対する抗体はウイルス中和に重要であり、抗 HN タ
ンパク質抗体の検出はワクチン効果やウイルス感染抑制能を評価することに適しているとされている。し
かしながら、抗 HN 抗体価と中和抗体価が完全に相関していることはないので、ウイルス感染抑制効果は
抗体価より NT 法の結果を参考にすることが望ましい。このように、血清学的検査では試験する目的を考
慮して NT 法や ELISA 法などの方法を決定し、試験に用いる抗原やウイルス株を適切に選択する必要があ
る。

表 2. ムンプスウイルス血清学的検査法
診断方法
補体結合(CF)試験
赤血球凝集抑制(HI)試験
ウイルス中和(NT)試験
ELISA 試験

機 材
補体
感作赤血球
ムンプスウイルス
モルモット赤血球
ムンプスウイルス
培養細胞
市販キット
マイクロプレートリーダー

手 技

感 度

やや煩雑

低い

容易

やや低い

煩雑

高い

容易

高い

2)ウイルス学的検査法
ムンプスウイルスは1本鎖マイナスRNA をゲノムとして持つパラミクソウイルス科オルソルブラウイル
ス属のウイルスである 33。患者の唾液、口腔スワブ、髄液などから、ムンプスウイルスを検出する方法とし
て、リアルタイム PCR や Loop-mediated Isothermal Amplification(LAMP)法などによるウイルス遺伝子
検出法、あるいは組織免疫染色により感染細胞のウイルス抗原を検出する方法などあり、いずれかでも陽性
の場合は、検体中にムンプスウイルスが含まれていると判断する 34-39。特にリアルタイム PCR は比較的手
技が容易であることから確定診断のための手法としてしばしば用いられている。LAMP 法は、国産で開発
された等温遺伝子増幅法であり、鋳型 2 本鎖 DNA の 1 本鎖への変性ステップを含めて増幅、検出のすべ
ての反応を等温で行うことができる簡易な手法である。一方で、増幅産物をシークエンシングの鋳型とし
て用いることが困難であるため、遺伝子解析には適していない。
ムンプスウイルス遺伝子のうち最も小さい SH 遺伝子(316 塩基)は多型性に富んでおり、その塩基配列
を基にして 2024 年現在で A から M(E と M は除く)まで 12 種類の遺伝子型が報告されている 33,40,41。SH
遺伝子を含む領域をコンベンショナル RT-PCR で増幅し、サンガーシークエンス法で塩基配列を決定する
ことで遺伝子型を同定できる 42,43。同定した遺伝子から系統学的解析が可能であるだけでなく、検出された
ウイルスが野外株かワクチン株かを鑑別することが可能である。
臨床検体からの病原ウイルスの分離・同定は,ウイルス感染の実験室診断において最も重要な手法であ
る。ムンプスウイルスの場合、患者の唾液、口腔スワブ、髄液などを、適切な細胞培養系(Vero 細胞など)に

11