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04資料2-1_森野委員提出資料(おたふくかぜワクチンファクトシート第2版) (10 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》 |
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② 不顕性感染
表 1 に示された各症状は必ずしも現れるものではなく、耳下腺の腫脹や痛みがなく、無菌性髄膜炎、精
巣炎、膵炎などを主徴とする場合もある 1,3,4,8,14。またムンプス難聴を調査した報告では、約 2 割が不顕性
感染であった 15。2 歳以下の顕性感染の場合、約 20%は発熱がなく、耳下腺等の腫脹のみで経過する。
全年齢を平均化した不顕性感染率は約 30%であるが、乳児に多く、年齢が高くなるにつれて顕性感染率は
上昇し、1 歳では 20%、4 歳以上では 90%程度が発症するという報告もある 16。不顕性感染例も唾液中に
ウイルスを排出しており感染源になる 17。一方で米国でのおたふくかぜアウトブレイク時の調査で、おた
ふくかぜワクチン既接種者において無症候患者にはムンプスウイルスは検出されなかったとする報告もあ
る 18。
③ 鑑別を要する他の疾患
おたふくかぜ流行時に片側もしくは両側の耳下腺腫脹を呈するような典型例の場合には、臨床診断が容
易であるが、非流行時の急性耳下腺腫脹では、検査診断なく他疾患との鑑別は容易ではないことも多い。
反復性耳下腺炎、化膿性耳下腺炎、頸部リンパ節炎、唾石症、耳下腺腫瘍、シェーグレン症候群、薬剤性
が代表的な鑑別疾患となる 3,4,19,20。こうした鑑別疾患のうち、感染性のものの原因微生物として、コクサ
ッキーウイルス、パラインフルエンザウイルス1型/2 型/3 型、インフルエンザウイルス A、ヒトヘルペ
スウイルス 6B 型(HHV-6B)
、Epstein Barr ウイルス(EBV)
、単純ヘルペスウイルス 1 型/2 型、アデノ
ウイルス、パルボウイルス B19、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)な
どの感染による場合がある 21,22。また、耳下腺腫脹を伴わない無菌性髄膜炎・脳炎・髄膜脳炎、膵炎、精
巣炎、卵巣炎、甲状腺炎、腎炎、感音性難聴などの原因として、周囲の流行状況からムンプスウイルス感
染が疑われる場合もあるが、おたふくかぜを疑う病歴がない場合は、検査診断がなければ正確な診断は困
難であり、また各病巣により、その鑑別は多岐にわたる。
④ 検査法
1)血清学的検査法
補体結合(CF)試験法、赤血球凝集抑制(HI)試験法、ウイルス中和試験(NT)法、酵素抗体(ELISA)
法等の方法があり、それぞれ長所短所を持つ(表 2)
。現在の検査では、ELISA 法が主に用いられており、
CF 試験法と HI 試験法はほとんど用いられていない。NT 法は、感度、特異性ともに最も優れた方法であ
る 23-27。しかし、細胞培養と感染性ウイルスを用いる必要があり、手技も煩雑で時間を要することから、大
量に検査する場合には有用ではない。過去の感染歴を判断する上では、血清抗体価が HI 法で 8 倍以上、
CF、NT 法で 4 倍以上であればムンプスウイルスの感染既往があると判断できる。ただし、これらの方法
で抗体陰性であっても感染既往が無いとは言えない。感染既往があるかどうかの判断には、HI 法や CF 法
よりも次に述べる ELISA 法が有用である。急性期の血清と 2 週間~4 週間程度の間隔をあけて採取した回
復期の血清(ペア血清)で HI、CF、NT 抗体価を測定するとき、4 倍以上の上昇があればムンプスウイル
スの感染を受けたと判断できる 17。
ELISA 法は、
IgM 抗体と IgG 抗体を測定するキットが市販されている。
準備に手間を取られず、手技の容易さから近年は汎用されている。一般的に急性期の IgM 抗体を検出する
か、ペア血清で IgG 抗体価の 2 倍以上の上昇をもっておたふくかぜと診断される 28-30。
ワクチンの効果や持続性を評価する上で、ムンプスウイルスに特異的な抗体価の測定は有効な手法であ
る。しかしながら、それらの方法論によっては、結果の意義と解釈が異なることに留意しなければならない
10
表 1 に示された各症状は必ずしも現れるものではなく、耳下腺の腫脹や痛みがなく、無菌性髄膜炎、精
巣炎、膵炎などを主徴とする場合もある 1,3,4,8,14。またムンプス難聴を調査した報告では、約 2 割が不顕性
感染であった 15。2 歳以下の顕性感染の場合、約 20%は発熱がなく、耳下腺等の腫脹のみで経過する。
全年齢を平均化した不顕性感染率は約 30%であるが、乳児に多く、年齢が高くなるにつれて顕性感染率は
上昇し、1 歳では 20%、4 歳以上では 90%程度が発症するという報告もある 16。不顕性感染例も唾液中に
ウイルスを排出しており感染源になる 17。一方で米国でのおたふくかぜアウトブレイク時の調査で、おた
ふくかぜワクチン既接種者において無症候患者にはムンプスウイルスは検出されなかったとする報告もあ
る 18。
③ 鑑別を要する他の疾患
おたふくかぜ流行時に片側もしくは両側の耳下腺腫脹を呈するような典型例の場合には、臨床診断が容
易であるが、非流行時の急性耳下腺腫脹では、検査診断なく他疾患との鑑別は容易ではないことも多い。
反復性耳下腺炎、化膿性耳下腺炎、頸部リンパ節炎、唾石症、耳下腺腫瘍、シェーグレン症候群、薬剤性
が代表的な鑑別疾患となる 3,4,19,20。こうした鑑別疾患のうち、感染性のものの原因微生物として、コクサ
ッキーウイルス、パラインフルエンザウイルス1型/2 型/3 型、インフルエンザウイルス A、ヒトヘルペ
スウイルス 6B 型(HHV-6B)
、Epstein Barr ウイルス(EBV)
、単純ヘルペスウイルス 1 型/2 型、アデノ
ウイルス、パルボウイルス B19、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)な
どの感染による場合がある 21,22。また、耳下腺腫脹を伴わない無菌性髄膜炎・脳炎・髄膜脳炎、膵炎、精
巣炎、卵巣炎、甲状腺炎、腎炎、感音性難聴などの原因として、周囲の流行状況からムンプスウイルス感
染が疑われる場合もあるが、おたふくかぜを疑う病歴がない場合は、検査診断がなければ正確な診断は困
難であり、また各病巣により、その鑑別は多岐にわたる。
④ 検査法
1)血清学的検査法
補体結合(CF)試験法、赤血球凝集抑制(HI)試験法、ウイルス中和試験(NT)法、酵素抗体(ELISA)
法等の方法があり、それぞれ長所短所を持つ(表 2)
。現在の検査では、ELISA 法が主に用いられており、
CF 試験法と HI 試験法はほとんど用いられていない。NT 法は、感度、特異性ともに最も優れた方法であ
る 23-27。しかし、細胞培養と感染性ウイルスを用いる必要があり、手技も煩雑で時間を要することから、大
量に検査する場合には有用ではない。過去の感染歴を判断する上では、血清抗体価が HI 法で 8 倍以上、
CF、NT 法で 4 倍以上であればムンプスウイルスの感染既往があると判断できる。ただし、これらの方法
で抗体陰性であっても感染既往が無いとは言えない。感染既往があるかどうかの判断には、HI 法や CF 法
よりも次に述べる ELISA 法が有用である。急性期の血清と 2 週間~4 週間程度の間隔をあけて採取した回
復期の血清(ペア血清)で HI、CF、NT 抗体価を測定するとき、4 倍以上の上昇があればムンプスウイル
スの感染を受けたと判断できる 17。
ELISA 法は、
IgM 抗体と IgG 抗体を測定するキットが市販されている。
準備に手間を取られず、手技の容易さから近年は汎用されている。一般的に急性期の IgM 抗体を検出する
か、ペア血清で IgG 抗体価の 2 倍以上の上昇をもっておたふくかぜと診断される 28-30。
ワクチンの効果や持続性を評価する上で、ムンプスウイルスに特異的な抗体価の測定は有効な手法であ
る。しかしながら、それらの方法論によっては、結果の意義と解釈が異なることに留意しなければならない
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