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参考資料2 (35 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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効率的で質の高い医療提供体制の整備(総論、入院医療)③ 資料Ⅱ-1-35
〇 我が国の医療提供体制において、医療資源がただ散在しているばかりでなく、適切な役割分担、医療機能の分化・連携等がこれまで十分でなかった背景には、医療機関
ごとに経営主体や規模が異なることも挙げられる。
〇 医療機関単位・医療行為単位・入院日数単位の評価が中心の診療報酬体系のもとで、こうした医療機関同士が他の医療機関との連携を欠いたまま競争し、医療行
為の積上げ、病床の稼働率の向上、在院日数の長期化に邁進するといったことでは、医療の質の向上には限界があり、新型コロナのような新興感染症への対応も覚束ない。
〇 他方、「競争よりも協調」という考え方に立って医療機関相互間の機能の分担および業務の連携を推進するために創設された制度として、地域医療連携推進法人制度
が存在する。2017年に導入され、本年1月1日現在で30法人が認定されている。
〇 同制度は、参加する医療機関等に関する統一的な連携推進方針を決定し、横の連携を強化するとともに、グループの一体的運営によりヒト・モノ・カネ・情報を有効に活用
することを目指しており、実際、多くの地域医療連携推進法人で、医療従事者の派遣・人事交流、共同研修、医薬品の共同購入、医療機器の共同利用が行われている。
〇 地域医療構想を達成するための選択肢としても、医療費の適正化の観点から医薬品の共同購入・医療機器の共同利用を推進する観点からも、地域医療連携推進法
人制度の活用は望ましく、その普及を徹底すべきである。
〇 なお、昨年12月の当審議会では、診療報酬体系を医療機関等相互の面的・ネットワーク的な連携・協働をより重視する「横連携」型の体系へシフトさせていくことが提言
されている。地域医療連携推進法人制度の普及に当たっては、そうしたシフトの一環として、患者単位でエピソードを評価し、患者の転帰に際し、地域医療連携推進法人に
参加する複数の医療機関等に対し、一体として包括報酬を支払うことを含め、「競争よりも協調」の具現を後押しする手法を幅広く検討すべきである。
◆地域医療連携推進法人制度の概要

◆地域医療連携推進法人一覧(令和4年1月1日現在)
【北海道】南檜山メディカルネットワーク

上川北部医療連携推進機構
【青森県】上十三まるごとネット
【山形県】日本海ヘルスケアネット
【福島県】医療戦略研究所
ふくしま浜通り・メディカル・アソシエーション
【茨城県】桃の花メディカルネットワーク

【滋賀県】滋賀高島
湖南メディカル・コンソーシアム
【大阪府】北河内メディカルネットワーク
弘道会ヘルスネットワーク
泉州北部メディカルネットワーク
【兵庫県】はりま姫路総合医療センター整備推進機構
川西・猪名川地域ヘルスケアネットワーク

【栃木県】日光ヘルスケアネット

【岡山県】岡山救急メディカルネットワーク

【神奈川県】さがみメディカルパートナーズ

【島根県】江津メディカルネットワーク

横浜医療連携ネットワーク

雲南市・奥出雲町地域医療ネットワーク

【岐阜県】県北西部地域医療ネット

【広島県】備北メディカルネットワーク

【千葉県】房総メディカルアライアンス

【高知県】清水令和会

【静岡県】ふじのくに社会健康医療連合
静岡県東部メディカルネットワーク
【愛知県】尾三会

高知メディカルアライアンス
【佐賀県】佐賀東部メディカルアライアンス
【鹿児島県】アンマ

計30法人

「令和4年度予算の編成等に関する建議」 令和3年12月3日 財政制度等審議会
医療機関単位・医療行為単位・入院日数単位の評価が中心の診療報酬体系の
ままでは、医療行為の回数や病床の稼働率、在院日数に医療機関の経営上の関心
が向きがちとなる。このように「インプット重視」・「量重視」が助長されれば、ひいてはそ
れぞれの医療機関が他の医療機関との連携を欠いたまま医療行為の積み上げ、病
床の稼働率の向上、在院日数の長期化に邁進するといった事態に陥りかねない。こう
した意味で、現在の診療報酬体系はいわば「縦突進」型とも言うことができる。これを、
「アウトカム重視」・「質重視」の患者本位かつ医療機関等相互の面的・ネットワーク的
な連携・協働をより重視する「横連携」型の体系へシフトさせることは、地域完結型の
医療の実現のためのみではなく、新興感染症等の感染拡大時などの有事においても、
医療機関等の役割分担や連携が適切に発揮される礎となり得る。