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提案書07(1200頁~1401頁)医療技術評価・再評価提案書 (88 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

294102
造血幹細胞移植後キメリズム解析 PCR法
日本造血・免疫細胞療法学会
07血液内科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

22小児科
関連する診療科(2つまで)
リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

令和4年度
移植後キメリズム解析

STR法



追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

ドナー細胞と同種造血幹細胞移植前に採取したレシピエント細胞から両者を区別するマーカーを予め決定(タイピング)し、そ
れを用いて移植後造血細胞中におけるドナー細胞とレシピエント細胞の比率(キメリズム)を定量的にPCRを用いてモニタリン
グする。マーカーとして、short tandem repeat (STR)に加えinsertion/deletion (indel)も用いられるため、名称を変更す
る。

文字数: 198
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

移植片拒絶、再発、同種骨髄移植後、同種末梢血幹細胞移植後、臍帯血移植後

年間約3500例の同種造血幹細胞移植後において、造血がドナー由来に置換されたことを証明し、レシピエント細胞の残存比率
も確認できるキメリズム解析が必須である。わが国で異性間移植後のキメリズム解析に利用されているXY染色体のFISH検査
(異性間BMT)は、移植の半数を占める同性間移植で使用できない他、細胞数不足による検査不能例もみられる。このため海外
ではFISHはほぼ用いられていない。日本の現状でも、移植病院の負担でPCR法によるキメリズム解析を行っている。検査結果
のキメリズム減少は移植片拒絶、原疾患再発等の診断に必須で、認めた場合、免疫抑制剤減量、ドナーリンパ球輸注、再移植
等の対応が必要である。

文字数: 300
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

同種造血幹細胞移植後の患者全て。XY染色体によるFISH法ができない下記の場合は特に必要。
・同性間移植
・生着不全またはその疑い(※)
※移植片拒絶と移植片機能不全の鑑別に必須。また、生着不全が疑われる際は細胞数が少なく異性間でもXY染色体による
FISHができないことがある。全ての同種造血幹細胞移植において生着不全が起こることがある。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

ドナー細胞と造血幹細胞移植前のレシピエント細胞を用いて両者を区別することができるマーカーを決定する。それを用いて
移植後造血細胞中におけるドナー細胞とレシピエント細胞の比率(キメリズム)を定量的にPCRを用いてモニタリングする。一
般的には移植後1ヶ月を目処に1度行われる。生着不全や再発が疑われる場合、追加で行われる。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

D006-5

医療技術名

染色体検査(全ての費用を含む。)(異性間BMT)

既存の治療法・検査法等の内容

ドナーとレシピエントの性別が異なる場合は、移植後にX染色体、およびY染色体をFISH(Fluorescence In Situ
Hybridization)法で、検討することで、細胞の由来を決定することができる。ドナーとレシピエントの性別が異なる場合にの
み、検討できる検査であり、おおよそ半数の移植で検討可能だが、半数の移植では、性別が一致しており、検討不可能であ
る。また、一定以上の細胞数が必要であり、生着不全の場合は、細胞数が少ないため検査困難となることがある。さらに生着
不全は異性間移植でも生じ、原因も移植片拒絶と移植片機能不良の場合がある。FISH法の使用では、生着不全の正確な診断が
できなくなるリスクがある。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

研究結果

造血幹細胞移植後キメリズム解析 PCR法はFISH法(異性間BMT)と比べ、ドナーとレシピエントの識別率が約50%からほぼ100%
にまで向上する。また、当該技術は従前の異性間BMTと比べ少数の細胞で検査可能であり、レシピエント細胞の検出限界の感
度も1%以下とすることが期待できる。再発や移植片拒絶の早期診断による予後の改善も見込まれる。
再発について、PCR法によるキメリズム解析の急性骨髄性白血病再発予測における有用性を前向きに検討した研究において、
レシピエント細胞検出下限0.12%で、レシピエント細胞比率が増加傾向を示す場合有意に再発率が上昇した(Haematologica.
2021;106:1480-1483)。生着不全については、2000年から2014年に本邦で行われた再生不良性貧血に対する同種造血幹細胞移
植で、レシピエント細胞の存在(≥5%)を伴う二次性生着不全において、全生存率が悪化していた(Biol Blood Marrow
Transplant. 2020;26:445-50.)。
2a

ガイドライン等での位置づけ

造血細胞移植ガイドライン臍帯血移植2022年版において、STRを
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載する。)
マーカーとして用いるPCR法が推奨されている(P13-16)。

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