よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書07(1200頁~1401頁)医療技術評価・再評価提案書 (102 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

294202

周術期口腔機能管理後手術加算

日本造血・免疫細胞療法学会

【技術の概要】

造血幹細胞移植に際しての口腔内の管理を目的とした歯科との連携

【対象疾患】

患者の易感染性が他の評価対象手術等と比べものにならないほど著しく重度
であり、重篤な口腔粘膜障害をはじめとする口腔有害事象が極めて高頻度に
発生することから、技術的に難しく、実施時間も長い。連携の推進にあたっ
て十分な評価が必要。

造血幹細胞移植
年間対象患者は一般社団法人日本造血細胞移植データセンターの2021年度
全国調査報告書および平成29年5月31日中医協資料 診療報酬改定の結果
検証に係る特別調査(平成28年度)から約2,700人程度と推定される。

【既存の治療法との比較】 【有効性及び診療報酬上の取扱い】
周術期口腔機能管理後手術加算
手術等において、歯科疾患を有する患者や口腔衛生状態不良の患者における口腔内細菌による合併症や、薬剤
投与等による免疫力低下により生じる病巣感染、および術後の栄養障害に関連する感染症等の予防等を目的と
し、歯科医師との連携を評価
既存の診療報酬制度
全身麻酔下で行う1)人工関節置換術のうち股関節の手術、2)顔面・口腔・頸部・胸部・腹部の悪性腫瘍手
術、および3)心・脈管(動脈及び静脈は除く。)の手術、そして造血幹細胞移植
一律200点

造血幹細胞移植患者の口腔管理の特殊性

口腔粘膜全面が出血を伴う潰瘍となった
口腔粘膜障害(グレード4)の一例
歯科医師

看護師

歯科衛生士
看護師

移植期に防護環境下で頻繁に行う歯科医療者
と連携した管理
日本人を対象とした有効性を示す報告

2022年に、日本造血・免疫細胞療法学会・日本が
ん口腔支持療法学会が「造血細胞移植患者の口腔
内管理に関する指針(第1版)」を発表

歯科医師および歯科衛生士の専門的な
口腔管理を行わなかった群と行った群
歯科医師および歯科衛生士を含めた多職種連携で、
を比較したところ、口腔粘膜障害の発
口腔衛生指導・管理、口腔粘膜障害対策を行うこ
症率について、行わなかった群は
とを推奨
93.5%であったのに対して行った群で
は66.7%であり有意に減少し、発熱性
日本造血・免疫細胞療法学会ガイドライン、造血
好中球減少症の発症率も行った群で有
細胞移植後の感染管理(第4版)で歯科医師との
意に減少した。(Kashiwazaki et al., 2012)
連携を推奨
1301

潰瘍を有する口腔粘膜障害が積極
的な口腔ケアによって半分以下に
減少した (Soga et al., 2010)

造血器腫瘍で化学療法を受けた235
名の患者を対象に、歯周病の重症度
の指標であるperiodontal inflamed
surface area (PISA)と発熱性好中球減
少症との関連を調査→発熱性好中球
減少症発症群でPISAの値が有意に高
く、化学療法前の歯周病の治療が発
熱性好中球減少症の予防のために推
奨される。(Nishi et al., 2022)

造血幹細胞移植の口腔管理は、固形腫瘍等の手術と比べ技術に難しく実施時間も長いため、連携の推進にあたって2,000点程度の評価が妥当