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提案書07(1200頁~1401頁)医療技術評価・再評価提案書 (184 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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(1)他検査の代替検査としての大腸CTについて
高齢、癒着(過去の手術や放射線治療、憩室炎後、異所性子宮内膜症等)、解剖学的な理由(多発憩室、S状結腸や横行結腸の過長、下行結腸の
固定不良、ヘルニア)、肢体不自由、極度のやせや肥満などの理由により「他検査」としての大腸内視鏡検査が完遂できない場合や、検査の実施
がそもそも困難であった場合、大腸CTは安全に盲腸までのガス拡張が可能であり代替検査として推奨されている【文献1、2】。
(2)治療前評価目的検査としての大腸CTについて
大腸癌の外科的治療(外科手術および内視鏡的粘膜下層剥離術等)のための病期診断において、病変の局在診断には大腸CTの方が大腸内視鏡検査
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 よりも有意にエラー率が少なく (13.2% vs 21.6%、p<0.001)、正診度が高い(90% vs 98%、p<0.05)。局在診断のエラーは術式選択のエラーに繋が
後等のアウトカム
るため、正確な局在診断が重要視されている。
また、壁深達度診断においてT2、T3、T4の深達度診断、特にT3、T4浸潤に対して高い診断能を有している。壁深達度診断は内視鏡治療が可能か否
か、外科治療であれば切除範囲の決定に関して重要な情報である【文献3、4】。
大腸内視鏡検査で大腸悪性腫瘍を疑う病変が発見された同日に大腸CT検査を行う(いわゆる同日法)ことで、病期診断のみならず鏡視下手術にお
いて重要な血管構造などの解剖学的構造の把握が可能な検査情報を1回のCT検査で取得可能である。切除対象病変と血管構造の関係性の把握は手
術を安全に行うための重要な情報と考えられている【文献3、5】。また、大腸内視鏡検査と別日に病期診断のためのCTや下部消化管造影検査を行
う必要がなくなり、延べ検査日数の減少と累積放射線被ばくの低減も得られる。

③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

【文献1】実践的な米国のガイドラインとして、大腸CTの医学的適応を定義している。
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 【文献2】実践的な欧州のガイドラインとして、代替検査としての適応を定義している。
る。)
【文献3】本邦の画像診断ガイドライン2021年版では、術前検査としての大腸CT検査を局在
診断、壁深達度診断の点で推奨している。

大腸CTの対象患者に変更ないが、適応拡大により年間約8,000件の検査数増加と推定する。

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

(1)他検査の代替検査としての大腸CTについて
大腸内視鏡検査の完遂率は57%から99.4%以上までと幅広く報告されているが、本邦のある大学病院での完遂率95.0%という報告を採用した場
合、D313(大腸内視鏡検査)は年間約290万件(入院外来合計:第7回NDBオープンデータ)であることから、非完遂検査数は約14.5万件となる。
非完遂の原因に対する十分な対策をとった上で再検査することにより大腸内視鏡検査が完遂可能であることを考慮すると(Rexらによると再検査
は98%の完遂率)、約2,900件/年が、大腸CT検査を含めた他の大腸検査が代替検査として必要となる可能性がある。実際に施行する大腸CT検査
は、さらなる内視鏡での再検査や、大腸CTの施設要件の制限などによりさらに少数になると考える。
(2)治療前評価目的検査としての大腸CTについて
院内がん登録2020年全国集計によると大腸癌登録数は約12.8万人であり、そのうち外科手術あるいは内視鏡的治療前評価のためにCTが必要な患者
を、ステージII期(19.2%)、III期(18.8%)の全員と、I期、IV期の半数(9.6%、7.6%)と見積もった場合、約7万件(55.2%)となる。第7回
NDBオープンデータによると2020年の大腸CT検査数は4万5,000件であり、半数の2万2,500件程度が実質的に治療前評価目的検査として運用されて
いると仮定すると、70,000-22,500=47,500件程度の治療前評価目的検査が大腸CT検査の需要として潜在している可能性がある。大腸CT検査の熟練
度や検査枠、診断医等の様々な要因により、直ちに45,000件/年の大腸CT検査増加を見込めず、5,000件/年の検査増と推定する。

年間対象者数の
変化

見直し前の症例数(人)

約13万人

見直し後の症例数(人)

約13万人

年間実施回数の
変化等

見直し前の回数(回)

45,000回

見直し後の回数(回)

53,000回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

日本医学放射線学会は2007年から2016年にかけて放射線学会総会に大おいて腸CTのハンズオントレーニングコースを設け、検査法と診断法の教
育、普及を推進してきた。従来放射線診断科は大腸癌診断に精通しており、検査法についても下部消化管造影検査で培った知識が流用できる、
2012年の診療報酬改定にて大腸CT撮影加算が算定可能となって以来、全国で年間約5万件を施行するまでに普及した。
国際的に見ても、特に欧米においても大腸CTの導入と普及は着々と進んでおり、様々な条件下ではあるが大腸腫瘍性病変を診断対象にした大腸CT
検査の一部が保険償還されている国も存在する。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 大腸CT撮影加算が申請可能な設備を有している施設。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 変更なし
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 変更なし
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

副作用や合併症のリスクは変化しない。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

特になし
特になし
特になし

区分

特になし

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし

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